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越谷店
プラットフォーム戦略 士官学校P49
投稿日:2012/9/12
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プラットフォーム戦略
著者:アンドレイ・ハギウ 平野敦士カール
Center:蒔田高徳
とてもよい教材に出会った。プラットフォームという言葉を雑誌のコラムか何かで読んだ。それ自体の単語を素通りしながら、どこかで何か心に引っかかっていたようだ。8月の報告書までを書きながら、『自分たちの付加価値とは何か?』という討論をし、『ブレインセンターは次にどんなことをすべきか?』という未来の悩みもし、『各ステークホルダーに貢献する』という視点から、それが持続されるシステムは?と言ったように、進んでいった時、通り過ぎた言葉であったプラットフォーム戦略という言葉を思い出したのだった。
急いで、amazonで検索して「プラットフォーム」というタイトルが付いているたくさんある本の中からこの本を選んだ。読み終えてみて思ったのは、この本で良かったということだ。
「場」こそがプラットフォームと呼ばれている。有意義な「場」を提供している戦略であり、システムだ。Facebook、twitter、各種SNS、各種総合検索サイト、youtube
などなど、その空間に集まっている人たちのエネルギーは新たな市場を生み出しているし、その中で人々の欲求や要望、必要性の中から新たな産業も生み出されている。そして、その中にはコミュニケーションと、システム、文化さえも形成されている。
つまり、ここでいうプラットフォーム戦略とは、
1. 多くの関係するグループを「場」に乗せ、
2. マッチングや集客などさまざまな機能を提供し、
3. 検索や広告などのコストを減らし、
4. クチコミなどの外部ネットワーク効果を創造する
ことで新しい事業のエコシステムを構築するという戦略だ。
ライフスタジオで言うプラットフォームを考えると第一にホームページだろう。そこの場に人を乗せ、集客やオーダーなどの機能を各店舗に、また顧客をつなぎ、広告のコストはない。フォトジェニックやスタッフブログ、ギャラリーなど、視覚的にも見える内容から、人々に見てもらい評価され、口コミなどの外部ネットワークを創造する入り口になっている。口コミという人為的なネットワークを現在は本当の人対人が会って話さなくてもweb上で口コミが伝達するスピードが速い。そのスピードは利点だ。もし、その利点が悪くなるときもスピードが速い。だからこそプラットフォーム戦略は上手に作られなければ
自分たちの管理外での問題が炎上する場合もある。
従来の経営戦略が一企業の戦略を前提にしていたのとは大きく異なり、プラットフォームビジネスにおいては、企業の戦略・組織・収益・管理方法・人材評価と育成・顧客とのリレーションシップなど、ビジネスの全体を根本的に変える必要が出て来る。
プラットフォーム戦略人材思考
プラットフォーム戦略人材思考とは、「多様な考え方を理解し、顧客のニーズを把握するだけでなく、その場で問題解決を行う思考力を持った社員、自社の製品やサービスが満たしている『本源的な欲求』が何かを認識・把握し、顕在化していない次のニーズを予想し、国内外を問わず競合商品やサービスの動きを迅速にとらえ、IT化やグローバル化、技術革新の動きなどを正確に認識したうえで、それらを戦略として経営層にフィードバックすることができる人材、そのビジネスモデルを構築できる社員、さらに企業の枠を超えたアライアンスを推進できるエバンジェリストともいうべきコミュニケーション力、人脈力をもった人材」だという。これが出来るなら、それはどこに行ったとしてもどの組織でもBRAINと言われる人になるだろう。本を読みながら、ここまでの人材になれたらすごいけど・・・身震いをしたのと同時に、今までに見えなかったゴール像もより鮮明に見えてきた気がした。この本にプラットフォームを構築していく戦略の段階が書いてある。それをまず、スタッフに同じ本を配り、戦略的に実践してみることにした。
仕事は一人ではできない
「一人で一億を稼ぐのではなく10人で100億を稼ぐ」そんな考え方をする方が事業としては成功している。しかしながら、ただ多くの企業を集めて「場」を作るだけではプラットフォームは成功しない。プラットフォームをどのような順番でいかに作るか、成功してもさらに進化させるにはどうすれば良いか、プラットフォームにいかに参加するべきかを学ぶ必要がある。この本で学ぶ理論と実践を続けよう。
勝てるプラットフォームの三つの特徴
1. 自らの存在価値を創出すること
私たちの会社のプラットフォームが存在することによって、それがなかった場合と比較して、新しい価値を参加する複数のグループに与えることが重要。例えばクレジットカードの登場によって、その利用者、レストラン双方にとって取引、管理、時間、取引コストが下がるというメリットが生じる。
2. 対象となるグループ間の交流を刺激すること(情報と検索)
私たちの会社のプラットフォームに参加しているグループ内、ブループ間でいわゆるクチコミが広がっていくことが重要だ。たとえば、「このシステム便利だよ」「この本は為になるよ」といった具合に、ウイルスのように情報が伝わっていくことにより、プラットフォームは自然増殖を始め、拡大していく。
3. 統治すること(ルール規範を作り、クオリティをコントロールすること)
1、2、と関連し、そのプラットフォームが持つ特徴と、集まっているグループのクオリティが一定であることを維持、進化させていくことが重要。
私たちのHP、顧客管理プログラムは一つのプラットフォームである。取引先に対してのEasy versionもそうだ。それらのクオリティー、潜在的なニーズ、もっと引き出せる内容とクオリティの確認をしてみよう。
プラットフォーム構築の9つのフレームワーク
Step1 事業ドメインを決定する―社会の変化、ライフスタイルの変化という大きな流れをとらえる
Step2 ターゲットとなるグループを特定する
Step3 プラットフォーム上のグループが活発に交流する仕組みを作る
Step4 キラーコンテンツ、バンドリングサービスを用意する
Step5 価格戦略、ビジネスモデルを構築する
Step6 価格以外の魅力をグループに提供する
Step7 プラットフォームのルールを制定し、管理する
Step8 独占禁止法などの政府の規制・指導、特許侵害などに注意を払う
Step9 つねに「進化」するための戦略を練る
9つのプラットフォーム戦略が本の中で細かく書かれてある。ライフスタジオにおいてのプラットフォームを既存のものをベースに新たに構築していくこと、また全く新しいプラットフォーム作りも見えてくる。この中で注目したStep3、6、7、9これらをどのようにつくりあげていくか、いろんな想像をしている。
プラットフォーム戦略は企業や個人だけでなく、政府に対しても上手に利用してほしい戦略だと思う。この日本の市役所や区役所に言ってみれば、システムの古さ、システムの無さに本当に驚いてしまう。そういった日本の行政機関の革新の無さには本当に溜息が出るが、一つプラットフォーム戦略という本を提案してみたい。
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