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越谷店
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すごい議論力 士官学校P38

投稿日:2012/7/31

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すごい議論力

著者:Robert Mayer

Center:蒔田高徳

 この本も越谷店の本棚に置いてあった。私には必要な本だった。本質的なことは議論に勝つことが目的ではない。たとえ議論で相手に勝ったとしても、相手と一緒に何かをしなければいけないのに、それが成されないのであれば、議論に勝っても意味がない。議論をしていると、大前提として、互いに自分が正しいと思っていることが多い。本来、意見や議論というものは相手と違うことが大前提なのだ。議論が説明と説得になり、納得がない場合はその議論の時間を無駄にしたかのような、議論ではなく感情と感情のぶつかり合いのような時間の損さえ感じることはないだろうか?

 すごい議論力とはなんなのだろうか?議論力を持つことより、私は黙ってやれる行動能力の方がほしいのだが、本棚にあったこの本は、討論でその日、くだらない言い争いをしたばかりであった為、タイトルに導かれこの本を手にした。

 議論で自滅しない4つのルール 

①   思い込みから引き出した結論はすべて間違っている

人は思い込みから結論を引き出してしまいがちである。直感が正しいと思い込んだり、表面的な部分だけをみてわかったつもりになってしまうことも多い。人間関係や事実、状況などについても、勝手な決めつけをしていることがよくある。私たちが真実だと思っていること、信じていることの大部分は、思い込みが根拠になっているのだ。「一歩引いた視点」から考えれば、それらの思い込みが確かな事実に基づいているかどうかを見極めることができる。

②   自分の知識は大したことはない、過信するな

人は自分が「知っている」と思っていることを前提にして、他人の言葉や考えに反応する。そのことを常に頭の隅に置いておこう。また人は「知っていること」を過信し、自分の「知らないこと」を軽視する傾向もある。人の知識は不正確だったり不完全だったりすることが多く、時には間違っている。にもかかわらず、本人は真実だと思い込み、正しいと信じて疑わない。「一歩引いた視点」で見れば、自分の知識が本当に正しいかどうかを冷静に考えることができる。

③   「関連付け情報」に振り回されるな

私たちの思考や感情は関連付けられた情報の影響を受ける。セールスマンからもらった粗品や、仕事の関係者からの食事の接待などもその人のイメージに影響を与える。しかし、このようなイメージは不合理な場合もある。「一歩引いた視点」で考えれば、そのような関連付けに根拠があるか、適正なものであるかを冷静に見極めることができる。

④   頭はいつも柔軟に「執着」はほどほどに

アフリカの海岸地帯に生息している小柄な猿は、すばしこい上に樹上生活をしており、捕まえるにはちょっとしたコツがいる。地元のハンターの狩猟方法は、ヤシの実に猿がギリギリ手を入れられる大きさの穴をあけて中の汁を捨て、ハチミツを塗ったピーナッツを入れる。手を入れた猿がピーナッツを掴むと、拳が穴より大きくなって抜けなくなってしまう。しかし、猿はピーナッツを取ることしか頭にないので、決してにぎった手を開こうとはせず、そこから動けない。ハンターはそこに網をかぶせて、簡単に捕まえるのだ。

 人も同じで、特定のことに執着してまうと、それが足かせになってしまいがちだ。これも「一歩引いた視点」で見れば、猿のような近眼的な態度から自分を開放できるのだ。

 自分を支配している根本は他人を支配しており、自分が力を最大限に発揮することを妨げている要因は他人にも同じように作用している。肝に銘じなければならない。

 上に書いた4つのルールは基本的なことだと思うが、それでも自分の頭の中に最初に出てきた考えをなかなか変えられなかったりするものだ。私は、この本を読んでから、もう少し一歩引いた視点で考えるようにはなったが、そうすると、相手から出てくる言葉の予測もついたりするものだ。先読みして出てくる言葉にすぐ言葉を返すようでは、

議論に勝とうとだけしてしまうようだ。それでは、あまり意味のないことを感じるようになり、最近は「相手との議論によって自分の意見が変化する可能性がある」という考えも前提に置いて、一歩引いた視点を持つようにしている。それでも、頭の中は、自分の意見を言うことばかりあるようで、反省材料が多い。黙ることを選んで、黙って釣りをするというのも一つの手なのだと思う。

 

