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仕事は午前中に終わらせる! 静岡P97

投稿日:2012/5/30

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仕事は午前中に終わらせる!

著者:樋口修一郎

Center:蒔田高徳

 これと似たようなタイトルの本はいくつもあるような気がする。この本も、BOOK OFFの100円コーナーにあったものだ。この本は100円で置いてあったが、その価値は100円では図ることの出来ないすばらしい価値のある本だった。内容はシンプルでありながら、ものごとの本質をつかんでいる。私たちは働きながら、社会と接続している。その中で、労働に時間が囚われてしまい、時間の囚人となっている印象はないだろうか。政治的な事柄に無関心だと指摘されたり、社会に対して無関心だと表現されたりするが、労働を終えて家に着くと、家ですべきこと家事があり、食事をし、そうすれば自然と眠る時間も来るのである。特に帰宅時間は8時くらいになれば、そこで他のことに関心を示せということのほうが、難しくは無いだろうか。現代の日本人は時間の貧困者であると言える。

 本の背表紙には出勤前の1時間で仕事の能率がぐんぐん上がると書いてある。私たちは、普段業務開始の1時間前、朝8時には出勤し、それぞれ1時間の学習時間を設けている。その時間は業務の時間ではない、その時間が私たちには学習と向上の時間であり、尊い時間となっている。しかし、会社を出る時間が夜の7時であれば、もう帰る時には空腹であり、頭の回転も悪く、深い疲労状態なのである。どこか、頭の中では、もっと早く帰りたいと思っているのではないか。来月からは6時には帰るが、この本のタイトルであるように、もし、午前中で仕事を終わらせることが出来たならすばらしいことだ。それは可能だろうか?

 この本の要点「目的と手段」

この本では特別な秘法を紹介しているのではなく、単純明快な目的と手段であり、具体的には「目的を明確にして、最善の手段を選ぶ」ということだ。著者のおもしろいところは自身を「目的と手段教の教祖」と自称し、自身の関係した企業だけでなく、社外においてもその布教活動に取り組んだとのことだ。宗教活動とはおもしろい表現だ。

 

仕事を午前中で終わらせる目的と手段とは?

仕事を午前中に終わらせるには、早朝出勤は一つの方法だが、それには限界がある。毎日始発電車に乗って出勤できる人がそうはいない。また、朝早く出勤しても、他の人が出社してこなければ進められない仕事もあるからだ。よって、仕事を午前中に終わらせるためには、早朝出勤するだけではなく、仕事そのものを効率的に進めて短時間で終わらせることが必要だ。効率的な仕事の進め方をして、仕事を午前中で終わらせ、しかも質の高い成果を生み出すためにはどうしたらいいのか

 それには常に、「目的」と「手段」を意識する必要がある。つまり、その仕事の目的を明確にして最善の手段を選ぶということだ。仕事をすることによって企業とその社員は何を目指すのか、そして目指すものを実現する為にどのような方法をとるのか、ということを常に意識することが必要なのだ。私の働く現場の目的はなんだろうか、そして、その目的の為の手段とはなんだろうか?それに常に答えられることが大事だ。

 

マニュアルに頼らず「目的」と「手段」で仕事するのがプロ

 マニュアルを否定はしないが、社員のスキルを100とすると、そのうちの50がマニュアルによるものだとすれば、あと50はそれぞれ個人のいいところを出していくという宣言をするのとしないとでは、全然違う。マニュアルで学んだ後は、プロになって自分でクリエイトしていく、創り出していくものがないとダメだ。つまり「脱マニュアル文化」だ。文化が重要なのだと本には書いてあります。私たちの現場でもしきりに言われているのは「内部文化」という言葉だ。

 著者が人材をどうやって育てるのかを考えたときに思い至ったのが、目的と手段だったのだ。社員たちが仕事をやっているのを見ていて、一人ひとりが目的と手段を明確にしていない、あるいは結果的に目的と手段を取り違えていたり、両方ともまったく意識していないということがよくあったのだそうだ。私たちの現場も正にそうではないだろうか?

