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越谷店
資本主義崩壊最終ラウンド 韓国士官P11
投稿日:2012/9/23
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資本主義崩壊最終ラウンド2009~2013
船井幸雄 インタビュー:桜庭雅文
Center:蒔田高徳
この本が出版された時期を見ると2009年5月31日とある。この本で書かれている事のうち、予言のような内容がけっこう当たっているふしがある。私はミステリーや神秘的なものは好きな方だが、この人の本を読んでその現実性は面白みがあるなと思うのだ。また、一見悲観的な内容かもしれないが、私たちの生き方をどのようにしていくかでそれは明るい未来になるかもしれない。
2013年までに経済の大変動がどういう結末を招くか決まるでしょう。そして、2020年までに資本主義は崩壊するでしょう。それまで苦難は続くのです。しかし、心配することはありません。人類はこれから、正しい素晴らしい未来を切り拓くことができるようになり、多くの人が希望あふれる時代を迎えることになりそうです。
と言われても、資本主義の崩壊とは明るい未来なのだろうか。確かに今の資本主義はそのバランスを見失い、極端な構図を生み出している。しかし、その崩壊と認めるほどの大転換に人は準備ができるだろうか。大変化の中で人間のあり方も、見直しを迫られることになる。ポジティブな生き方はポジティブな結末をネガティブな生き方はネガティブな結末を招く時代が始まっているという。
著者は「聖書の暗号」というものを信じている。私も非常に興味深いと思うのだが、聖書をヘブライ語でそして、ソフトを使って旧約聖書を解析していくと、そこに予言となるかのような言葉が出てくるというのだ。当たるか当たらないか、それがこじつけなのかはわからないが、そういったパラレルな内容は面白い。人によってはくだらないのかもしれないが。
資本主義はある意味、現時点でも崩壊していると感じる部分はある。日本、アメリカの抱えている負債の金額はもはや返済不可能だろう。借金に借金を重ねて、その取り返しのつかない内容にさらに国債を発行して負債を作っている。税収を上回る国債の発行をしているリーダーは何を考えているかもはやわからない。ここで出来るのは徳政令みたいに全てを無かったことにするか、ハイパーインフレか国家破綻だ。今ユーロ経済が非常に良くない、アメリカも良くない、日本も良くない、世界の主要取引通貨すべてに良い材料がある訳でもないのに、円高は続く。けして今の円に価値があって高いわけではない。中国経済は3000万人以上の失業者を出し、格差社会が広がっている。「中国の民主化」というキーワードは、中国だけでなく、世界にとっても大きな変革が潜在的にある。中国の民主化は、今の資本主義社会の構造では、資本主義の崩壊をつくることになる。それは、人道的には歓迎されながら、世界のシステムでは歓迎されていない矛盾だ。
アメリカがデフォルト宣言するとしたら、それでドルを基軸通貨を辞めて他の通貨に変える、なんてことになる可能性があり得る。アメリカも中国も今やたら金を買っている。日本や中国が持っているドルや国債はゴミになる可能性を潜在的に持っている。ドルがゴミになるとき、資本主義経済は一つの終わりを迎えると思うが、そこにどんな価値感とシステムで人と世界は動くのか。
著者は「天の理」「地の理」という言葉を使う
今「地の理」の時代から「天の理」の時代へ、価値観が大きく変わりつつある時だというのだ。「天の理」というのは、宇宙を動かしている「自然の摂理」。真理であるという。これに対して「地の理」というのは「自然の摂理」の一部だが、文明を進化させるために一時的に必要だった地球上の「この世」だけのルール。
「天の理」
1.単純
2.効率的
3.公平
4.自由
5.自己責任・自主的
6.公開
7.万能
「地の理」
1.複雑
2.非効率的
3.差別
4.束縛
5.責任逃れ
6.秘密
7.セグメント化
「地の理」によって人類の文明は素晴らしい速さで発展してきたようにも見える。しかし、「地の理」の根底にあるのは「エゴ」だ。人類が何よりも大事であると考え、「自分さえよければよい」という
