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TURN AROUND 韓国士官P21

投稿日:2012/11/3

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TURN AROUND

How Carlos Ghosn Rescued NISSAN

著者:David Magee

Center:蒔田高徳

 この本を読む前に、「カルロス・ゴーン経営を語る」という本を読んだ。あの本にはゴーン自身をたくさん作った内容がたくさん書いてあった。ゴーンの経営は、日本だけで成果を上げた訳ではない。4大陸すべてで劇的な成果を収めている。大陸という単位で見れば4つかもしれないが、各国で全て成果、変化を起こし、ブランドは働く人間が成長するという結果を出すということは、並大抵の事ではない。自動車業界は強力なライバルとの技術力、デザイン、燃費、マーケティング、財務、金融、たくさんの要素で内部努力、外部との熾烈な競争がある。その熾烈な闘いもありながら、成果を出すのだ。私は自動車業界の経営の理念や、システム、開発のストーリーは一人の顧客としても大変興味深いし、経営を学ぶ、人を学ぶという点でもとてもおもしろいと感じている。そしてこれからの展望、展開という点でもとても注目している。

 問題を理解することと解決することは、あくまで別物である。現状をありのままに観察する重要性について、ゴーンはこう解説している。「企業のマネジメントで最も大切なことは、白紙の状態で企業が直面する問題と対峙することです。事前に解決策を準備することは最悪の行動だからです。今までの思考法をを一度リセットして、固定観念や偏見を頭から一層しなければなりません」私たちの現場の慣習、方法、習慣、システム、も固定観念だと言える。それが良いとしてそうなったかもしれないが、それが現在も最善かどうかはわからない。だからこそ、そこに対する偏見をいったんリセットした目で見なければならない。私は最近、全てのものは固定観念であり、すべての物は仮説だと言う考えを持っている。でも、その中に普遍的な要素を見つける時、それは真実ではないかと思うようになる。現象と真実はまた違う。ゴーンの行動力と情報の吸収力はすごい。私が今最も必要としている能力、そしてお手本になる内容だ。確固たる改革の熱意、権限を与え、「革新」の発火点に火をつける。現状の把握の重要性について、ゴーンはこう述べている。「社員に会い、ブレーンストーミングに参加し、現場に出て、なるべくたくさんの情報を集めます。すべてのレベルの社員と言葉を交わします。工場、経営陣、作業現場など、すべてのレベルの人々と話をします。社員と言葉を交わし、彼らの話を聞くことで、学んだり理解できることはたくさんあります」ゴーンの行動力、理解力、そして情報を集約して実行にうつし、変革を起こしていく内容は神がかり的だ。偏見と固定観念、先入観を持たない、それは言葉で書くと簡単なことだが、人と話すときにあの人は日本人だから、あの人は、大阪の人、事前に自分の頭の中で先入観があったりするものだ。ゴーンが会社の出張先、行く先々で従業員を捕まえて現状の話をして、情報を整理し、根本的な原因を見抜き、改革を進めていくのを見る時、私もそのような動きができたらなと思った。スーパーマンのようだ。会ってみたい経営者だ。

CFT(クロスファンクショナル・チーム)

ゴーンが利用した変革のプログラムの方法として、CFTを組織した方法をとった。CFTの根底にある考え方は、チームのメンバーを社内の各部署から選抜し、組織だった方法で問題解決に取り組むことである。CFTは、委員会や業務通達ミーティングとは本質的に異なる。企業の最高レベルのお墨付きで組織され、権限を移譲され、大局的な観点から特定された任務を遂行するからだ。CFTの効果についてゴーンはこう述べているCFTの効果について、社外では悲観的な見方もありました。危機的な状況にある企業を経営するには、経営者は自分の意見と信念を確立しなければなりません。しかし、企業の再建は、特にルノーと日産のように規模が同じくらいでありながら、企業背景が異なる場合、企業のアイデンティティと社員の自尊心を大切にしなければなりません」

 CFTが組織された根拠は、ある信念に基づいている。それは、日産の問題の解決策は、日産の社内にあるという信念である。ゴーンは、人材の動機づけ、問題解決、変革の手動として、さまざまな経営のテクニックを利用しているが、その中でもゴーンの名を一躍知らしめたCFTこそ、最も重要な手法である。なお、CFTはハーバードビジネススクールやスタンフォードビジネススクールなどの名門校でも、ディスカッションのテーマに取り上げられている。CFTのミーティングは、アイデアが飛び交う活発なもので、現状を後知恵で批判するようなありふれた会合ではない。CFTは意思決定を直に下す権限はないが、CFTがあげた提案をもとに判断を下す経営委員会の承認を受けて活動している。私たちの会社では有給リーダー会議というのがあるが、なんとなく、それと連想が行く。会議の視点が多角化されていて、報告も会議もとても有意義なのだ。CFTという形、また私たちに合った形の運営方法をこの本を閉じてからまた勉強したいと思う。

 CFTの考え方の下、社員は所属部署の境界を越えて協調することが求められる。つまり、日常業務の中ではまず接触がない部署の社員と、議論や情報の共有を進めることを要求される。ゴーンの経験に照らすと、マーケティング部の社員はマーケティング部の社員と働きたがり、デザイナーはデザイナー同士でかたまることが多い。アメリカ人はアメリカ人と働くのが楽だろう。しかし、経営幹部、マネージャー、社員が、職務や地域の殻に閉じこもってしまうと、いずれ企業は停滞してしまうだろう。日産のCFTは、所属部門や勤務地域が異なるマネージャーをメンバーに選んでおり、職務や地域による障壁を克服している。ゴーンがCFTを導入した目的は、会社の再建方法を特定することだった。同時に、異なった背景や国籍をもったスタッフをメンバーに選んでチームを結成すれば、他のマネジメントツールより迅速かつ効率的に、対人関係を築けることも知っていた。

