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京都桂店
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Project NEIGHBORS vol.2 : .with
投稿日:2018/2/28
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NEIGHBORS vol.2 at .with
Text: Sastuki Kudo
Photo: volvo
Text: Sastuki Kudo
Photo: volvo
話をいただいたのは2017年12月。
ひょんなオファーから.withでNEIGHBORSをやらせていただけることになった。
ミンさんとソニさん。
私にとって、この2人は緊張する2人だ。
私が2012年にライフスタジオに入社したときに、
ミンさんは国分寺店の店長でソニさんも自由が丘店の店長だったからだ。
いまやライフスタジオ7年目でベテランと呼ばれる私も、
この二人は偉大過ぎて恐縮する。
ミンさんはどこか神秘的で、何かと見透かされそうな人。
ソニさんは明るくて、はっきりしていて、心が大きな人。
この二人はライフスタジオの顧客文化と写真の礎を
築いてきていただいた功績のある人たちだ。
この二人の人柄は、ライフスタジオの第一線でやってきたというよりは、
もともと持っていた人柄で人を惹きつける力を持っている。
だから、何にもない平凡な私には憧れに近い存在だ。
ひょんなオファーから.withでNEIGHBORSをやらせていただけることになった。
ミンさんとソニさん。
私にとって、この2人は緊張する2人だ。
私が2012年にライフスタジオに入社したときに、
ミンさんは国分寺店の店長でソニさんも自由が丘店の店長だったからだ。
いまやライフスタジオ7年目でベテランと呼ばれる私も、
この二人は偉大過ぎて恐縮する。
ミンさんはどこか神秘的で、何かと見透かされそうな人。
ソニさんは明るくて、はっきりしていて、心が大きな人。
この二人はライフスタジオの顧客文化と写真の礎を
築いてきていただいた功績のある人たちだ。
この二人の人柄は、ライフスタジオの第一線でやってきたというよりは、
もともと持っていた人柄で人を惹きつける力を持っている。
だから、何にもない平凡な私には憧れに近い存在だ。
2018年1月某日
インタビューの内容を考えたときに
この平々凡々な内容で、大丈夫だろうか…?いや、これだってたくさん考えた中での質問だ、大丈夫!
という自問自答を10回ぐらい繰り返し、インタビュー当日を迎えた。
「こんにちは!」と.withの扉を開くと、本当に、驚くほどいつも通りの二人がそこにいる。
まるでこちらの緊張がほぐされるような感覚だった。
「緊張しています。」と可愛く笑うミンさん。
NEIGHBORS初参加のHIROとようちゃんも加え、少しの緊張感と安心感の入り混じった空気感の中、私たちはインタビューを始めた。
まずは何から話そうか…。
ここ.withはライフスタジオ同じ写真館だ。そういう場所において、共通する媒介はもちろん写真である。繋がれるのは、撮影という場であることがほとんどだ。写真館における仕事は、もちろん写真のことなしで考えられない。目的が人とつながることだとしても、写真はその方法でありツールである。その方法を取っている理由は何だろうか。そこに二人が一緒にやっている根本があると思うのだ。
だからこそ聞いたのは、「二人にとって写真とは何か?」だった。
そにさん(以下ソニ):写真館自分を表現できる場所で、撮影は自分を表現できるもの。しかもそれが苦じゃないんです。ほかの職種でも自分を表現できるのかもしれないけれど、私には撮影する場所は自分を最大限表現できる場所で、とても特別なものです。私はほかにも、旅館とかいろいろな職種を経験しましたが、またこうして撮影という仕事を選んでここにいるのは、きっとここが私が私でいられる場所なのでしょうね。ミンに比べれば私は写真ではかないませんが、写真というよりは写真を撮るという行為は、私が人と深く関われることだし、私が自分を出せる場所です。
みんさん(以下ミン):高校の時からやっているんですが、私にとってはあたりまえにある空気みたいなものですね。自分の欠点をカバーをしてくれるものですし。(笑)自分をぶつけていいものじゃないかなって。その反面自分の状態が写真に全部出るから、いつも写真は自分に宿題をくれます。写真に限らず人を愛するのも同じじゃないですか。撮影は、人を美しく思うこと=愛することに似ているのかもしれないですね。
もともとは人じゃなくて風景を撮っていました。正しくは人が風景の中にいる写真ですが。人をメインに撮り始めたのは、ライフスタジオに入ってからです。人を撮るということは被写体が主人公になること。カメラマンはその被写体の演出家になることです。
