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越谷店
日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉 静岡プロジェクト13
投稿日:2011/11/12
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日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉
ヤオコー会長 川野幸夫
Center:蒔田高徳
ヤオコー。私の実家の近くにもこのスーパーがあった。八百屋という言葉も連想するし、何だかその名前の響きがすごく覚えやすいスーパー。特に気にして見た事は無かった。埼玉県を中心に食品スーパーを105店舗展開するヤオコーが元気だ。
22年連続増収増益。スーパー業界トップを走るイオンの営業利益率も上回る数字を出している。利益がすごいからこの会社に注目ではなく、この会社の中にある理念・哲学が人を惹きつけ魅力を持っているのだ。今度ライフスタジオの新店舗として契約した物件の近くにもヤオコーがあった。どちらかと言うと田舎のスーパーという印象だが、今度足を運んでみよう。
現会長が、ヤオコー創業者の母から教わった言葉が書かれてある。お母さんからの50項目に分かれた手紙のようである。時代の変化の中で、変化していったものがたくさんある中で、昔から通じる経営の理念は変わらず今も受け継がれている。
第一章に 行き詰まりを打破するには自分が変わるしかない
本の始まりの第一章の題名がこれだ。頭をガンと打たれる言葉だ。変革するということは、価値観を変えていくことだ。今までの自分の考え方から脱皮し、生まれ変わらなければダメだ。自分の今までの考え方を否定する精神が必要不可欠になる。言うのは簡単だが、これは生みの苦しみであり、過去の経験が多いほど矛盾が起きるが、この転換期をチャンスにするには、自分の意識を革新すること以外にはない。これを今は亡き創業者、おばあちゃんに第一章からこの文を書いている。本当に読みながら頭が下がりました。一章の文にはこの行き詰まりを打破するには「新しいライフスタイルを創造する」ことだと書かれていました。世の中をより楽しいライフスタイルに変えていくという仕事は、政治や行政や研究機関ができることではなく、我々企業だけができる仕事であり、企業の社会的責任の最たるものだと思うと、おばあちゃんは言っている。
会社の上司と部下が一緒になって「会社の願いと社員の願いとが共通するところは何なのか」を真剣に考えていくことが大切だと書いてあり、この共通の部分を考えると、行き着くところは結局、社員一人一人の成長しかないと思うのです。と書いている。
ライフスタジオで今年一年議論してきた内容や、哲学の話を思い出していました。
第6章に 感動のある商売こそ商いの極意だ と書かれていました。今正に私達が取り組もうとしていることも「感動」であります。小売業にとって最も大切なことは、売り上げは二の次にして、いかに感動のある商売ができるかということにあると書いてあります。「あの社員がとても親切にしてくれた」「これはおいしくてお安いのですよ」と丁寧に勧めてくれた。売り手と買い手の心に流れる感動、それはどんなに小さいことでもお客さまにとっては心の中に点じる灯かりなのです。皆さんは何の感動もなく、ただ惰性で日々の仕事をしているのではないでしょうか?その皆さんの売り手の気持ちが必ずそのままお客さまにつたわっていくのです。とおばあちゃんは忠告します。心も頭も打たれます。
「あなたがいるから」と言われる仕事をしよう
あるマーケット情報社の調査で「われわれ消費者としてどのような店で商品を買っているだろうか」というアンケートを取ったところ、「あの店にはあの人がいるから」という答えが圧倒的だったそうです。私達も実際何かを選ぶときにそういった選択をしていると思います。同じように、私達もそのように思われるようになっていきたいと思います。
44章に 自分が成長しなければ企業も成長しない とあります。
企業は個人個人の社員に支えられているわけですから、企業の成長は結局一人一人の社員の成長によって決まるのです。だから成長なくしては幸せもないのです。よく人生はマラソンに例えられ、障害物競走だと言われ、二人三脚だと言われるが、それはつまり、
1に自己規制力
2に問題解決力
3に他人と協調できる能力
この3つの能力は組織の激しい競争のなかで、真剣に取り組む、高い目標を達成しようと努力する姿勢のなかでしか身につかないと書かれています。会社で懸命に仕事に取り組むことが、自分達が幸せに生きるための能力を磨き、成長するための不可欠の条件なのだとおばあちゃんは言います。今年一年、たくさんの本を読みましたが、すべて一つのものに通じるものがあります。そして、それはライフスタジオも同じ方向性を指しています。
読書感想文には書ききれない程、感じた部分がたくさんありました。本に蛍光ペンでたくさん線を引きました。昔も現代も変わらずに通じるものがあるのだなと本当に思います。それは普遍的なものであり、真理であるもののようです。この本ではヤオコーの企業文化、内部文化というよりは、「創業者、母の言葉」がたくさん書かれていました。
