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イシューからはじめよ 韓国士官P

投稿日:2012/11/3

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イシューからはじめよ

著者:yahoo株式会社COO室室長 安宅和人

Center:蒔田高徳

 ISSUEという単語を最近使うようになった。また、アジェンダというそれまで知らない単語も今年に入って知るようになった。それまで使っていなかった言葉が入ってくる時、それは最初に聞くときは新しい経済的な流行語のようにも感じるが、これからはそれが自分の言葉となって使われていく。著者の肩書きで本に興味を持った。世の中で経営者の二番手、三番手で働く人にも最近興味がある。その人たちの責任、役割、成果、考え方、行動、どのような仕事をなしてその成果が評価されていくのか。参謀と言われる人や経営戦略プロジェクトに参画する人間、大抵企業の本を読むと経営者の奮闘ぶり、思想、行動がやはりフォーカスされがちである。もちろんたくさんの人間模様があって企業は成り立つが企業の看板となるのが経営者のマインドである為、そうだろう。この本の著者は、現在の自分という観点から新しい考えを提示してくれそうな気がしたのだ。

 本当に優れた知的生産には共通の手法があると著者は感じた。その鍵となるのがこの本のタイトルにもある「イシューだ」。

 「イシューとは何か」実際のところ「何に答えを出すべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むことが鍵なのだ。それに私も大きく同意する。イシューを知り、それについて考えることでプロジェクトの立ち上がりは圧倒的に速くなり、混乱の発生も予防できる。目的地の見えない活動はつらいが、行き先が見えれば力が湧く。つまり、知的な生産活動の目的地となるものがイシューなのだ。

 

悩まない、悩んでいる暇があれば考える

「考える」と「悩む」この二つの違いは何か。

悩む=答えが出ないという前提のもとに考えるフリをすること

考える=答えが出るという前提のもとに、建設的に考えを組み立てること

この二つ、似た顔をしているが実はまったく違うものだ。

 仕事において悩むというのはバカげたことだ。仕事とは何かを生み出すためにあるもので、変化を生まないとわかっている活動に時間を使うのは無駄以外の何ものでものない。これを明確に意識しておかないと、悩むことを考えることだと勘違いして、あっという間に貴重な時間を失ってしまう。

 私は100冊の読書感想文をやることが、とても良かったのは、悩む暇などないことだった。考えることばかりだった。考える習慣はとても良い時間となった。士官学校が最近私たちの組織で展開されているが、時間だけが提供されても人は良くなるとは限らない。限られた時間の中でも、自分自身を作っていく条件を生み出すことを考える人は変化できる。

士官学校の大衆化という私たちが次に考えるシナリオがあるが、その時間の配分と資源の配分と言う点では、私が考えるのは簡単な半年という期間は不必要だと思う。そこに関しての自分自身が考えるイシューからの提案、論理もまたまとめていこうと思う。

 

 常識を捨てる

この本で紹介する「イシューから始める」という考え方は、世の中の一般的な考え方とは異なるところが多々あると思う。何よりも大切なのは「一般常識を捨てる」ということだ。ライフスタジオの様々な方法たちを今まで見てきたが、李社長を見れば、一般常識には全くとらわれていない。本人は意識しているかどうか知らないがイシューから始まっているということは分かる。

l         問題を解くより「問題を見極める」

l         解の質を上げるより「イシューの質を上げる」

l         知れば知るほど知恵が湧くより、「知りすぎるとバカになる」

l         一つのことを早くやるより「やることを削る」

l         数字の桁にこだわるより「答えが出せるかにこだわる」

 

バリューのある仕事とは何か

 生産性とはそもそも何か

 

生産性=インプット÷アウトプット=投下した労力・時間÷成果

 

この本で言うところの生産性の定義は簡単で「どれだけのインプット(投下した労力と時間で)どれだけのアウトプット(成果)を産み出せたか」ということだ。

 生産性を上げたいなら、同じアウトプットを生み出す為の労力・時間を削りこまなければならない。あるいは、同じ労力・時間でよりアウトプットを生み出さなければならない。ここまではよくわかるだろう。

 では「多くのアウトプット」とはなんだろうか?言い換えれば、ビジネスパーソンであればきっちりと対価がもらえる、研究者であれば研究費をもらえるような「意味のある仕事」とは何だろうか?著者のいたコンサルティング会社では、こうした意味のある仕事のことを「バリューのある仕事」と呼んだ。プロフェッショナルにとって、これを明確に意識することが大切だ。プロフェッショナルとは、特別に訓練された技能をもつだけでなく、それをベースに顧客から対価をもらいつつ、意味あるアウトプットを提供する人のことだ。つまり、バリューのある仕事とは何かという問いへの答えがわからなければ、生産性など上げようがないのだ。

プロフェッショナルにとって、バリューのある仕事とは何か?