写真とは何か?というシンプルな質問なのに、それだけでこんなにも深い答えが出てくる。
それはきっと二人にとって写真を撮るという場所をちゃんと定義し続けて毎日を送り写真を撮っているのだろう。二人は経営者なので、.withを作っていくということ自体が今の現実で、実際に店舗を経営しているということは社会へ向けて自分たちなりの価値を提示しようとしているわけで。その価値を写真という媒介を通して日々提示するには写真とは何なのかという根本的な問いを深く広く考えていかなければいけない。ライフスタジオにいても常にそういったことを考えながら撮影に臨んでいるつもりだが、この2人からの言葉を聞くと私がいかに「つもり」だったか思い知らされる。現実に、実際に社会という土の上に立って写真館として生きるということは、こういうことなのだ。綺麗ごとでもなんでもなく、真に写真の価値を信じることだし、自分にとって写真とはという問いに潔いほどの答えがある。
ライフスタジオの先輩として、社会にいち早く出た先輩として、その問い一つだけでも物凄く引き込まれた。そこで私は二人の人柄が気になったので2人に聞いてみた。
Q:「お二人が持つそれぞれのポリシーはなんですか?」
そに:ひたすら汗をかきながら頑張ることです。一枚でも良い写真を撮れる努力をしています。
でもね、それが仕事に感じない(笑)。だって楽しいから!人を笑わせるのが好きなんですよ。だから手を抜くという感覚はありませんね。アシスタントでは。人と話すのが好きすぎちゃって(笑)。喋りすぎちゃうと、カメラマンは撮りづらいので(ミンさんを見ながら)後ろから睨まれるようなこともしばしば…(笑)。体力的には大変ですが、カメラマンが本当にすごいので汗の数だけいい写真が撮れてるって信じて頑張っています!
工藤:ソニさんも写真お上手ですよね!特に赤ちゃんの写真はかわいくって。
ミン:そう!そにさんの赤ちゃんの写真かわいいんですよ!そにさんが見てる赤ちゃんってこんなだろうなって写真で分かります。写真は撮影者の視点そのものですから。
そに;写真だと動と静かなって思います。私は赤ちゃんの仕草とか動きとか、パパやママのリアクションとか見るのが好き。でもミンは赤ちゃんの写真でも静かな写真が多い。
ミン:そうそう、赤ちゃんでも色っぽく撮っちゃう(笑)。
工藤:ミンさんは撮影でポリシーとかありますか?
ミン:被写体を見てこの人のそういうところを写真で残したいって思ったものは絶対残したいと思っています。カメラマンだけでなくコーディネーターも家族も本人もみんなが満足する写真。写真だけでなくそういうスタジオにしたいし、そのスタジオでの撮影の雰囲気や内容もみんなが満足できるようにしたいです。これが仕事!って感じになっちゃうと毎回すごいエネルギーを使うことなので大変ですが、人と会うのを楽しみながら労働と自分事とのバランスを取りながらやりたいっていつも思っています。そのためにみんなが納得していく空間を作って、カメラマンとコーディネーターと家族がお互いが相乗効果となって撮影をして写真を撮って、みんながみんな応えあえるスタジオにしたいしそういう撮影にしたいしそういう写真を撮りたいです。
ソニ:そういった空間だとお客様が安心できると思うんです。なんせしゃべる。コーディネーターもカメラマンも(笑)。お互いによく知っているんです。お客様の前で二人の話もよくするし、二人の関係性をお客様へ表すためにいじりあう(笑)。
二人の関係性…。そういえば私は二人の関係性がどこから始まりどこへ行こうとしているのかを知らない。関係性を知るには今見える関係性だけではなく、その始まりや過程・望む方向性を見ないと知るということにはならない。そしておそらく二人が出会ったのは私がライフスタジオへ入る以前の話。だからこそそれを知らなければいけないと思った。
Q: 二人の出会いについて教えてください。
ミン:何年前かは覚えていないけれど最初に会ったのが自由が丘店でした。循環勤務で。その期間中はソニさんは自由が丘店にいなかったんですけど。
ソニ:日高さんとか優しくてゆるいスタッフの中で写真もそういう感じの写真が多かったんですけど、自由が丘店へ戻ってきて写真を見ていたらなんか違う写真があるって思ったの。「なんじゃこりゃ?」って(笑)。なんかすごかったんですよね。
ミン:後日呼び出されました(笑)。
ソニ;だって今までの写真と違うから。これは逃しちゃいけないカメラマンだってことで循環勤務は1か月延長してもらいました(笑)。もっと自由が丘店にいい写真を残してもらいたいなって思いました。それから国分寺でよく会うようになりました。
ミン:ソニさんに会うと明るくなります。だからよく遊びに行く。本当に癒されます。
ソニ:いつの間にか、二人で仕事したいと思うようになったんです。アメリカで仕事したいとか(笑)。ハワイに店舗出したいって李社長にお願いしたこともあったっけ。苦い顔していたけど(笑)。
ミン:二人とも旅が好きなんです。いろいろ話しているうちに彼女とならできるなって。
工藤:なぜ一緒にやろうと思えたんですか?
