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【 女性の撮り方。】

投稿日:2018/11/20

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僕が女の子を撮る時に常日頃、思っているのはその子をどう美しくor可愛く撮るかです。

その子の長所を最大限に発揮し、いかに美しく、可愛くするか。
 
先日、水戸店のオーナーからこんなことを言われました。
 
 
                  「女性は普段の3〜4割り増しで撮れて初めて納得する。」
 

 
本当にその通りだともいます。
そこに、大人だからとか、子供とかは関係ありません。
みんな、自分を綺麗に可愛く撮ってほしい。
 
親は、自分もありますが、子供を可愛く撮ってほしいとお金を払いスタジオにきます。
それに応えるのが僕たちカメラマンの役目だと思っています。
 
そこには責任があり。使命がある。
 
75カットの中で、決めの写真を入れる。
これはすごく大事なことです。
 
これを撮るために写真の勉強をしてると言っても過言ではないです。
男の子なら、どれだけかっこよくできるか。
女の子なら、どれだけ可愛く出来るか。
 


例えばこの女の子。
睫毛すごく長くないですか?
さらに、顔も小さく、目も大きい。
横顔の鼻から顎までのラインが綺麗なEラインになっています。
 
みなさん、Eラインってご存知ですか。
おそらく女性の方なら知ってると思いますが、Eライン(エスティシャンライン)というのは、鼻の頭から顎まで一直線の線がひけるラインのことを言います。
よく横顔が綺麗な人は、このラインができています。
一番理想的なラインは鼻から顎までの線が唇を通らない、ハリウッドラインと呼ばれています。
 
この子、普通に撮っても可愛いです。
その子をどうやったら3〜4割り増しで撮れるか。
 


一番はその子の身体的な特徴を強調する撮り方をすることです。

 
今回、一番力を入れた部分がポージングです。
この子は睫毛が長く上向き。それをどう強調して撮ろうか悩みました。
一番最初に多いついたのは、カメラポジションを顔に位置にし、真横から横位置で横顔をと考えました。
そうすると、長さも上向きさもしっかり見え、なおかつEラインも強調できるので一度シャッターを切りました。

 

しかし、僕は大事なことを忘れていたのです。

 

それはこの撮影が着物で、しかもお持ち込みだということ。
この着物は色からこの子が選んだお着物らしく、決めの写真なのにその着物が写ってないというのは言語道断です。
なら、縦位置でバストアップで撮影すればいいのではないか思いましたが、動きのあるポージングを作れないということで脳内で即却下でした。

しかし、ここで脳内に閃光が走りました。


先人の教え、「女性は斜め45度から撮る」という事が湧き出ていたのです。
そのためには、彼女に座って貰わないといけません。
ここでは色付きの椅子ではなくて白色の椅子を選択しました。
理由としては、着物の色の邪魔をしたくなかったからです。
ここで、普通に座ってもらうだけではつまらなく、動きがないので体をひねる感じにし、手を重ねてもらいその上に顔を置いてもらいました。
そうする事により、体のラインができるのです。
 

料理に例えるなら、今の段階は良いお肉(被写体)に調味料(ポージング)を足し焼いただけです。
これだけでも美味しいですが、さらに美味しくするためにはメイン料理を引き立たせるための副菜が必要。それが光と前ボケと色のバランスです。
 

光は彼女の透明感を出すのに必要不可欠です。
今回の光は、メインは逆光で補助光としてサイド光を使用しています。
逆光を使う事により、ふんわりとした印象を写真に与えてくれこの子の透明感を出すのに最適です。
さらに補助光としてサイド光を入れる事により、顔の肌のトーンを耳から鼻近くに向かって綺麗なグラデーションを作ることができます。
実はこのグラデーション、サイド光を入れなくてもできます。
 
ではなぜ補助光を使ったかわかりますか?
 
それは使わないと明暗差の強いグラデーションになってしまうからです。
透明感と聞いて思いつくのは、暗いイメージより明るいイメージではないでしょうか。

光というのはそこにあるだけで効果があります。
それをどのくらい被写体に対してどこの部分に当て、どのような効果をつけるかが大事です。
なるべく明るく、しかし顔がのっぺりにならないように気をつけました。

 

前ボケの入れ方も重要です。
今回は画面左に約1/3ほど入れました。
意図としましては現実的な部分をなるべく目立たせたくなかったからです。
女の子は、丸く、優しいイメージがあります。
しかし、このお店には白の椅子が木でできたものしかありませんでした。
白色なので、写真に写すと少しは緩和されるのがですが、個人的にはもう少し緩和したく角の部分に前ボケを少しかませました。
さらに、椅子だけではなくなるべく強調したい睫毛などに目線が行くように顔ギリギリに使い、視線誘導も行なっております。

この前ボケの色も大事なのですがそれは次の項目で説明します。

 

最後に色のバランス。
皆さんは、色相環というものをご存知でしょうか。

 

上の画像のようなものなのですが、これは簡単に言いますと色の統一感を出すときにみる表のようなものです。
今回の場合、着物の色が緑系統ですね。この図でいうと3時の方向にあると思います。
今回前ボケで使った色、黄色。2時の方向。隣同士ですね。
二つの色を合わせることを配色といいます。
今回の場合、隣同士の色を合わせることを「類似色相配色」と言いまして、変化をつけつつまとまりのある配色になります。

着物に光が当たってるため暗い緑や明るい緑がある事により、となろ同士じゃなくなる色もあると思います。
この場合ですと「黄色&くらい緑」「黄色&明るい緑」など。

実はこれ「同一トーン配色」と言いまして色相が違っていても、共通す色でまとまりができるのです。
この着物のメインは緑系ですよね。しかし柄に黄色やピンクなどの色が入っています。

黄色というのは先ほど出てきた「類似色相配合」で説明できますが、ピンクはどうなのでしょう。
色相環をご覧ください。

緑の反対側に赤系統がありますね。
これを「補色」と言います。
補色の2色は色相差がもっとも多く、お互いの色を引き立たせてくれる色なのです。

着物というのはこういった色のバランスが計算されて作られています。
前ボケなどに色を入れる場合はそういったことも考えないといけません。
邪魔をせず、むしろ引き立てる色を使うと効果的です。


勉強というのはとても大事です。
こういった事も勉強をしないと覚えることができません。

写真というのは、覚えることがたくさんですがとても楽しいです。
この覚えたことを、お客様のために使い、それが笑顔で帰ってきたときがこの仕事をしていて良かったと思うときです。

 

 

 

 

 

 


photo by Nihei
 coordinate by Iku
written by Nihei
 
 
 
 
 
Mito

 

 


 
 
 

 

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