Staff Blog
越谷店
すごい会議 静岡P62
投稿日:2012/3/23
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すごい会議
著者:大橋禅太郎
Center:蒔田高徳
この本はデザイン室の中では有名な本だ。しかし、この本を一人が読んだだけだった。私は読む二人目の人間だ。
読んだ一人がこの本を読んで実践に移した。その時までは、起きる現象にただ対応してきただけの受動的なデザイン室から、何か新しいエネルギーが動き出した。私たちは初めて8時間の会議を行なった。その会議で何も起こらなかったら最悪だ。本を読んで準備した人が、会議の進行をした。そして、自分たちが成すべきことのコミットメントリストが出来上がった。コミットメントリストは年末の事務所移転に対したものがほとんどで、それ自体が私たちの習慣を大きく変えるものでは無かったが、事務所移転というプロジュクトはスムーズに行われ、役割分担、作業進行状況確認、今までなんとなくできた仕事の流れがより、明確になりとても良い経験だった。
さて、事務所が移転してからもう3月になる。あの時のようなエネルギーはどこへ行ったのだろうか?肝心の人物が妊娠して一定期間休業することになったからか、私たちの動きは問題と課題が露呈され、動きがだいぶ悪くなった気がする。そして能動的に動き出していたその人物がいなくなり、どちらかと言えば受動的な人間達だけになってしまった。結果、あまり動きがなくなった。個人の目標にそれぞれ動いてはいるものの、実質的な私たちの現場はどこか停滞してしまっていた。
私が本を選定する際に、この本は何か禁断の書物のように感じていた。身近な人間がこうも急に変わるものなのか?と驚いたからだ。私にとっては、サルトルの知識人の擁護のような本になるのだろうか?私もこの本を読んで変わるのだろうか?
著者は、なるほど、本を読み進めるとすごい実績を持っていることがわかる。そんな著者がアメリカのシリコンバレーで「ガズーバ」という会社を起業した時に出会った会議形式である。著者の会社に投資をしてくれていた、Yahoo初代マーケティング担当副社長のランディ・ヘイキン氏が「マネジメントコーチ」なるサービスを買ってみたらどうだ?と言ってきたのだ。半信半疑で最初始めたものの、当時16人だった会社が半年で60人の会社に成長し、最初は一番抵抗していた本人もこの方法のパワーに惚れこみ、現在は会社を売却し、求められるままに日本各地を講演してまわり、自らが体験したマネジメントコーチの話をしている。
私がこの本から学んだことは、「会議のルールづくりと質問の方法」にある。けして時間をかけた長い会議が重要なのではなく、会議の中で核心的な言葉が生み出せるかどうかなのだ。
本の30ページに書いてあった会話の中で「会社のサービスの一番重要な機能は何だと思うか?」という会話があったのだが、私にはこう見えた。
「わたしたちの、またあなたの付加価値の核心は何だ?」この質問が見えた時に、私自身の仕事、また他の人間の仕事、役割に対しての言葉やイメージ、アイディアがもっと浮かんでくるようになった。それはもっと攻撃的な発想だ。けして相手を痛めつけるためのものではない。自分たちの会話がもっと攻撃参加的な戦略的なものになる気がしてきたのだ。
本の中に著者が疑って、この方法を導入した会社に調査の電話をしたシーンがある。
「行く方向がはっきりして、それがやけに加速する」
「歯医者に行ったようだった」(行った時は痛かったが、その後は具合がいい)
自分たちの現場でも同じ効果が得られるだろうと私もイメージが湧いた。前回のコミットメントリスト作成までは良かったが、肝心な会議の形式、コミュニケーションのルールづくり、徹底が現在の私たちの会議には習慣化されておらず、昔のままであることに気づいた。前回の成功事例から、なんとなく「すごい会議」のルールが良いものであるのはわかっていると全員思うのだが、
私はこの本を読んで、ルールづくりを徹底する中でさらなる変化、飛躍を起こせればと思う。
最初の質問
「このミーティングが終わったときにどんな成果を上げることを期待しているか?それを、まず手元の神に書いてから発表してくれ」
目的
調和のとれたマネジメントチームとして、計画し、コミュニケートし、実行することにより、本チームの目標とする成功をもたらし、顧客と私達自身を満足させるためのフレームワークを決定する。