以下は本には書かれていない内容で、雑誌のコラムで見た内容の感想文です。
この本と出会う前に、ヤオコーは私が昔普通に利用していたスーパーでした。3ヶ月ほど前コンビニで読む本が無くビジネス系の雑誌を買った時に、その雑誌の中でヤオコーのコラムがあったのを覚えています。
「パートタイムアルバイト。」日本では「パートさん」「パートの人」「パートのおばちゃん」その言葉自体は別に差別用語ではないが、スーパーやコンビニなどの比較的に時間を限定して働くアルバイトの事を「パートタイマー」と私達は呼ぶ。日本全国どこの流通業の職場もいわゆるパートさん達の働きに支えられている。しかし、ヤオコーではけしてパートさんとは呼ばない。「パートナーさん」と呼ぶのだそうです。
ヤオコーは「個店経営」と呼ぶ体制をとっています。チェーン展開する小売業者が、
本部主導型の中央集権体制を取っている事が多い中、「個店経営」を行うのには理由は、パートナーさん(パートタイム従業員)を含めた現場の社員全員に比較的大きな裁量を持たせ、地域に合わせた品揃えや、販売展開を行うことで、お客様の求めにすばやく、柔軟に応える為だ。そして、働く人間すべてが主体的に働き、自分の人生を良くしていける為のシステムをヤオコーでは実践しているようだ。ライフスタジオも業種は違うがその点はとてもよく似ている点だ。
売り場の最前線に立つ役900名のパート従業員は、考えてみれば彼女達の多くが家庭の主婦であり、同じ主婦である顧客の潜在的なニーズをよく理解している。毎日顔を合わせていれば、自然と会話が生まれ、夕食のメニューの悩みや調理方法の疑問点などにも対応していくことができる。彼女達にイキイキと働いてもらいながら顧客のニーズに応えていく知恵をだしてもらうのが一番だ。これからは一店ごとに地域に根ざした「個店経営」がより重要になっていく。それには店長一人だけでなく、「パートナーさん」と呼ぶパート従業員の人たちに権限を委譲していくことが大切だと川野会長は語る。
ヤオコーがパートへの権限委譲を行うようになったきっかけがある。十数年前にある店舗で、販売している生鮮食品や食材をパートが自宅に持ち帰り、料理見本を作り店内での展示を始めたところ、顧客から大好評を受けた。それから多いときには50種類もの見本が並ぶようになったことだ。そうした個々の成功事例を横に展開していくことが重要だ。それをただ真似するのではなく、店独自の特徴を出していく。例えば、千葉県内にの店で地元の銚子漁港でサンマが大量に水揚げされたと聞けば、安く仕入れて、新鮮なサンマを使ったメニューを提案するといったように。スーパーと言う販売店をただの物の売り場でなく、顧客感動に焦点を合わせて、会社と従業員が共に創り上げていく創意、工夫がその売り場作りにある。商品が売れたときの喜びは格別であり、店の経営に携わる「パートナー」として貢献できたと実感できる瞬間だ。
そうしたパートナーのモチベーションアップとともに、彼女達の知恵を共有する仕掛けもある。毎月一回開催されている「感動と笑顔の祭典」がそれだ。各店舗のパートナーが部門ごとにチームを組み、目的に向かってPDCA Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のサイクルを実践した結果を発表し、優秀なチームを表彰している。
それは企業文化であり、私達が取り組んでいる内部文化と同じではないか。形は違うが、その企業文化は甲子園に挑む高校生の青春のようでもある。毎回各地区から9チームが参加して、ベストメンバー賞一人、メンバー賞3人、チーム賞5チームを本部役員や店長らの投票で決める。ある月はレジの効率化、パートナー同士のコミュニケーションを円滑にし、顧客数を5%アップさせた結果を出した「パートナーさん」がベストメンバーに選ばれた。よく、サッカーや野球を見ていると今年のベストイレブン、ベストナインが選出されているが、きちんとした評価制度を持ち意欲を沸き立て、個人も企業も良くなるシステムを作っているのは本当にすばらしい。会長は必死に努力し、企業と共に顧客や会社のことを真剣に考えてくれていることがよく伝わってくると私にとっては「感動と笑顔と涙の祭典」ですと語る。
企業文化だけでなく、驚いたのはヤオコーでは経営目標の一つに4%の売上高経常利益率の達成があり、その水準を達成した場合には、社員と同様に決算賞与がパートにも支給される。ヤオコーでは賞与が年二回あり、それ以外にも賞与の制度があるのだから、年3回賞与のチャンスがある。パートといえば決まった時給で働いた分しかもらえないのが一般的であるが、それに反して、成果が収入にも反映されれば、もっと頑張ろうとなる。本当に驚きだ。
ヤオコー22年連続増収増益、企業と働く人が同じ方向性、自己実現、幸せを追求しているただのスーパーではない、立派なスーパー。と私の認識が大きく変わった本だった。
今度私達の本社営業所の近くにあるヤオコーに買い物に行こう。
社長、蒲生駅の近くのあのスーパーが「ヤオコー」ですよ。
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