何が目的で何が手段かさえの定義もできないで、ただ働いている人が多いのではないか。

著者の指導はうちの社長とよく似ている。「仕事を教えるのではない。プロとして良いと思ったことを勝手にやれと言い切ることを目指す」ということ。目指すことはマニュアルを教えてそのとおりにやれではなく、目的と手段を明確にしていくことを定義したのです。

 

目的と手段とは何なのか

目的とは到達したい状態、あるいは成し遂げようとして目指す物事であり、行動をその方向に向けるもの。また手段は、目的達成のためにその過程で使う方法のこと。

 

「手段」が「目的」になってしまうと仕事は格段に非効率的に

そもそも世の中にはびこっている大きな間違いは、仕事をすることが目的になっていることではないか。仕事は手段でしょうか?目的でしょうか?

 仕事とは、企業やそこで働く個人があるべき姿を実現するための手段。企業にとってのあるべき姿とは、適正な利益を安定的に確保していることに他ならないだろう。個人にとってのあるべき姿は、人によってそれぞれ違えど、高い給与を得ること、能力を発揮することなど、自己実現できることと言えるだろう。

 仕事は手段なのに、目的と思っている人があまりにも多いのではないないか。だから、仕事が目的という間違いを正す為に、まずは、仕事の目的の顕在化が重要だ。そもそもの目的が何かを顕在化させることだ。

 

実践は常に「目的は何なのか」「手段は最善か」ということを問いかけること

 本を読んでいて思い出したのトヨタのカイゼンだ。つまり、その質問をいつも実践していたのがトヨタのカイゼンなのだ。効率的なことだけを考えていると想像すると、ロボットのようだと考えてしまうが、「目的は何なのか?手段は最善か?」これを明確にして、改善を繰り返しているのが、日本の誇れるトヨタなのだ。これは、私たちの現場にもすぐ適用できる質問の習慣だ。

 

目的と手段によって生産性を向上させる

 生産性の向上、効率化、この言葉は新自由主義の中では大歓迎だれる言葉だろう。これがけして、悪いことではないが、この本来の意味を間違えたなら、目的は人ではなくなってしまう恐ろしい言葉だ。生産性向上を期し、その結果として総人件費増を可能にすることを目的とした最善の評価・処遇制度を越谷店は行っている。世の中での大きな間違いは、人件費削減を目的とし、しかもそう宣言した新しい制度の導入だ。

 たとえ、難しくても、何年かかろうとも、社員全員が目的達成のために全力を出すことに繋がると言うことに対して、「人権費を減らすぞ」と宣言して制度を導入することは、活力の違いが計り知れないことを肝に銘じなければならない。

 いたずらに人件費の部分に手をつけて、固定費さえ下げれば利益を出せるという安易な方法は、経営ではないと著者ははっきりと言った。私もこの目的と手段の考え方に賛同する。利益がないのに人件費は払えないが、出した利益に見合った処遇をする、さらに出せる人件費というものは増やした方がいいに決まっている。それは人件費を増やし、雇用も増やすこともできる。お金がなければ、結果的に人件費が減っても仕方が無いが、生産性が上がって、お金が増えれば人件費が増える。もともとそういうものだと著者は言っている。

著者が経営者として、あなたが経営者ならば「総人件費を削減するのが目的ではない。生産性向上→利益増→総人件費増可という好循環化が目的である」ということを明確化した。それはバブルではなく、企業にとっても社員にとってもあるべき姿を実現するのが最大の目的なのだから、やはりやったら報われるという給与体系にして生産性の向上を図ることが、企業にとっても社員にとっても最善のことではないか。

この本のタイトルにある午前中に仕事を終わらせるという一日単位の生産効率に限らず、もっと長期的な目で見た生産性向上、人生における時間の達人を目指して、時間や、目的と手段に対する感覚を磨いていきたい。そうすることで、私たちは時間の貧困者ではなくなる手段を見つけ、自由と幸福という目的を果たせるのではないか。

本当にすばらしい本だったと思う。

 

 

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