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なぜGMは転落したのか アメリカ年金制度の罠 韓国士官P13

投稿日:2012/10/29

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なぜGMは転落したのか アメリカ年金制度の罠

While America Aged by Roger Lowenstein

Center:蒔田高徳

 今までたくさんの企業の本を読んできた。それらはどちらかと言えば、どのようにして企業が変化・発展してきたか、その信念や努力、たくさんの結果達、ドラマ達を見てきて感動をしてきた。今回読むこの本は、なぜ破綻への道へと向かったかだ。そこにも大きな学びがある。日本国内では日本の車がたくさん走っている。それらは日本人から見ても、どの車もブランドとして成立している。逆に外国車を偏見だけで見ると、高級車でなければ何で乗るの?そんな風に思ってしまう。GMという会社の名前はニュースでよく見てきた。世界の販売台数などで見ても、現在はトヨタが目立つが、子供の頃から見てきたニュース番組で世界の自動車販売台数などでいつもトップに見ていたからか、その会社の製品や実態はよくわからなくても、なんとなく「すごい会社」なのではないだろうかと思っていた。

 本のサブタイトルに「アメリカ企業年金制度の罠」と書いてあるが、年金制度自体が核心ではなく、そのシステムの条件を作っていった「人間的要因」がこの本の核心である。年金システムがいかにして、ここまで道を踏み外したのか財務の崩壊には必ず人間的要因がからんでいる。

 年金というシステムはぐずぐず延ばすのには最適なシステムだ。企業が発展しながら、その精算を味わうのはずっと先の話だからだ。楽観的に、きっと将来は発展している。そして、労働者は要求し、経営陣はその要求を承認していく。ずっと先の話を過大に約束してしまい、給付金の支払期日が来た時には、ほかの誰かが問題を引き受ける。アメリカのサブプライムローンのシステム、クレジットカードの習慣、消費、浪費、投資を促すシステム。

 これらの問題をずっと読んでいくと、それは悪い意味で偏見で見てしまうと国民性なのだろうか?目的が人に向かわず、資本と個人主義に向かう時に、目的を見失ったお金は反乱を起こすしかない。お金の向かう道がずれた結末は、連鎖しさらに人の人間性を小さくさせる。根本をたどると、そこは人間性の喪失、映画のバイオハザードのように感染して広がっていき皆がゾンビになる。人間性、道徳性を失っていくモラルハザードである。

 企業は顧客、従業員を大事にしなければならないが、その順序を間違う傾向にあるのが

1経営者2株主3顧客4地域社会5従業員 このような順序を見る時だ。その経営判断を肌で感じる時に、従業員は搾取されている「労働者 対 資本家」の構造を作り、労働組合、労使闘争が始まり、労使協調へと向かう。そのストライキの要求に応じてきた歴史を延々と書くのだが、よくもここまで書けるものだと思うほどにたくさん出てくる。その過ちの歴史は根が深い。それをしっかりと精算して取り戻すには、たくさんの時間と資本と、労力がかかる。アメリカ経済の破綻は、自由と資本主義の破綻を象徴するように感じる。

 日本も他人ごとではない。そのモラルハザードの悪い事例たちは、官僚社会だけの罪ではなく、国民側にも責任がある。この本の中で労働組合が自分たちの権利と自由を主張し、ストライキ、労使協調の場で賃金交渉の代わりに、手厚い年金、健康保険給付金などの条件を勝ち取っていくように見えて、それは一見労働者は勝っているかのように見え、経営者は譲歩して折れているかのように見えるが、自由と権利をただ主張するのと、責任を持って行動するのとは全く違う。彼らの要求、そして経営陣の合意は、そこには責任の欠如、その場だけを乗り越えることしか考えがない。よって自らの首を絞めていくのだ。それらはお金を第一の価値に置いてしまい、人間性を見失っていく、働く目的、企業の目的はどこにあるのか?それがこの本からは全くわからない。

アメリカを代表するGMという企業がそうだったとして、日本の自動車企業が技術的な努力で優れたからアメリカの市場を席巻して行ったという見方もあるかもしれないが、アメリカの自動車業界が日本の自動車、海外の自動車企業に対抗できなかった要因は、本来使うべき開発への投資も出来ないほど、内部の問題で経営が成り立たなくなっているからである。

企業が資本を持ったものが勝ちだ、それが価値だと勘違いして進んでいくことは間違いに向かうと感じる。企業の経営理念とは飾りではない。その信念こそが企業を作っていき、信念と理念、システムが一致していくことが人を作り、企業を作っていくのだ。

日本の経営者が「企業は人なり」と言った格言があるが、この本を見ていると、その言葉をその信念をもう一度確認していくようになる。

この本の数ある労使闘争の歴史を見ていて思うのは、企業も人も互いに何を目的にしているのかよくわからないのだ。

 「GMにとって良いことは、アメリカにとっても良いことだ」と過去にいった一見、かっこよく見える名言、この言葉がこの本では皮肉なジョークに感じてしまうのはとても悲しいことだ。

 

GMが再見の道へ向かう為に政府からの資金的なバックアップがついたことは知っている。しかし、お金だけでは、組織の延命は出来ても、再生が出来るかはわからない。これからのGMを私がニュースや書籍を通して見ていく中で、再建の哲学、システム、企業と人の変化を見ることが出来るか、これからも注意して見ていこうと思う。

この本を見て思うのは、GM一つの崩壊の事例が、全く他人事ではなく、たくさんのところで起こりうることだと見る。

だからこそ、自分のいる会社での経営信念、理念の確立、そして運営システムの一致させていく変化の作業を定義していくこと、それを見つめていつも考えていくことが、経営者の一番大きな仕事だと思う。

それは経営者のリーダーシップではなく、責任や使命ではないだろうかと感じるのだ。

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