エゴが生まれ、「地の理」に従った生き方をするようになったと考えられる。そして封建時代の終焉、そして国民国家の誕生と産業革命によって始まった。近代になって、「個の確立」とともにエゴはさらに大きく開花することになった。エゴによって人類は、突き動かされるようにして文明も文化もシステムも急発展することになった。資本主義と共産主義は相反するように思われているが、実はエゴを大切にする社会システムという点ではルーツを同じくするものだ。共産主義はエゴを満たすために、「平等」を大事にする考え方で、資本主義はエゴを満たす為に「自由」を大事にする考え方だ。どちらも、エゴを中心とするシステムであることに違いはない。共産主義は平等を大事にするシステムであったはずなのに、共産党幹部のエゴが権力の集中と専制を生むことになった。また、国民のエゴが生産性の著しい低下を招くことにもなった。中国は権力の集中と専制を産みながら、部分的なシステムは資本主義を受け入れて、自由を制限している国家が自体がその成長を続けながら、矛盾した状態でもある。結局、共産主義は、1980年代末から1990年代前半にかけて次々と崩壊していく。東欧諸国の民主化、ソ連の崩壊、ベルリンの壁の撤去、中国などの市場経済化・・・しかし、資本主義もまさに崩壊しようとしている。資本主義を崩壊させたのは、自由の限りない拡大にある。自由と呼ばれ持て囃された罠がある。
共産主義も資本主義もエゴが肥大しきった結果なのだ。
「地の理」から「天の理」への歴史的転換点に私たちはいる・・・というのだ。
それでは、私たちはいかに生きるべきか
1.働き好きになり、生業に励む
2.すべてに愛と感謝で親身に対する
3.誰とでも、分けへだてなく付き合う
4.謙虚に生きる
5.怒らない
6.自由に生きる(命令や束縛、規制は最低限でいい)
7.約束を守る
8.恩を忘れないようにする(恩義には報いる)
9.世のため、人のため、自分のためになることで、ワクワクすることをやる。
10.自主的に自己責任で生きる
11.知識と行動、言葉と行動を一致させる
12.できるだけ根元的に、長い目で見て、多面的に物事に対する(マクロに見る)
13.陰徳を積む
14.勉強好きで素直。プラス発想でポジティブに生きる
15.正しく思い、行動する
16.「天の理」と「良心」に従って生きる
この他にも船井さん自身が努力していること
1. 命懸けで取り組む
2. すぐに行動する
3. 完全になるまで取り組む
4. 親身になって取り組む。
5. 整理整頓を心がける
これができないトップやリーダーは組織を崩壊に追い込む
全ての組織のトップやリーダーに必要な必須条件
1. 生命をかけて経営にあたり、責任逃れをしない。人のせいにしないで全責任を自分でとる。
2. わからないことや、博打はしない。部下にもさせない。
3. 原価に対する意識をしっかりもち、無駄なこと、非効率的なことをしない。本業に不要なことには手を出さず、赤字が増えるようなことはけっしてしない。
4. 親しい人や取引先、顧客などと親身に付き合い、絶対に損をさせたり、損をするようなことをすすめたりしない。
5. 顧客や株主、従業員を徹底的に大事にする。
6. 何事に関してもポジティブ人間であるように心がける
7. 勉強好きで「時流」や「真実」について十分理解する。とkに、精神世界に関することも否定したりせず、どんなことも謙虚に受け入れる。
8. 上手に儲けられる仕組みづくりをする。
9. 自分の部下や若い人たちに、自分の権限を委ね、上手に任せる
10. 思考や行動の原点は「愛」と「誠」と「勇気」
船井さんの言っていることは、普遍的な正しいことを言っている。しかし、その正しいことを行えていないのが人なのだ。私自身の行動指針を思うときに、揺らぎ、ぶれる心のまだ弱い人間だ。
いかに生きるべきかということを思うときに、やはり「働くということは日々人間性を高めることだ」と言う言葉を思い出す。本の中で予言的なことや世の中のあまり表現されない世界の動きはそれを知っていく過程で興味が湧き楽しくもなるが、そのような内容が本来のメッセージではなく、どのように生きるべきかを真剣に考えている人の本だと思う。
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