〈主なディスカッション〉
l あなたにとって、このセッションの成果として何が一番価値があるか。
l 今日までに何が達成されたか
l 会社全体そしてマネジメントチームとして直面しているチャレンジに関してどんな問題点や懸念があるか
l 我社の次段階の発展のために本チームの行動のガイドとなる共有された木曜を確立する。
l 上記の共有された目標を実現する、調和のとれた行動の道のりを計画する。
l どのような成果が必要か。
l 誰が、どの行動と成果物に対して担当するか
l 本セッションで記録した未解決事項に対するシステマティックなアプローチを作成する。
l これからの60日間で私たちはどのようなブレークスルーをもたらすことができるか
l 他の人たちを巻き込み、彼らがアイデアと情熱を注ぎ、担当間で協力することのもたらすメリットを実感するには、どのようにすれば彼らと効果的にコミュニケートできるか。
紙に書いてから発表すること
目標がおもしろいには、それを自分自身で立てると、なんとなくでも「それをやってやる!」という気になってしまうところだ。全員が紙に書き終わったのを見計らって、一人ずつ発表させる。
書いて発表することのメリット
「自分の意見、内容がまとまる」
「考えながら話す意見と違い、発表に時間がかからない」
「書いている間は他人の意見が見えないこと。一人ずつ書かずに口頭で発表していったら、二、三人目からは私も同じだけど・・」といった意見が出ておかしくない。少なくともかく間は他の人の意見に左右される可能性はない。
A普通であれば、紙に書いてからいうと、人の意見が入らないメリットがあるので、紙に書いてから発表してください。
とやるところを、
B「まずやってもらってから「体験してその中に入ってもらってもらう=紙に書く」
そのメリットに関して質問する〈疑問が起こって、答えを探そうとする〉
深い洞察のアイデアを提供する「紙に書いているときは人の意見が見えない。」
A〈洞察の提示〉→〈実体験〉
B〈実体験〉→〈質問〉→〈洞察の提示〉
Bのほうが手間がかかるが、納得度は高い
全員が発表が終わると
「各自その期待が会議が終わった9時間後に手に入っていたほうがいいと思うのだが、では、この会議室の中でそこに書いた期待が手に入るかどうかは、誰がカギを握っているか?」
という質問を参加者に投げかける。
↓
その希望の答えは「自分自身の変化だ」と自ら自覚するようになる。
続く会議にもそういう覚悟で会議に参加したほうが必ず成果が出る。
l 経営の中心となるメンバーが緊張感を持ってそろうようになる
l 人の意見を気にすることなく、それを発表する仕組みを手に入れた
l 参加させられているという感じから「何かやってやろう」という気分になった
それも自分自身が一番それに貢献できるという感じで
多くの経営者がその姿勢を望みながら探している。
いま達成できることを考える
次の質問は、「いままでに何が達成されたか」
これも一人一人が書いてから発表する。一つ読んでは次の人とまわして行き、3~4周まわることになる。自分の番が来て、もうすべて自分の書いたものは読んでしまった人は「パス」してもいい。この方法だと、一人の意見で全体の雰囲気が動くのではなく、みんなの意見が平均的に出てくる。またそれぞれからたくさん意見が出てくるので雰囲気も良くなる。前向きな雰囲気を手にする。
時間厳守は自分たちで実行する
会議をオンタイムでスタートするのは当たり前だが、司会者がいちいち「時間になったので、みなさん静かにしてください。では始めましょう」と言ったりしない。
時間どうりに会議がスタートできる状態「司会者に注目が集まっていて次のステップがすぐ踏める」をつくるのは参加者の仕事。
会議のコーチは
- リクエスト
- それができる雰囲気づくり
- 確認の質問を繰り返す
次の質問は
「会社全体そしてマネジメントチームとして直面しているチャレンジに関してどんな問題点があるか。最も重要と思うことを2,3個書いてください」
これも全員が下記、3周りほどで全員が自分の感じていることをすべて発表。
問題をどのようにすればに置き換える
その問題や懸念を上げたあと一人一人が発表し、「それをどのようにすれば~か?」
言い換える。
例
l 資金が足りない→どのようにすれば資金を得られるだろうか
l 製品が売れていない→どのようにすれば製品が売れるか
l 次の製品のプランがない→どのようにすれば製品のプランをつくれるか?