9つのCFTが結成され、各々に特定のテーマが与えられた。①事業の発展 ②購買、③製造、④研究開発、⑤販売マーケティング、⑥一般管理費、⑦財務コスト、⑧車種削減、⑨組織と意思決定プロセス。各チームの構成は統一されており、二人のリーダー(副社長と経営委員会のメンバー)一人のパイロット、チームを構成する10人のマネージャーがいる。メンバーを10人に限ったのは、多様な意見が出るし、一方、10人程度であれば「船頭多くして船山に上る」こともないからだ。CFTのリーダーである副社長は、すべてのミーティングに出席することはなく、このプロセスからはやや距離を置いている。そのため、CFTは、かつての日産の伝統となっていた「責任をなすりつけ合うミーティング」とは一線を画した。

 経営幹部の主要な役割は、CFTの意見を社内に広めることである。ゴーンの指示で、CFTが特定の部門(たとえば購買や研究・開発)の意見を代弁しないように、各CFTには所属部署の異なる二人のリーダーを置いた。CFTのパイロットは、ゴーンが次世代の日産のリーダーを確認できるよう、ゴーンの意見を参考にして管理職から選ばれた。パイロットがCFTで果たす役割は重要で、ミーティングの議論を仕切る。つまり、メンバーが、周囲を避難し自分勝手な主張を展開することなく、解決策の特定に向かってメンバーの意識を一つにまとめる強力なリーダーがパイロットだ。関係あるテーマを深く追求する時間も資源もない場合、CFTには追加的なサブ・チームを結成する権限が与えられている。サブ・チームも10人前後で構成されることが多い。要するに、合計500人以上の日産の社員が、CFTまたはサブ・チームに参加する計算になる。ゴーンがCFTに課した使命は、オペレーションを検討し直し、利益を確保し、将来に向ける為の具体的な提案をすることだ。与えられた時間は、3ヶ月。CFTのメンバーにゴーンは、聖域、タブー、制限に起因する障害は一切排除するルールを課した。

 CFTは、不満を申し立てるための組織ではなく、解決策を特定することを目的とした組織である。メンバーは、必要とあれば社内の関連情報を入手することができるが、目的の問題を特定し、解決策を見出すことに時間を費やすよう、繰り返し念を押される。

 3ヶ月では、互いのことを知る期間であってもおかしくないが、悠長な時間はなかった。苦情を申し立てる社員がいた。もっと時間が必要だと主張する社員がいた。まったく無謀な計画だと断言する社員がいた。しかし、日産は時間を浪費できない。ゴーンは関係者に時間がないことを、常に言い聞かせた。問題の核心を把握し解決策を策定するのに「早急に仕事に取り掛かり、すみやかに解決策をまとめろ」「あなたが日産に貢献できることは何か」ゴーンの発したメッセージはシンプルだったが、かつての日産の中間管理職には投げかけられたことのない質問だ。過去の日産の中間管理職に求められたのは、命令に反応することであり、提案をすることではなかった。現状を維持することであり、変化を主導することではなかった。次々に解決策が提案されたが、ゴーンは保守的すぎるアイディアをCFTに差し戻すこともよくあった。ゴーンは三ヶ月目の最後まで何度も解決策をプランニング・セッションに戻し、日産の直面する深刻な問題に積極的な解決策を要求した。この「行きつ、戻りつする手法」は社内に定着しだし、日産の中管管理職は3ヶ月の締切が迫るにしたがって、議論はますます活発になった。アイディアはもはや机上の空論ではなく、経営幹部やマネジャーもアイディアが現実化することを明確に意識した。彼らは、慣習と決別して積極的な行動を起こせば、日産を再建できると確信した。積極的で因習にとらわれない行動が起こせるなら、コストの削減も系列の廃止も可能だ。

 ゴーンの主張は、次の二点に集約されている。

○迅速に行動しようとしていれば、複数のタスクもこなせるようになる。

○時間に余裕がない場合でも、プロセスの構成要素を割愛しないこと、手早く作業をこなすスキルを習得することが大切である

 わかってはいても、これを実行するには堅い決意と必死の努力が必要だ。

ここには書ききれないが、ゴーンが日産再建の為に発表した有名なNRP(Nissan Revival Plan)はCFTを最終的にまとめた内容であった必死の努力の集大成だということが分かった。

 人の考え方を変える選択

人材を受け入れるのは簡単でも、人の考え方は簡単に変えられない。それでも、ゴーンのすごいところは、人材を変えるよりも人の考え方を変える方が、効果が長続きし、実りも多く、強力な組織ができあがるとゴーンは述べる。意識改革、人の考え方を変えるのはとても難しいことなのに、ゴーンはあえてそちらを選ぶのだ。通常、人は変わらない、自分が変わることの方が簡単だと言うように言われるものだ。ハードワークは簡潔さの源泉。

難しいことを普通は避けるのだが、ゴーンは人の考え方を変化させる。それにやりがいを感じるのだそうだ。

日産の経営、経営再建の手腕は、業務遂行達成を徹底的に追求した結果の集大成だ。そして、一人ではけして成し得ないが、一人の人間が変革を手動するということ、大胆に方向転換をするということ。それらの内容たちを見る時に、私たちの会社の変革など、とても小さなことなのだと、客観的に思うのである。

 

 

 

 

 

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