ミン:自分とは違う人だから。一緒にいて問題がないからってわけではないですよ。問題がない人はいないから。ただ問題が起きた時にこの人とやり直せると思った。喧嘩してもやり直せるなって。ソニさんにはそういう信頼度があります。
ソニ:大切にしているところが一緒なんだと思います。目指すところが一緒。なんかあってもこの人となら乗り越えていけるだろうって。なんでだろ?直感(笑)?一緒にやるっていうのはお互いにアプローチし続けることだと思うんですけど。そうやって動くのがミンとは楽なんです、
「問題があってもこの人とならやり直せるという信頼感。」
この言葉を聞いたときに、私はハッとした。一緒にやるときにそう言える人が何人いるのだろう。店舗で仲間と仲良くすることはできる。だけどここまで信頼できる関係性を作れているだろうか…。これはライフスタジオの初期を知る二人だからこそ関係性という本当の意味を知ってるのかもしれない。私がvolvoさんと店舗をまた一緒にやろうとした時も同じように思った。だけどそう思うのに5年もかかった。私はライフスタジオにいて「人」と「関係性」について語っていたが、実際は何をしていのだろうと恥ずかしくなった。
ライフスタジオで言われている関係性の重要性・真正性のある人たち。それをこの二人は本当の意味で作れていると思った。ライフスタジオでもここまでの関係性になれる人はそんなに多くない。だから、その関係性の相乗効果として得られたものは何か。そこが気になった。
Q: 二人で一緒にやって得られたものは?
ソニ:ミンは天才だと思ってたけど、本当は物凄く努力している人だった。普通の人も写真をうまくなるように頑張るけどミンはその倍を頑張る。そこに改めて尊敬した。私も頑張らなきゃって気持ちにさせてくれるんです。自分を振り返るとここまで努力したことがあったのかなって思って反省します。一緒にいて自分に甘えないようになるし本当に刺激になる人です。
ミン:ソニさんはすぐ動く。あんまり考えないで行動する。だから仕事も早いです。私は考えなきゃできないからすごいなって思います。あと人を大切にしている。必ず約束は守る。人にまっすぐで飾らない。自由が丘店にいた時は店長で先輩だったんですけどそんな権力とは全然関係ない人でした。自分を他人より上に見ていないすごい謙虚な人だと思います。でも末っ子気質(笑)。世話されるのが得意だったり、いじってもらうのが好きだったり(笑)。でも、あまり人と好ましくない場面になったときに真っ先に自分を下げるのが大人だなって思います。
工藤;二人でいるとどんなできると思いますか?
ミン:一人だとできることは限られますけど、二人だとできることが純粋に倍になります。物理的にもそうですし、知識も考えも。二人分の人生の幅があるので、人脈も広がります。実際広がっていっている。
Q:.with二人の目的地とは?
ソニ:自由な働き方と生き方。
ミン:一緒です。人生のバランスを取りたい。仕事のようで仕事じゃないような。経済的にも自立しているような働き方。何もたくさんお金を稼ぎたいわけじゃない。楽しんで生きるくらいの稼ぎでいいんです。
ライフスタジオでは読み・書き・討論があって、本を読んで書いて討論するって大変で不自由だって思っていたんです。だけど事業を起こして、もっと不自由って思いました。事業を起こすには銀行からお金を借りなくちゃいけないんですけどそのための事業計画書はライフスタジオで書くことよりも大変でした(笑)。それに理想だけじゃなくて経済面とか集客とか現実的なことがあるから、美しいことばかりじゃないからもっと不自由。起業は価値だけではない。実績がないと数字が重要ですし。自由な働き方をやっていくには、価値を持って経済的に自立することをしていかないと。ただ自由な働き方は夢の話。ライフスタジオから離れて、経営者になって、やっと地に足を着けたような気がします。
Q:挫折しそうなときはありましたか?
