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越谷店
scrollable
観察
投稿日:2017/10/31
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写真大辞典という文章を読んで私たちは各自学習と実践をしています。
ただ状況に応じて撮影する・・・のではなく、
もう一歩踏み込んだテーマを持つ学習と実践のツールです。
「写真」は瞬間の記録でありながら、見る人により様々な連想と推測をさせます
例えば、情報の有り無しで
初見でこの写真を見た人が、この子の年齢をジャストで当てれるかはわかりませんし
家族としてこの写真を見た人が、
この子の今を見たのか、成長を見たのか、少し大人になった未来の姿を垣間見たのか
見る側の持つ「情報」によって、同じ写真一つでもその捉え方が違ってきます。
もちろん、撮る側の「情報」によっても写真が変わって来るため、学習します。
「観察」という章の中で「鋭く見る (いつものように見ない)」
その為あえて「情報を多く仕入れてみる」という趣旨の学習をしました。
■情報としての西日
西日は私のように車に乗る運転者であれば西日の眩しさを遮ろうとしますし
生活の中でも西日は夕焼けを見たければ良いですが、遮ろうとする傾向があるものです
西日は沈む光で、日中の上からの光よりも部屋には「横から」光が射すため
部屋には日中とは異なり、横からたくさん日が入ってきます
スタジオには薄手のレースのカーテンの仕切りがありますが
日中より部屋全体が明るくなり、
光の色もオレンジ色で部屋中のインテリアの色が変化し反射します
それ自体がけして悪い変化ということではなく、それがその時間帯の特性です
これからの冬場の季節には、西日の眩しさと共に暖かさを感じさせてくれる効果もあります
※豆知識
逆に夏場の西日は、日中のうちに体が暑さに疲れた状態で光を浴びているので
心理的には余計に暑く感じるそうです
(夏場は西日は18時くらいにならないと来ないのでその頃には撮影していない為、秋冬シーズン、西日の撮影もいいですよね)
■撮影中の情報
三歳の女の子、4兄弟の末っ子、家族みんなからの愛する末っ子
光があれば陰ができる対比のように
子供は純粋で、まだ大人ではないため、細かい指示でのポージングはできません
まれに、大人のように言葉ですごくできる子も、本当にまれにいますが
子供の撮影は通常が意図通りでなく、全て意図通りでは無い流れの中の撮影。それが「通常」です
ゆえに、流れの中の瞬間を一瞬止める事、良い流れを作ることは撮影中はとても大事です
写真の子供は3歳で、子供に大人の望む絵を求めようとして、何度も撮り直しなどできません
子供の撮影は、心の中で望む図が見えたとしても、
子供は集中力は短く、飽きも早くきます、じっとしていられずすぐ動いてしまう為、
絵をつくるのは一瞬です
子供はポージングと言うよりも、動作と仕草の中と一瞬のゆるみ、一瞬の動作の停止
ゆえに、持っていきたい場所への誘導や対話の技術が必要で
もう一人の「コーディネーター」と一緒に、
また状況に応じご家族様と協力した目線や表情、自然な声かけの誘導、
その為に楽しく一緒に行える雰囲気作りと連携が重要となります
一緒に入った「かつ」はこの日も最高のコーディネーターでした
■「いつものように見ない」
情報を増やした上で、「いつものように見ない/鋭く見る」
最近は女性誌の写真やPinterestにある写真なども見ますが、
スタジオの光とは状況が異なるのでイメージは増えるのですが、必ずしも全て参考になるとは限りません
今回の撮影に情報として影響していたのは意外なところからで
私は個人的にスポーツ雑誌「Number」などの記事を好きで読んでいます。
よくスポーツ誌の記事中にも「光そして影」というような対比的な言葉で記事の文章は始まります。「光があれば陰はより濃くなる・・・」などのような記事の文章の始まりは苦労話を予感させますよね。
実は最近そういった記事を読んだ時の、光と影というテーマを写真以外からも頭のキーワードにいつも連想していました。そして夕焼け時の練習ピッチに佇む選手のシルエット、そんな写真の連想が最近の夕方の光と影の写真の連想のイメージで、どこかでチャンスは巡って来ないかなぁと観察の日々・・・
「光・来た~!! 」
(10月は最近ずっと雨でしたね・・雨でもいい写真撮りますけど!)
光と影の境界線にこそ「色」は存在するという、どこか哲学的な言葉を
もやもやと覚えていました
その「色」とは単に光と影の境界線にできる境界線のラインという意味より
「個性」かもしれません
文字一つの捕らえ方もその人次第ですね
もやもやと覚えていました
その「色」とは単に光と影の境界線にできる境界線のラインという意味より
「個性」かもしれません
文字一つの捕らえ方もその人次第ですね
「鋭く見る/いつものように見ない+情報を増やした」自分がいた上で映像のイメージトレーニングは充分でした。
光の向きに対し、被写体の顔の向きを後ろにし帽子を被せ、コーディネーターのかつの方、また人がいる方を向いてもらいました。
(本当は背に花束を持たせた上で、窓側に向かせてからカメラの私に向かってゆっくり振り返る
という設定から撮りたかった自分もいましたが、それは意図どおりには行かなかったので横向きからスタート、3歳ですからね、ガッチガチに固める訳ではありません)
絵の立体感が増す条件
1層:背景として奥行きのある位置の窓フレームやインテリア、日の光も相まってレンズの焦点距離、絞り具合から背景がぼける
2層目:背景の前にフォーカスを合わせた被写体を配置、被写体の光に対する向きは帽子、髪の毛、背中後ろに回して組んだ腕から花束、足にまで光に当たる面と、陰となる明暗境界線ができ立体的になります
被写体が立っている横長のベンチの向きポイント、奥行きからこちらにカーブしたベンチの向きにより、アーチ上にグラデーション
3層目:撮影位置、植物の緑の陰からの前ぼかし
4層目:三歳の少女だけれども、成長の姿、少し未来の姿が垣間見えるかのように写してみたい心持ち
写真大辞典の「観察」というテーマで写真分析をするだけでは、
少し固い分析レポート文章となってしまいますが
撮影中は、ずっと楽しい時間の連続で、この時にご家族に出会えた奇跡に感謝でした
<<次回、兄弟写真編へ続く・・・>>
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