相手の固いガードを簡単に解く法

物事はなんでも下地作りが大事だ。議論も同じようにあらかじめ「打ち解けた空間」をつくっておくと、相手に拒絶されにくくなり、主張を受け入れてもらいやすくなる。

―「打ち解けた空間」とは、穏やかに話し合うためのムードを持った「場」のことである。そのようなムードをつくっておくと、相手にガードを固めさせずに妥協を引き出したり、相手の感情をうまくあしらったりできる。スタジオで言うと、モニタールームがそういった場であるべきだろう。デパートやお店などでは、客との間に「打ち解けた空間」を速やかに作り出すよう指導している。よく出来るセールスマンなんかもそういう空間作りが上手なのだと思う。こういったお店の店員は「いらっしゃいませ」の代わりに「すてきなコーディネートですね」といった言葉を自然にかけて顧客との距離感が自然と縮まるものだ。会議の場は、あまりそういった空間作りに思考を凝らしていない。

会議室はなぜか、その配置、空気が重く、「議論」といった空間が作られている。それが目的であれば間違いはないのかもしれないが、もしかしたら、もっと空間的な下地作りに工夫が凝らせると思う。何ができるだろうか?香りか?ちょっと工夫してみよう。

 一緒にいて心地よい人というのは、自分のことを受け入れてくれ、こちらの言い分を否定しない人だ。そして、話にじっくり耳を傾け、導き出した考えや結論について一緒になって考えてくれる人には、誰でも打ち解けた気持ちになる。私はまだ相手にとって耳にならずに、いつも口になってしまうところが反省点だ。相手に対してもっと全身耳になる必要がありそうだ。

 

相手を動かす「打ち解けた空間」の簡単な作り方

①    非難がましいことを一切言わない。

②    過ぎたことにこだわらない、常に現在を考える

③    相手の行動や考えを見下さない。

④    相手の自尊心を傷つけない

⑤    相手の理性を否定しない

⑥    相手が言ったことで、矛盾点や事実と異なることを指摘し、相手を追い詰めない。

本には、簡単な作り方と書いてあるが、これがいつも出来ていないのが現状だ。議論において、過ぎたことにこだわる理由はただ一つで、相手を批判する為だけでしかない。本来議論の目的は間違いを認めさせたり、謝らせたりすることではなく、合意を形成することにあるはずだ。「合意できなかった理由」ではなく、「どうすれば合意できるか」に的を絞らなければならない。そのための方法を提案すれば、非難がましい議論ではなく、問題の解決に焦点を当てることができる。意見はこういう意見とこういう意見が出ました。それでは両立するのは困難かもしれませんが、何か名案はあるでしょうか?といった具合に前向きな方向に議論を持っていく技術が必要だ。そのためにも①~⑥を自分の議論のルールブックに入れておきたい。

 

相手に信頼される状態をつくることを心がける。すでに一定の信頼を得ているときは、それを失わないようにする。

自分の主張が正しく「聞こえる」だけでなく、正しいと「信用してもらえる」関係をつくると、相手を納得させることができる。実現するキーワードは、信頼感や安心感である。議論の目的は相手を変えることであり、当然摩擦も予想できる。信頼される雰囲気をつくることができれば、摩擦は減り、相手の気持ちを誘導していく上で欠かせない心のつながりが生まれてくる。

決定権を分かち合うことを心がける。それが出来れば相手はあなたの言葉にも心を開き、心地よく議論を進めていくことができる。決定権を奪い合うような状況では、お互いが自分の立場に固執して不毛な議論になる。

本当にそう思う。もっと基本的な考えんと姿勢の下地作りが必要だ。議論することが目的になり、本来の目的を忘れ、合意できなかった理由しか形成されないようでは、議論や会議が意味がなくなってしまう。

 

本の訳者のエピソード

l  相手と議論しているうちに、自分の本来言いたいことを見失ってしまった。

l  本題とずれたところで、議論という名の「言い争い」を繰り広げた

l  相手の面子を潰し、余計な恨みを勝った。

これらを訳者は経験してきたという。私もすごくよくわかる。そして、ある日気がついたという。私は議論には一応買っているが、自分の目的は達成していない―と。

 

本を読むと、いろんなエピソードが出てきながら、うーんどこか私にも同じようなことが・・・という失敗談が続く。教訓はたくさんあり、その中にたくさんの技術達が散りばめられている。しかし、私が議論している相手は社外の人間が全然いない。たまに外部との仕入れ値や、賃貸料、工事代金などの価格の交渉があるぐらいである。もし、一緒に議論で合意を形成したい人たちとの議論なのであれば、これを頭の中に置いておかなければならない。「議論で相手と闘うのではなく、愛しながら、それでも愛しながら議論する」

それが最近の教訓のようだ。これからも、もっと勉強が必要だ。

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