ミン:銀行・売り込みには文章が必要です。まずそれに挫折しそうになりました(笑)。.withを改めて始めてみてうまくいかない時期があり、予定していたものと真逆をいってしまったことがありました。だけどうまくいかなくても意味がないことがない。スタジオに来てくださるお客様たちとお話ししてまだやれることがあると思いました。自分たちが最初に考えていたことに固執してしまって物事を広く見ていないと感じました。それを予想していなかったから準備していないことに後悔したし反省しました。
ソニ:でも苦しいときに「終わりだね」は言わないことにしています。とにかく行動してやってみる。常に挑戦することを大切にしています。
ミン:私が落ちたり悩んだりしてもソニさんが心配してくれる。お互いが落ちた時はどちらが気楽いられるんですよね。
ソニ:言葉には言霊があるから、あきらめるような最終宣告を自分自身にしないことですね。良いことも悪いことも現実になっちゃう。
話が絶えることがない。一つを投げかけると5倍になって返ってくる。しかもそれが、私たちが聞きたかったこと。もっと聞きたくなること。私たちの姿勢を正してくれること。私たちの未来をワクワクさせること。そんなことばかりで、二人の人間性の豊かさに脱帽するばかりだ。
ソニさんは自分のことを聞かれるのを苦手そうにするが誠意をもってシンプルに話してくれるし、ミンさんはどんどん内面が滲み出る不思議な人だ。そんな二人はテンションも雰囲気も全く違うが、重要な部分が似通っているような気がした。求めているものが同じ。そして、ともに人生を歩むということの意味と価値。実際に話を聞いてみないとその価値にはなかなか気が付かなかった。なんてすばらしい関係性なのだろう。
最後に、二人の関係性を規定してもらった。
Q:二人の関係性を一言でいうと?
ミン:よくも悪くも普通。ときには厄介で、ときにはありがたい。自然にいられて気を使わない。
ソニ:一緒に当たり前になっているから家族。
ミン:え、家族とは違うような…。だって特別じゃないもん。いて当たり前って感じ。
ソニ:だから家族なんだよ(笑)。いつも間にか一緒にいてあたりまえって家族じゃない?血のつながりがなくても。えーとそれじゃ夫婦みたいなもん?スタジオが子供。私たちが両親でさ…(笑)。
ミン:あー、それなら家族なのかな…(笑)。
いつの間にか一緒にいて当たり前。まるでつながることが必然だったかのような二人。そんな二人だから何があっても大丈夫って言えたり、喧嘩しても問題が起きても当たり前のようにそばにいられるんだろうなって思う。ライフスタジオでは当たり前になっている「人が、人を、人として」という言葉や「関係性」という言葉は形骸化しやすいのかもしれないし、それによって仕事を成していくと実感している人はどのくらいいるのだろうか。少なくとも、その貴重な経験と実践はこの二人の関係性にこそあるのかもしれない。
撮影の後、今の都内のスタジオ経営について聞いたときに、二人は写真館の価値について憂いでいた。今はお金のある資本家たちが写真館業界に参入してきて、相場がどんどん安くなっていくと。そうなると、写真がそこそこでも見た目が同じようなものならお客様はそっちに流れて行ってしまう。本当の写真の価値を知らないまま、写真の価値が失われていってしまうと。一度.withに来てくれればその価値を知らせることができるのにそこに至らないから悔しいし、もっと活動の幅を広げなくてはいけないと言う二人は、力強く頼もしい。ライフスタジオも同様に、真剣に考えなければいけない。写真を通じて人生を豊かにする価値を。どこのスタジオにもないたったひとつの価値を。
私は、また二人を訪ねたいと思った。私が大切な何かを忘れてしまいそうなとき。何かを失ってしまうそうなとき。この偉大な先輩たち二人にまた会いたい。
.withのお二人には貴重なお時間をいただき、言い表せない感謝の念を抱いています。
アップするのが遅れたことお詫び申し上げます。
また、別々に一緒に歩んでいきましょう。
これもまた写真を通じて関係を作ることになったらうれしいと思う。
インタビューの様子はこちら
インタビューの様子はこちら
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