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涙の処方箋 静岡P40

投稿日:2012/2/27

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涙の処方箋

著:吉元由美

 古本屋の100円コーナーで買った。タイトルだけを見て買った。私の妻はちょっとした事ですぐ泣く。感動屋さんだ。けっこう安い感動だな~と思うことで泣くこともあるので、最近は妻がテレビを見て泣くと思ったら、妻の顔を見てまた泣いてるとからかっている。

涙の処方箋を私は必要としていない。どちらかというと自分が涙が出るときに出る人間だからだ。この本の中では、うまく涙が流せない人、理由のわからない涙に対して分析をしている。私は自分の涙が理解不能のものではない為、本を書いている人のエピソードの内容が、不思議と感じることが多かったが、世の中で涙と自分の心のアンバランスを感じている人が多いのだと思う。

 自分の心を抑えて、誰にも言えず生きてきた人に、誰にも何も委ねられないつらさは、次第に心をどこか不自由にして、しなやかさを奪っていた。

「健気ですよね」と感慨深そうに言われた時に、思いがけず涙が溢れた。そしてもう一人で頑張らなくていいと心底思えた。この瞬間から、心がとても自由になれたような気がしている。重い荷物を下ろすように、たくさんの涙を流したからなのだろう。

 人は重い荷物を背負ったまま生きている人がいる。時が流れてもなかなかその重荷は、軽くならない。むしろ重さをましていく。その重荷を解く魔法は、心が溶ける瞬間の止まらない涙なのかもしれない。しばらく、自分自身の重荷は感じないせいか、涙とは少し遠くなった。私には毎日笑顔がある。

 人に涙の処方箋を与えるのは、何か思いがけない一言かもしれないし、何か自分が知り得なかった人の愛や優しさの真実を知ったその瞬間からもしれない。傷口にアルコールを注がれるような、身をよじるほどの心の痛みを伴いながらも人は生きている。それを、癒してくれるのが涙の処方箋かもしれない。涙でしか解決できない事がある。

 

 人間はみんな意識の底にある集合的無意識という領域でつながっている。そして名前も顔も知らない他人であっても人として生きているという大きな共通点がある。このことは、実はとても意義深いことのように思われる。たとえば、地球の裏側で起こっている飢餓や政情不安は他人事ではなく、私たちも同じ問題を抱えているのだという共通感。真の同情とは、一緒になって嘆いたりしなくても抱くことのできる情ではないか。「同情するなら金をくれ」という名台詞で有名なテレビドラマがあるが、口ばかりの同情よりも、お金の方が現実的な助けになる。言葉よりも実行。同情の涙というのは、行動に移すエネルギーでもあると言うが、広い意味で同情の涙というのは、私たちの心に深く痕跡を刻みながら、隣の人へとつなげていくものではないだろうか。私たちの寄付活動は今何をなしているのかふと、考えて見た。議論だけが宙に浮き、何も出来ていない。お金だけは集まっている。不思議なものだ。私たちが涙の処方箋を受けたとき、もっと行動は早くなるはずだ。思い出さなければならない。

 味わうたびに心が深く豊かになる―感動の涙

オリンピックや、スポーツを見ていると、大泣きはしなくても、じわっと涙してしまう人も多いのではないか。勝ったり負けたりしたから涙を流すのではなく、勝ち負けの向こう側にあるアスリートの人生に心が動かされるからだ。私たちの顧客が涙を流す瞬間があるならば、それは私たちのものではなく、その人の人生に人知れぬ感動があるから、涙するのだ。もし、その深淵に触れることが出来るのであれば、きっと共に感動の涙を流してしまうことだろう。他人の心との、そんな見えない交流は、人生に深みをもたらす。言葉だけではない何かの大切さが、生きることのある一面をのぞかせてくれる。涙は心の浄化作用がある。

 涙は流した人の人間性、人となりを語るもの。多くの場合、その人の正直な感情である。悲しみ、孤独、悔しさ、喜び、感激。その涙に触れた時、私たちはその人の感情に触れ、自分の涙であれば、自分の感情を心と体の中で感じるのである。

 他人の涙を見守ること。その涙に寄り添うこと。共にいてあげること。時に沈黙は言葉を超える。言葉では言い表せない気持ちを、沈黙は雄弁に語る。薄っぺらな慰めはいらない。その沈黙の中に愛があれば、それでいいと思うのだ。

 本を読んで閉じるころには、妻の涙をからかってはいけないかな・・・と思う部分も少しあるのだった。少しね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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