あれやこれや「それではうまくいかない」的発言をしていると
「では、おまえの提案はなんだ?」と聞く。
うまくいかない理由を指摘するときは、代替案を提示する。会議をコーチしていてよく見えるのは、放っておくと会議の時間の95%は「コメント交換」に使われている。
→これを「明確化のための質問」「代替案の提示」「リクエスト」の三つだけに絞ると面白いほど会議が前進する。
コミットメント・リストをつくる
それぞれの担当分野で、それぞれ何を達成すれば、戦略的フォーカスが達成できるか。それぞれ「X年Y月Z日までに○○○を達成する」という形で3~5個書く。
また、互いに他の担当にしてほしいことがあれば、それも同じように日付をつけてリクエストする。
そして計画が作られていく。
どうすれば計画通りに進められるのか
コミットメントリストは朝15分全員で集まって、進捗のチェックをする。
「このままいくと、スケジュールどおりに終わるか?」
「できないとすれば何日遅れるか?」
こうするとスケジュール完了当時になって「できません」でなく一ヶ月前から「放っておくと何日遅れる」というのが見えるので対策が立てやすい。
毎朝、顔を付き合わせてスケジュールの相互チェックする一件幼稚なことが、実は大きな差を生み出す。
会議が変われば会社が動き出す
ビジネスは必ず、「問題」にぶちあたる
戦略的フォーカスを達成するのは簡単ではなく、達成の障害や問題となることが次々と起こる。そんなときは集団で問題にアプローチしてみる。
ステップ1 問題点または懸念→パワフルな質問で表現する
どのようにすれば、目標を達成するために、日々の業務のパフォーマンスにブレークスルーをもたらせるか?
まずは問題を、「どのようにすれば○○できるだろうか?」のかたちにする。文章の作り方次第で答えの質が変わる。ここでパワフルな質問ができれば、この型は半分成功している。
ステップ2 現時点での状況
→(データ/事実/何が起こったか?/何を感じ取れるか、観察できるか?)
例:「私の主張では競合製品のほうが安い」
「私の主張では納期が守られないことがある」
このステップでは問題の周りでどんな状況があるかを10分程度で15個ほど挙げる。ここでのポイントは、現状に対するオピニオンがちがっていても、それについてはディスカッションをしない。そこで「私の主張では・・・」というルールにすると、自分と違う意見が出ても反発感が起こりにくい。実はこのステップが終わった時点で、成功か失敗可は90%以上確定しているという。このステップがうまくいっていると、解決策が勝手に出てくるのだ。
ステップ3 提案、代替案、創造的な解決策、検討の可能性
ステップ2がうまくいくと、不思議なことに解決策がいろいろ浮かぶ。そこで、このステップで、提案をシェアする。同じように「私の提案では・・・」で始めると、相反する意見や違う意見での不必要なディスカッションが起こり難い。
ステップ4 アクション―成功の定義が決まっているコミットメント(いつまで?質?量?誰がどのようにして知るか?等)
ステップ3の中のアイデアから、リーダーがやるものとやらないものを決めて、アクションを起こすのが適当な人に「○さんが○日までに○といったアクションを起こしてください」とリクエストする。
リクエストされた当人はYESでもNOでも、またはそれについて交渉してもかまわない。
そこでYESが出ることによって、アクションが約束される。
プロジェクトやビジネスを進めていくと、今までに解決したことのない問題に出会う。多くの問題は、ちょっと考えて解決策が出ないと、あとは「悩み」モードに入り、解決されないことが多い。そこで問題が出たら、集団解決の型を使うことを合意しておくと、ほとんどの問題は「できる・できない」から「やる・やらない」にかたちを変える。
会議をしていると、砂漠に水を撒いているような気分になることがあるが、すごい会議を実践し、会議のルール決定、発言の仕方、質問の仕方を決めて実践するだけで、小さなことの始まりが大きな変化をもたらす。
l 経営の中心となるメンバーが緊張感を持ってそろった
l 人の意見を気にすることなく、それを発表する仕組みを持つ
l 参加させられているという感じから「何かやってやろう」という気分
l 前向きな雰囲気に
l 達成しようとしていることの本当の障害が前向きな形で明らかに
l 共有共感のモテる短期的で明確な目標
l 目標の達成の担当分野の明確化
l 目標達成の為の計画
l 計画の進行管理方法
l 目標の達成のための障害となるシステマティックにアプローチし、討議し、解決する方法
このすべてを行い昨年度、デザイン室は年末年始、また事務所の移転のためのコミットメントリストを作成し実行に移した。毎日確認をし、いつまでに期日までにできるかを確認して進めた。
このように本を当時を思い出しながら見てみると、とても単純でシンプルなことだがそれを実践したのだった。習慣化出来ればもっと前に進むはずだ。
それには会議が変わる必要がある。違う本で「会議革命」という本があったが、会議の形式、質問の形式を変えるだけで大きな変化が起こる。私にはイメージが見えた。あとは、実践し、習慣化するのみだ。
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