よくある答えは、

l         質の高い仕事

l         丁寧な仕事

l         他の誰にもできない仕事

といったものだ。これらは正しいが、本質を突いたものとは言えない。「質の高い仕事」というのは、「バリュー」を「質」に言い換えているだけだ。では「質」とは何か、となる。「丁寧な仕事」であればどんな仕事でもバリューがあるかと言ったら、それも違和感がある。他の誰にも出来ない仕事というのは一見正しいように思えるが、特別でない場合、ほとんど価値をもたない仕事となる。価値が無いからこそ誰もやってこなかった。だから

上記の三点では、問いの本質の半分にも達していない。

 

バリューの本質は2つの軸から

上矢印: 解の質

バリューのある仕事

 

 

バリューの本質は二つの軸から成り立っている。一つ目が「イシュー度」であり、二つ目が「解の質」だ。

著者の言うイシューの定義

A.二つ以上の集団の間で決着のついていない問題

B.根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題

AとB両方の条件を満たすものがイシューとなる。

 

従って著者が考える「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、そして「質の解」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。

 上の図のように黄色の部分に入るのが「バリューのある仕事」であり、右上に近づけば近づくほどその価値は上がる。バリューのある仕事をしようと思えば、取り組むテーマはイシュー度と質の解が両方高くなければならない。問題解決を担うプロになるとするなら、このマトリクスをいつも頭に入れておくべきだ。

 多くの人は、マトリクスの縦軸である「質の解」が仕事のバリューを決める、と考えている。そして横軸であるイシュー度、つまり課題の質についてはあまり関心を持たない傾向がある。だが、本当にバリューのある仕事をして世の中に意味のあるインパクトを与えようとするなら、あるいは本当にお金を稼ごうとするなら、このイシュー度こそが大切だ。なぜなら、イシュー度の低い仕事は、どんなにそれに対する質の解が高かろうと、受益者から見た時の価値はゼロに等しいからだ。

 日産のゴーン社長の本を2冊読んで思うこと、そして私たちの会社の李社長の共通点は「イシュー度」の高さである。質の解は現場が行うが、イシュー度の高い低いで価値に差が出るものであれば、同じように私が目につけるべきは、イシュー度の高い内容はなんなのかに目を向けることである。

 

 根性に逃げるな

労働時間ではない、価値のあるアウトプットを生み出すことが重要だ。たとえ1日に5分しか働いていなくても、合意した以上のアウトプットをスケジュールどおりに、あるいはそれより前に生みだせていれば何の問題もない。時間ベースで考えるのか、アウトプットベースで考えるのかが「laborer労働者」と[worker]の違いであり、もっと現代的な言葉では「サラリーマン」と「ビジネスパーソン」さらには、「ビジネスパーソン」と「プロフェッショナル」の違いでもある。

 本来は主に肉体労働者を示す「laborer」は、特定作業のための拘束時間に対して給料をもらうことを示す言葉だ。時間ベースで給料をもらうサラリーマンは言葉こそ現代的だが、その意味するところのかなりの部分は「laborer」と同じだ。ビジネスパーソンというのは

会社に雇われてはいるが、マネジメントや自分の仕事に関わる「ハンドルを握る側の人」というのが本来の意味だ。勤怠管理はあっても、本質的には労働時間ではなく、マネジメント活動と日々のビジネス活動を通じたアウトプットにコミットし、そこで評価される。そして、プロフェッショナルは、特定の訓練に基づく体系的なスキルをもち、それをベースに特定の価値の提供にコミットし、特定の顧客から報酬を得ている人だ。提供しているものはあくまで顧客への価値であり、時間当たりで課金を行う弁護士やコンサルタントであっても、対価は個々人のスキルレベル、すなわちそれぞれの価値がもたらす勝ちの大きさで相当に変わる。

 プロフェッショナルとしての働き方は、「労働時間が長いほどお金をもらえる」というレイバラー、あるいはサラリーマン的な思想とは対極にある。働いた時間ではなく、「どこまで意味のあるアウトプットを生み出せるか」によって存在意義が決まる。そんなプロフェッショナル的な生き方へスイッチを入れることが、高い生産性を生み出すベースになる。

 

 

仮説を立てる

 「スタンス」を取ることが重要

イシューの見極めについては、「こんな感じのことを決めないとね」といった「テーマの整理」程度で止めてしまう人が多いが、これではまったく不足している。実際の検討をはじめてから再度「イシューとはなんだろう」と考えているようではいくら時間があっても足りない。こうしたことを避けるためには、強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心だ。理由は3つ

1.       仮説でもいったんイシューに答えを出す

たとえば、「○○の市場規模はどうなっているか?」というのは単なる設問に過ぎない。

ここで、「○○の市場規模は縮小規模に入っているのではないか?」と仮説を立てることで、答えを出し得るイシューとなる。仮設が単なる設問をイシューにするわけだ。

2.       必要な情報・分析することがわかる

 仮説を立てない限り、自分がどのレベルのことを議論し、答えを出そうとしているのかが明確にならず、それが明確になっていないことにすれ気づかない。仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかる。

