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大宮店
memories No.120
投稿日:2024/12/6     更新日:2024/12/6
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袴姿でキリッとした表情を見せる彼。
生まれたばかりの弟を愛おしそうに見つめる彼。
5歳らしい、ひょうきんであどけない彼。
その全てに彼の魅力が詰まっている。
最初の印象は、何でも上手にこなす優しく可愛らしい男の子。
私たちは彼と心の距離を縮めようと、あれこれ遊びの提案をしていく。
少しの緊張が徐々に楽しさへ変わって来た頃、彼の心も少しずつ開放されてゆく。
そして、眼鏡という普段は使わないアイテムをゲットし、
今度は彼の方からグッと心の距離を縮めてきてくれた。
心の距離は写真に現れる。
と言うが、正にこの瞬間、私は本来の彼の姿を見る事ができた。
ただ、眼鏡を渡して「掛けてみて」と言っただけだったが、
眼鏡をかけずに、カメラマンの私の所にトタトタ…と走ってきた。
眼鏡を私に押し付けながら、その間から彼はのぞき込んできた。
その表情は、少しいたずらをした時のような、
ワクワク、ウキウキした表情だった。
その表情を見た時、彼の心と私たちの心が一緒に楽しんでいる瞬間だと感じた。
そして、彼が歩み寄って来てくれた嬉しさと、
この表情を目いっぱい画面に詰め込みたいと思った。
広角を使うことで、広がりのある躍動感あふれる写真を作り出すこともできただろう。
しかし、画面いっぱいに彼の表情だけを写したかったので、
レンズを回すのをグッと堪え、私は必死にピントを合わせた。
だって、彼と私たちの心の距離はこんなにも近く、
その場にいた皆で笑いあったあの温度感を表すには、
画面目いっぱいに彼を詰め込んだ方が良いと思ったから。
写真は静止画。
しかし、フレーミングに少し意味を持たせるだけで、写真から音が聞こえたり、
空気感が伝わったり、温度だって感じることができると私は思っている。
だからこそ写真は奥が深く、面白い。
写真を撮ることの面白さを改めて感じたと同時に、
写真の表現方法は無限大だと思った。
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