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京都桂店
scrollable
Re:ply to you...
投稿日:2018/5/31
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2年前のvolvoさんの「写真と人」。そして昨年の所沢店のP.O.Pから。自分のことを撮って書いていただくことが増えたので、こういうのは慣れているつもりでいましたが、今回は私の断片ではなく心の核心に迫った文章を書いてくれたコバに、少しお返事を書きたいと思います。
自分のことを書かれて心に響くときはどんなときでしょうか。
3年前の士官学校で、私はこのように社長に言ったことがあります。
「信頼される人になりたい。」
今思い出すと、恥ずかしいくらい自分勝手で利己的な欲求だったと反省していますが、そのとき社長の答えはこうでした。
「人は、その人が欲しい答えを言った人のことを真に信頼し、影響を受けるものだ。欲しい答えとはその人の核心にあるもので表面的な関心だけでは到底届かないものだ。だから人深く入る必要がある。相手が欲しい答えがわかった時に、その人は心を開く。」
今、私がそのような人になれているかと言えば、まだまだ程遠いでしょう。
なぜならば、私が見ているその人もまた断片的なその人にしかすぎず、いくら私が規定しようともその人自身が本当にそのような人であるかは、実際にはわからないのですから。
今回。コバから声をかけてもらった時に、意外な人からオファーが来たと驚きました。
彼女とは2013年に横浜青葉店でおよそ1年間一緒に働いた時期がありました。
今思えばたった1年ですが、この1年間がとても濃かったのを覚えています。
メンバーの濃さもさることながら、ヒーリングキャンプや論文があり、今のライフスタジオからは考えられないことですが、営業日数を減らし読み・書き・討論に集中していた時期でした。
ひたすら読んで、書いて、討論する日々で、自分の考えを顕し、人の意見と自分の意見の違いを知り、その中で自分の考えを変化させより広い視点を持つことが目的です。時に意見を交わすことも、考えることも嫌になることがあります。
正しいことがなぜ正しいのかわからなくなり、人と自分のどうしようもない価値観と世界観の違いの壁が立ちはだかり、決まりきった答えがない中で、自分だけではなく人とともに答えを出すことは、情熱と危機感がないとできないことだと思います。
そんな思考と錯誤の渦のヒーリングキャンプのグループに、私とコバがいました。
コバはしっかり予習復習をしていて、準備をしっかりする人なんだなぁと思っていました。
討論の中では優等生な答えが重要ではなく、自分の考えを述べて、変化させることができるかどうかが重要です。その中で、コバはたびたび言葉を失い、自信が無くなっていくことが多かったように見えました。
あの時の私は愚かなもので、とにかく自分の存在を討論の場という公共性のある場に顕そうと必死だったのだと思います。なぜ、この場にいて言葉を発しないのかが疑問でした。
今思えば、コバは今までにない量の思考の渦の中でゆっくりと彼女のペースでパラダイムシフトをしようとしていたのだとわかります。
しかし、愚かだった私はそんな気持ちを理解しようとせずに「自分もこの場に立っているのだから、みんなも対等にこの場に立ってほしい」という思いしかなかったように思います。
そんな私とコバだから、討論の場では正反対でした。
私は人の心の内をよく見ようと、私の意見を出そうと、体は前のめり、目を見開きじっと相手を見据える。一方でコバは目を伏せ言葉を出さない。
当時は嫌われているだろうなと感じていました。
なぜなら表面だけ見れば私はきつい態度であったことは自覚していたからです。
論文の後、私は横浜青葉店を去ったので遠くからしかコバを見ていませんでしたが、彼女は前に進もうとしているのを見て取れますが、彼女の中の何かコンプレックスのようなものが邪魔をしてすぐに自信を失ってしまうようでした。
そのコンプレックスは、おそらく「自分らしさ」というものであろうということはわかっていました。彼女は随分若い時からライフスタジオにいたので、キャラクターの濃い年上の先輩を見続けていました。そして自分の現状を見た時に、「らしさ」がわからなくなってしまうのでしょう。写真もその都度、試行錯誤をしているようでした。
それでも彼女の長所は、なにがあっても自分の役割を全うしようとすること。人にも、職務にも常に誠実にあり続けようとする姿勢でした。
だから、彼女は彼女がいる店舗から信頼を得て、相談をさせてくれる環境を自ら作っているように見えました。
しばらく彼女と離れていた期間が長かったので、月に1度の横浜方面での指名の時くらいしか会うことがありませんでしたが、ワンポイントに彼女が入って、新横浜店に移動になったあたりから、彼女を取り巻く雰囲気が変わったように見えました。
本社管轄から彼女の誠実な姿勢を認められるようなことがあり、任される職務が大きくなっていきました。
