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P.O.P 〜RE:constitute your AURA〜 Yoko Moriya "BEFORE"
投稿日:2017/6/23
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TOKOROZAWA 写真プロジェクト
P.O.P
〜Prove Our Photophilosophy〜
write by Satsuki Kudo
P.O.P
〜Prove Our Photophilosophy〜
write by Satsuki Kudo
彼女を見ていると、まるでかつての私を見ているようだと告白したら、彼女はあまり良い思いをしないのかもしれない。笑
初めて会ったのは1月、ワンポイント会議の後の飲み会。当時彼女は草加店に配属された新入社員で鈴木くんの隣にいた彼女は、
写真館経験者らしく専門知識に詳しくコミュニケーションスキルも高そうに見えた。
よく喋り、よく質問をする。
人が話した話題から、テンポよく話を発展させるのが巧い。
それは、彼女特有の関西訛りの口調からそういう印象を受けたのかもしれない。
誰にでも入りやすい質問から、不意にその人ならではの性格を出すような質問を挟むことで、話術で人の心を掴む。
そんな第一印象だった。
次に出会ったのは2月なかば。彼女は所沢店に配属になった。
初日に、少し彼女の人生観が見えるような話をしたのを覚えている。
それを話す彼女は笑顔だったが、どことなく寂しそうだった。
その寂しそうな彼女の表情は、いったいなんだったのか、それは今でもわからない。
それから一緒に働くようになった彼女の印象は、はつらつとして非常に働き者。
おしゃべりもよくして、お客様との話も楽しそうに親しみやすい距離感を自ら取っていく。
「人が好きなんだな。」
私は彼女を見てそう思った。
実際に、スタッフの話をしてもその人のことをポジティブに捉えようとしている印象があった。
ふつうは、新人であれば初めてのことばかりで精神的負担もベテランよりはあるだろうし、業務量でいえば人一倍はあるだろう。
だから、少しはどこかで愚痴やネガティブな感情が出てもおかしくないのだが、彼女は健気なほど不満も言わずにひたすら目の前のことに取り組んでいる。
彼女は、自らを「スーパーサラリーマン」と言う。
「サラリーマン」という言葉の深い意味は置いておいて、その言葉は純粋にまっすぐに仕事に生きようという態度であることと感じた。
同時に、自分の意志や人生よりも仕事を遂行するといった意思表示にも見えた。
そんな真面目で、まっすぐな彼女だから、周囲からの印象は「固い」というものを持たれがちだ。
実際、私もそう感じていた。
彼女自身も、自らを「頭が固い」と自認し、今はその頭の固さを柔らかくするために試行錯誤をする日々だ。
しかし、そのまっすぐでポジティブな言動とは裏腹に、やはり彼女はどこか陰のある寂しそうな表情をする。
それは何なのかを知るには、彼女がなぜ頭が固い(と思われている)のかを知る必要があると感じた。
きっと、そこに彼女の生きてきた足跡や、彼女が何を感じて、何を見て、何を選んできたのかが私から見えると思ったからだ。
しかし少し突っ込みながら彼女と話をしてみた。
あなたにとって仕事は何?
あなたにとって他者は何?
たぶん、こんな漠然としていて今まで考えたこともなかった質問はかなり困ったかもしれない。
実際、困った顔をしていた。
もしかしたら、怖がらせたかもしれない。
違ったら非常に失礼だけど…。あくまでも私から見る印象の話だけど。
彼女は、親しみやすさと話量の多さから人に垣根がないように思われがちだが、
実は「自分」と「他人」の存在を誰よりも分けているのではないかと感じたのは、彼女と話した時に彼女と違うところや彼女がたぶん共感できないことを話すと、
どこか目を逸らしそれ以上中には入ろうとしなくなることからだった。
彼女と、他者が違う存在だということを知ると彼女は必要以上に壁を感じてしまうのではないかと、そのとき感じた。
そして、おそらく彼女はそういった思いを今まで人生の中でしてきて苦しんだ経験があるのではないかと。
そういった思いから、それでも人の中で生きなければいけないのが人という存在だから、
うまくやるための対処法やパターン、自分が傷つかないようにするための法則を彼女なりに構築したものが今の「固さ」なのではないかと。
話していてどこか寂しそうな表情をするのは、彼女に何の経験があるのかは、
まだわからないがそのときの「何か」がまだ彼女の中にしこりとして残っていることなのかもしれないと。
少なくとも私個人はそう思う。
人生を生きていくにおいて、傷つくことは必要だ。
その痛みを知っている人は、誰よりも他人の痛みを知ることができ、他人に優しく寄り添えることができるようになる。
その優しさが、誰かの人生に触れるために必要な要素になるからだ。
今、私が感じる彼女の中には「矛盾」がある。
「矛盾」とは、相反する側面が同居していること。
彼女の場合は、「今までの自分から脱却できない自分」と「それをどうにかしたい自分」なのかもしれない。
哲学をやっていると、この「矛盾」がなければ、変化をしないということを学ぶ。
つまり「矛盾」を抱いているということは、彼女は変化する要素を十二分に持っているということだ。
それは、大きな「可能性」を意味する。
私は、その「可能性」の先を見てみたいと思った。
それは未来へ進むためのことでもあるが、同時に自分の過去を振り返り自分がどのような人間かを思い知ることにもなる。
人によっては、苦しいこともあるのかもしれない。彼女もきっとそのことにぶつかっているのかもしれない。
しかし、私はまだその「何か」が何なのか知らない。
もしかしたら、私自身が彼女のそこに深く入っていく勇気がなかったのかもしれない。
だから彼女の写真を撮る。
私は人としては未熟なので、写真を撮るという方法が一番スムーズに人に深く入ることができる。
写真を撮るということは、あらゆる側面の彼女を見て、それを総合して私から見た彼女の存在の美を表現することだから。
そのためには、撮影中に彼女の「固さ」について触れ、私からの投げかけをして、彼女から発露されるものを全部ひっくるめて受け止めることが必要だから
私が思う彼女を、写真を撮ってコミュニケーションを撮ることで、深く知り私の中の彼女の存在を再構成したい。
私はより深く彼女に触れてみたい。
しかし、それでも彼女の写真を撮ったあとに、彼女の人生に触れて、これから先をよりまっすぐに彼女と歩んでいけたらと思っている。
P.O.P 〜RE:constitute your AURA〜Yoko Moriya"AFTER",,,へ続く。
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