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かもめのジョナサン 静岡P38

投稿日:2012/2/26

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かもめのジョナサン

著:Richard Bach

 多くの人が海にいるカモメの群れを見たことがあるだろう。特に変わった光景を目にすることはないはずだ。本の中で、かもめのジョナサンは一羽、変わった行動をする。私たちの社会にとても比喩されたような物語だ。集団から、変わった行動である故に非難を受けたりをする。その中でも彼は自らの信念を作っていく。

 

 ほとんどのカモメは、飛ぶという行為をしごく簡単に考えていて、それ以上のことをあえて学ぼうなどとは思わないものである。つまり、どうやって岸から食物のあるところまでたどりつき、さらにまた岸へともどってくるか、それさえ判れば充分なのだ。すべてのカモメにとって、重要なのは飛ぶことではなく、食べることだった。

 

 私たちの環境に置かれている比喩的表現なのだろうか、多くの人々は働くということをしごく簡単に考えていて、それ以上のことをあえて学ぼうなどとは思わないのである。単純な日々の繰り返しになり、生きることについても特に考えない習慣的な日々。

 モメ・ジョナサン・リヴィングストンというカモメにしては人間のような名前の主人公は飛び方について、この問題を解く鍵は―と、びしょ濡れになりながら考える。飛ぶことについてカモメ界のスピードの世界記録を樹立したとしても、それは束の間、背中に敗北感を感じるカモメなどいるだろうか、と同時に、日々の生き方をそのように真剣に生きている人間が私たちの近くにいるのだろうか?ジョナサンの台詞は私たち人間に向けられたものだろう。

 

 われわれは無知から抜け出して、自己を向上させることもできるし、知性と特殊技術をそなえた高等生物なのだと自認することも可能なのだ!われわれは自由になれる!いかに飛ぶかを学ぶことができる!彼の心にうかぶ未来の日々は、希望にあふれて明るく輝いていた。それは私たちの人生の生き方も同じことだ。ただ生きるのか、ジョナサンの言葉のように自由なのか。

 

 生きることの意味や、生活のもっと高い目的を発見してそれを行う、そのようなカモメこそ最も責任感の強いカモメじゃありませんか?千年もの間、われわれは魚の頭を追いかけ回して暮らしてきた。しかし、いまやわれわれは生きる目的を持つにいたったのです。学ぶこと、発見すること、そして自由になることがそれだ!

 ジョナサンの叫びは、カモメの群れには沈黙したままだった。そして「同胞の絆は切れた」と言われ、群れに背を向けられた。

 

彼のただひとつの悲しみは、孤独ではなく、輝かしい飛行への道が目前に広がっているのに、そのことを仲間たちが信じようとしなかったことだ。彼らが目をつぶったまま、それを見ようとしなかったことだった。私たちも目を伏せたままいるのだろうか。

 

そうだ、本当だ!おれは完全なカモメ、無限の可能性をもったカモメとしてここに在る!

最も高く飛ぶカモメが最も遠くを見通せるのだ。

 

 

きみたちと同じなんだ。わたしとも同じだ。ひとつ違うのは、たったひとつだけ違っているのは、彼らは本当の自分というものを理解しはじめていて、そのための練習をすでに始めているということだけなのだ。

今何か始めているか、また今なにか継続していることはあるか?今が大事だ。

 

おぼえているかね、われわれの肉体は、思考そのものであって、それ以外のなにものでもないんだということを。一緒にそれをわたしたちはよく語りあったじゃないか

 そんなことを語り合えるのは哲学を共に語る友人たちだろう。このきちがいめ、とジョナサンの友達は笑いながら言う。その関係性がおもしろいではないか。

 

もうきみに私は必要じゃないんだよ。きみに必要なのは、毎日少しずつ、自分が真の、無限なるフレッチャーであると発見し続けることなのだ。そのフレッチャーがきみの教師だ。きみに必要なのは、その師の言葉を理解し、その命ずるところを行うことなのだ。

 

知識人の弁明の討論で「矛盾」という言葉と向き合った。矛盾こそは人を動かすエネルギーであり、言葉を変えれば矛盾という言葉自体が、需要という言葉にもなる。現在の自分と未来の自分との不一致。それは矛盾を克服していくエネルギーになるもので、気づいた時点でただ見過ごしていくものではないのだ。

 

きみの目が教えてくれることを信じてはいかんぞ。みんな限りがある。きみの心の目で見るのだ。すでに自分が知っているものを探すのだ。そうすればいかに飛ぶかが発見できるであろう。

 さぁいかにして飛躍するのか。私には読書と、実践と、失敗と、挑戦の継続である。かもめのジョナサンこの本は、私にまた一つ自由をくれた気がする。ありがとう。

 

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