教育を担当すること、店舗の運営に参加することは、自らの成長に大きくつながるとともに、周囲から信頼を得るいい機会になります。
彼女はその機会を狙わずして、彼女の普段の姿勢からモノにしていったようでした。
リーダーシップサークルに参加してからの彼女は、意識的に主体的になろうとしていました。
中でも大きかったのは、コンプレックスだと言っていた写真に真正面から向き合ったことではないのでしょうか。
周囲の反対を押し切ったと聞いたときは、「らしくない」と思ったと同時にコバが自分の「意志」を強く示したことに成長と感じ、うれしくなりました。
そして、今回彼女のプロジェクトで私が呼ばれると思っていなかったので、意外なオファーにびっくりしました。
特に、私は苦手かと思われているかと思ったので、呼ばれること自体にびっくりしたのですが…。(笑)
実際に撮影されてみると、試行錯誤をしながら彼女の規定したイメージと私との接点を探そうとおしゃべりをしながら一生懸命、試行錯誤をしている姿が印象的でした。
ライトボックスの位置・私のポージング・顔の角度、いろいろ観察して撮ってみる。
撮られながら、「あぁ、これは人をちゃんと見る訓練をしているのだな」と思いました。
ここまで、こだわる時間を持つことは普段の撮影ではできません。
だから、スタッフを使って練習するには本当にいいプロジェクトです。
かつ、人と真正面から向きあおうとしている。
写真を撮るにあたっては非常に重要なことです。
自ら最初に規定をするということは、被写体の人について観察して熟考しなければできないことです。
それは、被写体がどんな人でどのような話をしたら響くのかを考え、その人が欲しい答えを言うこと。
新横浜店での教育や、このプロジェクトのおかげで、彼女はそのことを少しずつできるようになっていることを実感しました。
それは彼女が信頼されやすい人ということを、更に根拠づける強力な要素になることになると思います。
写真というものは、いつ撮っても、いくら自分がうまくなったと思って天狗になったとしても、それは全くの勘違いだと挫折して、の繰り返しで、それは人と向き合うが故に、人と向き合うことから目を逸らしているときにうまくいかないと実感するものです。
彼女のプロジェクトは、写真で一番重要な人と向き合うことをしようとすることなのだと、実際に参加してみて感じました。
きっと、これは日常の撮影でも癖づけられて、今年一年彼女の写真は変わるんじゃないかと、勝手に期待しています。
ところで、反対に「私を撮ってください」と言われたので、私も撮りました。
テーマは「風通しのいい小林」(笑)。
願わくば、この一年が彼女の心にとって閉塞感ではなく、爽やかな風が吹く一年になりますように。
また、きみどりでも、どこでもご飯行こうね。
自分のことを書かれて心に響くときはどんなときでしょうか。
3年前の士官学校で、私はこのように社長に言ったことがあります。
「信頼される人になりたい。」
今思い出すと、恥ずかしいくらい自分勝手で利己的な欲求だったと反省していますが、そのとき社長の答えはこうでした。
「人は、その人が欲しい答えを言った人のことを真に信頼し、影響を受けるものだ。欲しい答えとはその人の核心にあるもので表面的な関心だけでは到底届かないものだ。だから人深く入る必要がある。相手が欲しい答えがわかった時に、その人は心を開く。」
今、私がそのような人になれているかと言えば、まだまだ程遠いでしょう。
なぜならば、私が見ているその人もまた断片的なその人にしかすぎず、いくら私が規定しようともその人自身が本当にそのような人であるかは、実際にはわからないのですから。
今回。コバから声をかけてもらった時に、意外な人からオファーが来たと驚きました。
彼女とは2013年に横浜青葉店でおよそ1年間一緒に働いた時期がありました。
今思えばたった1年ですが、この1年間がとても濃かったのを覚えています。
メンバーの濃さもさることながら、ヒーリングキャンプや論文があり、今のライフスタジオからは考えられないことですが、営業日数を減らし読み・書き・討論に集中していた時期でした。
ひたすら読んで、書いて、討論する日々で、自分の考えを顕し、人の意見と自分の意見の違いを知り、その中で自分の考えを変化させより広い視点を持つことが目的です。時に意見を交わすことも、考えることも嫌になることがあります。
正しいことがなぜ正しいのかわからなくなり、人と自分のどうしようもない価値観と世界観の違いの壁が立ちはだかり、決まりきった答えがない中で、自分だけではなく人とともに答えを出すことは、情熱と危機感がないとできないことだと思います。
そんな思考と錯誤の渦のヒーリングキャンプのグループに、私とコバがいました。
コバはしっかり予習復習をしていて、準備をしっかりする人なんだなぁと思っていました。
討論の中では優等生な答えが重要ではなく、自分の考えを述べて、変化させることができるかどうかが重要です。その中で、コバはたびたび言葉を失い、自信が無くなっていくことが多かったように見えました。
