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大宮店
memories No.26 「やわらかい、彼女」
投稿日:2019/4/1
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Write by Maru
Photo by Maru
Coordi by Ueさん
ハッキリとした顔立ちの彼女は、好きなぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた、物腰やわらかな雰囲気の女の子。
まっしろい、やわらかなクッション。
まっしろい、レースのついたかわいいお洋服。
まっしろい、ふわふわのスカート。
あたたかい、陽だまりに包まれているような彼女は、閉じた目を開けて、クッションから顔を少し上げてフフッと笑う。
春風が彼女を起こしてくれたのか…?
それとも、小鳥のさえずりが彼女には聞こえたのか…?
彼女の周りは、ふわっとあたたかいベールをまとっているようだった。
彼女の物腰のやわらかさを表現する為の要素とは?
・やさしさを引き立たせる曲線
やわらかい、やさしい印象を与える時に必要な要素が曲線。
人は、直線を見ると緊張や、ピンと背筋が伸びる印象を受ける。しかし、今回は彼女の物腰のやわらかさを表現したかった。
そこで、やわらかいイメージを崩さないよう、まっしろいクッションの上にのってもらった。重心のかけ方によって、クッションの沈み方が変わり、自然と彼女のラインが崩れ曲線が生まれる。
・水平垂直だけが正解ではない。カメラを傾けて表現
クッションという魔法のアイテムで、彼女の曲線はやわらかく表現された。
しかし、一度、シャッターを切って、何かが引っ掛かった。何が…?「やわらかさが足りない!」そこで私は、少しカメラを傾けて、シャッターをまた切った。写真を確認して、私の中でしっくりきたのだ。今までの私だったら、水平垂直を意識して、真っ直ぐにその場を捕えていただろう。だがそれでは、下の部分が直線に切れてしまって、写真の中に「直線」が生まれてしまう。「直線」が生まれてしまうと、一つ前で説明した、緊張を感じる写真になってしまう。私の中でひっかかていたのは、これだ!と思った。「直線」という要素を無くすため、カメラを傾ける。ここで、気を付けなければならないのが、傾ける方向。彼女の曲線に合わせて、左上に傾けた。この写真の大切な要素の一つ。
・前ボケ
やわらかさを表現する3つ目の要素。それが前ボケ。時に前ボケとは、邪魔な存在になりゆる。失敗してしまうと、これは何?と言う事も。前ボケとは、しっかりと「説明」ができる時、はっきりとした「意味」がある時に入れるからこそ写真のクオリティーがぐっと上がると私は思う。
私がこの時、前ボケを入れた「意味」それは「やわらかさ」を表現するため。右側から、グラデーションのようにかかる前ボケは、少し重い髪の毛の色を調和させ、全体的に包まれるような印象を与える。前ボケが無い場合、すべてがはっきりと写り、「やわらかさ」という表現と合わなくなってしまう。
・まっ白い、衣装
彼女のやわらかい印象にぴったりの、まっ白いコーディネートを提案してくださった、上さん。衣装の雰囲気を崩さないようにセレクトした髪飾りも彼女にぴったりでした。
白色は清楚感、信頼感といったクリーンなイメージを与える。それだけではなく、見る人に明るく感ぜられる色、抽象的なイメージだと「白」は「夢」なども連想させるそうだ。実際、私もこのまっ白コーディを見た時、クッションに寝かせ目をつぶってもらった。寝る=「夢」と繋がる。人は、無意識のうちに色から、色々なイメージを連想させているのだと思った。
物腰やわらかな彼女の印象は、皆さんに伝わっただろうか?
私はカメラマンとしては、まだまだです。しかし、少しずつでも前に進めていたらならいいと思います。この写真を撮れた時、彼女のやわらかさを表現できたと実感がありました。実感がわく写真、自分の中で、しっくりきた写真が、お客様とリンクするようにもっと1件1件を大切にしていきたいと改めて感じた撮影でした。
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