3.       分析結果の解釈が明確になる

仮説がないまま分析をはじめると、出てきた結果が十分なのかそうでないのかの解釈ができない。その結果、労力ばかりかかることになる。

 

ライフスタジオで最近時事討論で何々を調べるということがある。

仮説を立てないイシューで言うと、「消費税について調べておいて」これでは、いったい何をどこまで、どのようなレベルで調べればよいのかわからなくなるだろう。

ここで仮説を立てよう

「新しい消費税率では、わが国の国益、税収は大きく上がる、または下がる可能性があるのではないか?」

「新しい消費税率では、わが国の利益に対する影響が年間○兆円あるのではないか?」

「新しい消費税率では、様々な市場の利益も変動し、わが国の相対的地位が悪化するのではないだろうか?」

「新しい消費税率では、現在持っているネガティブな要素を最低限に抑えることができるのではないか?」

 これくらい仮説を立てて仕事を割りれば、与えらた方も自分が何をどこまで調べるべきなのかが明確になる。答えを出すべきイシューを仮説に含めて明確にすることで、無駄な作業が大きく減る。つまり生産性が上がるのだ。

 

 何はともあれ言葉にする

イシューが見え、それに対する仮説を立てたら、次にそれを言葉に落とす。なぜか?それはイシューを言葉で表現することではじめて「自分がそのイシューをどのようにとらえているのか」「何と何についての分岐点をはっきりとさせようとしているのか」ということが明確になるからだ。言葉で表現しないと、自分だけでなくチームの中でも誤解が生まれ、それが結果として大きなズレや無駄を生む。

 イシューと仮説は書き出すことを徹底する。当たり前に聞こえても、多くの場合、これをやれと言われてもうまく出来ない。なぜ言葉にできないのかといえば、結局のところ、イシューの見極めと仮説の立て方が甘いからだ。言葉にすることで「最終的に何を言わんとしているのか」をどれだけ落とし込めているかがわかる。

 

イシューを言葉で表現する時のポイント

▼主語と動詞を入れる

主語と動詞を入れた文章にすると曖昧さが消え、仮説の制度がぐっと高まる。

 

▼WHYよりWHERE WHAT HOW

 良いイシューの表現は何故か?というWHYよりも

l         WHERE・・・どちらか?どこを目指すべきか

l         WHAT・・・何を行うべきか?何を避けるべきか?

l         HOW・・・どう行うべきか?どう進めるべきか?

WHY なぜか?という表現には仮説が無く、何について白黒をはっきりさせようとしているのかが明確になっていない。「答えを出す」という視点で課題を整理すると、WHERE WHAT HOW のかたちになることが多いのは理解できる。

 

▼比較表現を入れる

 これも良いアイデアだ、AかBか見極めが必要なイシューであれば、Aではなくて、むしろBという表現を使ったり、新製品開発のイシューであれば、「てこ入れすべきは操作性」というのではなく、「てこ入れすべきは、処理能力のようなハードスペックではなく、むしろ操作性」とした方が何と何を対比し、何に答えを出そうとしているのかが明確になる。

 

よいイシューの3条件

1.      本質的な選択肢である

2.      深い仮説がある

3.      答えを出せる

 

 

 私は、仮説を立てるという手法が、自分の習慣として何年も前からあった。仮説での対話は可能性を生む。設問を仮説に落とし込んでイシュー化するというのはとても、理にかなっている。これから対話をする私たちが「イシュー度」を高く設定できれば、質の解も高くなり、結果的に、成果、生産性、バリューのある仕事に向かっていけるのではないだろうか。その時、私たちはドラッカーの言う知識労働者たれという言葉が似合うようになるかもしれない。

プロフェッショナルの世界では努力は評価されない。確かに一生懸命の仕事をすれば多少の感銘は受けるかもしれないが、それもあくまできっちりとした結果が生み出されてのことだ。常に最初に来るのは結果であり、努力はその評価の補助手段である。

 すべての仕事は結果がすべてであり、この結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事はいかなる価値も持たず、多くの場合マイナスになる。人から褒められることではなく、生み出した結果そのものが自分を支え、励ましてくれる。生み出したものの結果によって確かに変化が起き、喜んでくれる人がいることが一番の報酬になる。自分の会社や約束した価値を無事達成したこと自体が達成感を生む。この価値を生み出す根っこにあるのが、イシューから始めるという思想だ。これをしっかりと持つだけで自分の人生は楽になるし、格段に充実したものとなり、一日一日で生み出す価値は遥かに大きなものになっていく。ライフスタジオは、また自分自身は何を?どのようにしたいのか?どこに向かいたいのか?というイシューを先に確定させると、働くことはとても楽になる。

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