あの時の私は愚かなもので、とにかく自分の存在を討論の場という公共性のある場に顕そうと必死だったのだと思います。なぜ、この場にいて言葉を発しないのかが疑問でした。
今思えば、コバは今までにない量の思考の渦の中でゆっくりと彼女のペースでパラダイムシフトをしようとしていたのだとわかります。
しかし、愚かだった私はそんな気持ちを理解しようとせずに「自分もこの場に立っているのだから、みんなも対等にこの場に立ってほしい」という思いしかなかったように思います。
そんな私とコバだから、討論の場では正反対でした。
私は人の心の内をよく見ようと、私の意見を出そうと、体は前のめり、目を見開きじっと相手を見据える。一方でコバは目を伏せ言葉を出さない。
当時は嫌われているだろうなと感じていました。
なぜなら表面だけ見れば私はきつい態度であったことは自覚していたからです。
論文の後、私は横浜青葉店を去ったので遠くからしかコバを見ていませんでしたが、彼女は前に進もうとしているのを見て取れますが、彼女の中の何かコンプレックスのようなものが邪魔をしてすぐに自信を失ってしまうようでした。
そのコンプレックスは、おそらく「自分らしさ」というものであろうということはわかっていました。彼女は随分若い時からライフスタジオにいたので、キャラクターの濃い年上の先輩を見続けていました。そして自分の現状を見た時に、「らしさ」がわからなくなってしまうのでしょう。写真もその都度、試行錯誤をしているようでした。
それでも彼女の長所は、なにがあっても自分の役割を全うしようとすること。人にも、職務にも常に誠実にあり続けようとする姿勢でした。
だから、彼女は彼女がいる店舗から信頼を得て、相談をさせてくれる環境を自ら作っているように見えました。
しばらく彼女と離れていた期間が長かったので、月に1度の横浜方面での指名の時くらいしか会うことがありませんでしたが、ワンポイントに彼女が入って、新横浜店に移動になったあたりから、彼女を取り巻く雰囲気が変わったように見えました。
本社管轄から彼女の誠実な姿勢を認められるようなことがあり、任される職務が大きくなっていきました。
教育を担当すること、店舗の運営に参加することは、自らの成長に大きくつながるとともに、周囲から信頼を得るいい機会になります。
彼女はその機会を狙わずして、彼女の普段の姿勢からモノにしていったようでした。
リーダーシップサークルに参加してからの彼女は、意識的に主体的になろうとしていました。
中でも大きかったのは、コンプレックスだと言っていた写真に真正面から向き合ったことではないのでしょうか。
周囲の反対を押し切ったと聞いたときは、「らしくない」と思ったと同時にコバが自分の「意志」を強く示したことに成長と感じ、うれしくなりました。
そして、今回彼女のプロジェクトで私が呼ばれると思っていなかったので、意外なオファーにびっくりしました。
特に、私は苦手かと思われているかと思ったので、呼ばれること自体にびっくりしたのですが…。(笑)
実際に撮影されてみると、試行錯誤をしながら彼女の規定したイメージと私との接点を探そうとおしゃべりをしながら一生懸命、試行錯誤をしている姿が印象的でした。
ライトボックスの位置・私のポージング・顔の角度、いろいろ観察して撮ってみる。
撮られながら、「あぁ、これは人をちゃんと見る訓練をしているのだな」と思いました。
ここまで、こだわる時間を持つことは普段の撮影ではできません。
だから、スタッフを使って練習するには本当にいいプロジェクトです。
かつ、人と真正面から向きあおうとしている。
写真を撮るにあたっては非常に重要なことです。
自ら最初に規定をするということは、被写体の人について観察して熟考しなければできないことです。
それは、被写体がどんな人でどのような話をしたら響くのかを考え、その人が欲しい答えを言うこと。
新横浜店での教育や、このプロジェクトのおかげで、彼女はそのことを少しずつできるようになっていることを実感しました。
それは彼女が信頼されやすい人ということを、更に根拠づける強力な要素になることになると思います。
写真というものは、いつ撮っても、いくら自分がうまくなったと思って天狗になったとしても、それは全くの勘違いだと挫折して、の繰り返しで、それは人と向き合うが故に、人と向き合うことから目を逸らしているときにうまくいかないと実感するものです。
彼女のプロジェクトは、写真で一番重要な人と向き合うことをしようとすることなのだと、実際に参加してみて感じました。
きっと、これは日常の撮影でも癖づけられて、今年一年彼女の写真は変わるんじゃないかと、勝手に期待しています。
ところで、反対に「私を撮ってください」と言われたので、私も撮りました。
テーマは「風通しのいい小林」(笑)。
願わくば、この一年が彼女の心にとって閉塞感ではなく、爽やかな風が吹く一年になりますように。
また、きみどりでも、どこでもご飯行こうね。
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