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下関店
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いつか

投稿日:2015/7/8

1201 0


・・18年前。
 
彼女と私が出会った日。
 
彼女とは小学1年生からの付き合いで、
この日がくるまでにどれだけの時間を共に過ごしてきんやろうか。
ランドセルを背負い片道30分の登下校から始まり、
こうして写真を撮る人と母親として撮られる人が同じ空間の中に至るまでの
歴史を書き出したら1冊の本では収まりきらないほどのエピソードがある。
 
私が地元から離れ、直接会う機会が減り、
それでも1年に1回は必ず会う時間を作った。

それから、彼女の人生が急に変化したのは。
 
3人兄弟の末っ子として生まれ、彼女の母も父も念願の娘に喜んだ。
特に父は可愛くて仕方なかったという。
昔から運動も得意で頭も良くて優しくて可愛い彼女はモテモテでした。
でも、本当の彼女は男らしくサバサバした性格だった。
いつも男の人に興味がない様子の彼女をみていたので、急な報告にはびっくりした。
1人の男性と出会って、1、2年後には結婚するという報告まで聞き、
少し寂しい気持ちを感じつつ、それにも増す喜びの方が大きくて、
嬉しくて絵文字をぐちゃぐちゃに送ってしまったことを今でも覚えている。
 
 
結婚式の日、彼女は涙も見せず堂々と手紙を読んでいました。
逆にお父さんは涙があふれ、それを見て私も涙が止まりませんでした。
父と娘。年を重ねると一時的に反抗期だったり、複雑になることもありますが、
父親にとって娘は変わらず特別な存在で、寂しくて手放したくない気持ちと、
葛藤していたのだろうなと思いました。
 
結婚式で流される生い立ちのムービー。
私はいつもこのムービー見るたびに改めて過去を振り返るときは写真が主で、
ありのままの嘘偽りない生きてきた証拠として残っていく、
かけがえのないものだと思っています。
ただの紙切れかもしれませんが確かにそこに存在していたこと、
関係や時間を共に思い出し、改めて幸せや大切なものを感じ、
時が経ち、より価値ある紙切れになっているのかもしれません。
 
その写真の中のお父さんと彼女はありのままの嘘偽りない父と娘の姿であって、
誰が見ても2人の存在を確認できるものとして映っていた。
 
 
 
 
1人から2人、そして3人4人と、
末っ子娘だった彼女は気付けば4人家族の母親になっていた。
たくましくて、温かくて、さっぱりしていて、それが彼女であり、母である。
友人である彼女を尊敬する反面、
ファインダー越しに覗いた姿は存在そのものが美しく見え、
私はすごく緊張して手が震えた。
 
あなたが1人の母親として存在するまでに、
この子があなたの子供として存在するまでに、
どれだけの人と出会い、どれだけの繋がりから、どれだけの時間のなかで、
どれだけのことを感じ、どれだけの人生を生きてきたのだろうか。
 いろんなことを考えた。

 
私は写真を撮る人間として、目の前の存在の美しさ、空間や時間、
目に見えない、触れることのできないカタチを言葉にできなくても、
それでも伝えたいことを写真で表現していこうと思う。
 




いつか彼女の子供たちの結婚式で流れる写真を見て、
彼女が何かを感じてもらえる1日になれたらいいなと思います。


photo yoh
 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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