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トヨタ流「改善力」の鍛え方 静岡P37

投稿日:2012/2/26

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トヨタ流「改善力」の鍛え方

著:若松義人

 以前にホンダ流の本を読んだ。次はトヨタの番だ。その次は日産の本だろうか。日本だけでなく世界のトヨタだ。学ぶことはたくさんある。カイゼンという言葉は海外でもKaizenと呼ばれている。私たちも「自己改善力」を身につけよう。改善のコツは、現状に満足しないことである。私たちの仕事の現場にもたくさんの改善を見出したい。そしてそれを徹底して継続できるかが問題だ。

 「あたり前のことをあたり前にやる」これがトヨタ流だ。何か特別な秘策があるように誤解している人が多いのかもしれないが、シンプルなことだ。あえて特別だとすると、「トヨタの当たり前」と「世の中の当たり前」に少しだけ違いがあったこと。そしてもうひとつは「当たり前のことを徹底的にやり続けた」ことだ。一時の改善ではなく、きっちりと徹底的にやり続けることは案外むずかしいことだ。自分の部屋をきれいにすることはあっても、ずっと部屋がきれいであることはむずかしいのと同じだ。

 本を読むと当たり前のことがたくさん書いてあるにも関わらず、当たり前のことができずにいる現場がある。ここに成功と挫折の分岐点がある。改善のコツは、現状に満足せず、未来への欲を持ち続けること。ときには成果が下がるように見えることもある。上がったり下がったりを繰り返しながらも改善をつづける。そうすることで、ある日、思いもかけない地点に到達する。成長とはそういうものだ。

 トヨタ方式は、人の知恵を信じ、人の可能性を信じることで成り立っている。知恵を信じ、可能性を信じれば、人生はもっと豊かになる。デザイン室のテーマも「現実から可能性へ」だ。可能性を信じよう。

 

 改善への興味はあっても、実践となると腰が引ける人が少なくない。だが、実践こそが改善だと気づかなければならない。

100年考えても、1000年考えても、考えているだけでは進歩しない。

 

悲観的に見て楽観的に働け

 

「需要」より「必要」を見よう

需要予測は難しい。しかし、必要なものかどうかを考えるかどうかは出来る。現場の必要をもっと見てみよう。それこそがまた、需要となる。

 

改善は日々実践しなさい。一日一改善の実行によって、改善のスピードも早くなり、工場も会社も速いスピードで変化する。

 今の時代、たくさんの情報があふれているだけに、コンピュータを使えば、たいていのことはわかるような気がする。ところが、実際には、そこにあるのは過去のデータや他社の事例にすぎない。大切なのは、まず自分で考えて行動してみることだ。行動すれば、考えたことが正しいかどうかが分かるし、なにが問題かも見えてくる。そこで得た情報は、本当の意味で価値がある。

 

 不満を我慢するな

慣れは失敗の一部である。

規則が間違っている。間違った規則は変えなくてはならない。筋道が通っていない規則は変える必要がある。

 

昨日の仕事に追われるな

仕事には昨日の仕事、今日の仕事、明日の仕事がある。昨日の仕事に追われると、今日と明日がおろそかになる。デザイン室で昨日の仕事が終わっていないことで、今日の仕事が進まないことが、ストレスだ。根本を変えていかなければならない。

 

「こうだった」より「こうしたい」で勝負せよ

みんな過去のデータに引きづられているけれど、それは間違いだ。去年どうだった、先週のデータはどうだった、昨日のデータはどうだったということから、だからこうなる、という見方をするのは間違いだ。昨日までのものは倉庫に入れ、明日どうあるべきかということを自分たちの目標として設定し、その設定したことに対して仮説を立てて、そして実践したものを検証する。この懸賞においてデータの意味があるのであって、それ以外にはなんの意味もない。 イトーヨーカドー会長 鈴木敏文

ただ単にデータを集計するだけなら、昨日の仕事である。だが、そのデータをもとにきちんと仮説と検証を行うなら、それは立派な「明日の仕事」に変わる。私達も明日の仕事をもっとしていけるようになりたい。

 

順序を順守せよ

まず道具・設備を作るのではなく、仕事のやり方を変えるのが重要である。

まず改善作業をやって、そのつぎに設備改善をする。それから工程改善といったように改善には順序がある。

 

トヨタ流は「課題認識のない報告書は認めない」主義だ。

過去のデータより、今のムダを課題にせよ

 

大切なのは「今」を変えること

経済企画庁長官も務めた作家の堺屋太一氏が新聞のインタビュー

「今、年金と財政が破綻しますよと盛んに報じられていますが、それはすべて官僚の計算なんです。これには「他の条件が変わらなければ」という条件がついている。2000年までは「他の条件を変えよう」と努力していた。ところが01年以降は、現在の状況を固定して考えているのです。」

その上で同氏は少子高齢化社会に対応する為には「70歳まで働くことを選べる社会」をつくることを提唱している。それは定年制の延長という意味ではない。

「家で仕事をする人もいれば、週に何日か働く人もいてもいい。多様な雇用形態や賃金構造をつくることで、日本の労働力と所得を確保すべきではないか。」との提案だ。確かに現状のままでいけば年金も財政も危うい。だからこそ増税や保険料の引き上げ、年金を受け取る年齢の引き上げ

、受け取る額の減額などが議論される。計算としては合っている。しかし堺屋氏が提唱するように現在の状況を変えていけば、こうした計算も大きく変わってくる。過去や現在の延長ではなく、様々な改善や改革を加えていく。現状をただ追認するだけでなく、たくさんの知恵を出して初めてみんなが安心して暮らせる社会が実現できる。仕事でたくさんのデータを集める。データをもとにシュミレーションを繰り返す。コンピュータを使えばかなりの精度で計算できる。これはこれで重要な仕事だが、それだけで満足してはいけない。過去のデータにはたくさんのムダが含まれている。現在の状況はいくらでも変えられる。データや計算に改善という人間の知恵を加えて、初めて本当の仕事になる

 

可能かより必要かを考えよ

「自己改善力を養おう」

他人の力を借りるのは悪いことではない。なんでも他人任せにするのが問題なのだ。私たちはどうだろうか。デザイン室で思うのは「自己改善力」から、「自己解決力」も伸ばして欲しい。Googleの素晴らしいところはその検索力にあるが、その検索力で解決できることはとても多い。現場での自己改善力を高めて、自己解決力を育てたい。

 

知恵は現場にある。その知恵を活かすことが上に立つ者の役目である。

 

トヨタ流は「決められたことを守る」のではなく「決めたことを守る」だ。

「標準は超える為、変えるための標準である。」

変化を日常に。

 

教えることで初心に戻る

 教えることで初心に戻るとはよく言ったものだ。教えてみると教え方が悪いという自分の見方も見えてくる。現場で自身から改善する必要がある。

悩むスタッフに向かって、「自分自身がラインの責任者になってみてはどうか?」

 

ミスを隠すのが最大のミスである。

 

信念は最強の説得材料である

「やりたい」と言う以上、言いだしっぺは、トップを説得し口説くためには、どこから突かれてもよいだけの検討を重ね、論理を組み立て、材料を用意しなければならない。対象を突き放して客観的に見ることも必要になる。また、相手を説得するだけのそれなりの信念を持っていなければならない。

 

トヨタ生産方式の特徴は、何よりも人間の知恵を信じることにある。知恵の数だけ企業や人は強くなると考える。

 私の現場でも、人間の知恵を信じることだ。必ず強くなる。必ず

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