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京都桂店
Photo: あなたがいる
投稿日:2013/5/15
610 3
ISO 400
シャッタースピード 1/100
絞り f4
焦点距離 65mm
あなたがいるということ。
あなたがいるということが、私がいるということになる。
この日、この時間に来てくれた親子を見てそう思いました。
さばさばしているけれども、深い愛情と強い意志のある眼差しで息子を見ていたお母さん。
2ショットを撮るときに、彼女の子どもへ向けた表情が本当に自然に溢れる笑顔だったことが、今も私の心に残っています。
この5歳になる男の子も、撮影の合間にお母さんへ向ける表情が柔らかく安心に満ちていました。
この2人が手を繋いだり、ギュッと抱きしめ合ったりするときに、お互いの存在がそこにいるということを本当に心から実感しているような表情をするので、私もその姿に心を打たれました。
あなたがいるということが、私の喜び。
2人からその言葉が不意ににじみ出ているような気がしました。
横浜店の光がとても綺麗な場所の一つである緑が見える大きな窓の前で、お母さんの顔が光で綺麗に輪郭を際立たせるような位置に立ってもらいました。男の子にはやや高い椅子の上で立ってもらい、互いに手を繋ぎ、おでこをくっつけてもらいました。
そうすると、やはりお互いがいるという喜びを感じさせるかのような笑顔が2人から出て、私も自然と嬉しくなりました。
その喜びいっぱいの2人の姿を、より美しく切り取るには…。
その表情にクローズアップしたかったので、画角は横にして、お母さんの優しい表情を綺麗に見せたかったので、真横というよりは男の子の横少し後ろ気味に私の立ち位置を決めました。横やや後ろからでも男の子の嬉しそうな表情が見ることができ、またお母さんの表情を男の子より少しだけわかるように写すことで、2人の表情のバランスが取れます。また、お母さんの心境にややクローズアップをしたかったので、こういった立ち位置を取りました。
2人の嬉しそうな雰囲気を柔らかい光で残したい…。その私の気持ちが通じたのか、太陽が雲間から一瞬覗き、まるで2人を柔らかく包み込むような光が入ってきました。男の子の右後ろから射す、半逆光の自然光。外と中との理想的な露出比。その雰囲気を残すため、2人にだけピントを合わせて他をぼかしたかったのでf値は4で調整しました。
柔らかく幸せな写真を、一生の宝物になる写真を、この2人のために残したい。
その2人の幸せを、出来るだけ正確に美しく切り取りたい。
そんな思いを、シャッターを押す指に込めて。
あなたがいるということがこんなにも幸せで、こんなにも嬉しくて…。
そのことを知っている2人。
絆を大切にしている2人。
当たり前のことだけど、それを私の心に再確認させてくれた2人に感謝します。
本当にありがとうございました。
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