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越谷店
写真分析【そのドアの向こう】
投稿日:2017/2/15
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photo katsu /codi takanori
【そのドアの向こう】
子供の元気な姿を撮影するライフスタジオですが、
この写真ではあえて顔や表情も出さず、あえてモノクロで写真を撮りました
撮影者のkatsuは、この子の撮影の最初の1枚目の写真に、この写真を撮ることを選択しました。
写真にストーリー性を持たせる為、先ず部屋に入るドアの前から撮影を始めるというストーリー仕立てで撮影を開始
「少年がドアを開いていく」という行為から始まるカットから提供する75カットの最初のカットを作っていきました。
光とモノクロの選択
この写真の中では奥の窓辺から射しこむ強い光、
少年の背中後方の窓からの拡散した光、
1枚のドアを隔て、少し開いたドアの先から入る部屋とドアの境の光があり、床面に反射し差し込む光があります。
射し込む光の明るさと対象的に影ができる部分が写真内のグラデーション、コントラストとなり、
それを強調できるのがモノクロ写真でもあります。
モノクロ写真の特徴の一つとして色の整理ができることがあります。
カラーで普通に正面から写真を撮れば少年の表情の明るさ、元気さそのあどけなさがありそのイメージどおりの写真ができますが、
あえてモノクロで表現し色を整理することで、カラー写真にはない効果と連想が生まれます。
モノクロの効果で色を整理したこの写真は
撮影者の意図によりあえて色を不要としたことを選択しています。
写真の整理と立体感
この写真は実はもう一つの後ろの部屋のドアのガラス窓をはさんで撮影しており、
被写体の少年の前にもう一つのドアのガラスの前ボケを使用し、
カメラのレンズの前にもう一層のフィルターがある状態を持たせています。
カメラレンズの前のもう一枚のフィルターの活用により写真の絵にさらに立体感を持たせます。
画面右に入っているガラス窓の反射の白い縦線はもう一つのドアの窓ガラスの反射による白線です。
ライフスタジオではカメラマンが光や背景、写真の中にあるバランスについていつも考えて撮影をしています。
ホームページにも記載がありますが
”人生を一篇の芸術作品として、
存在する美しさを生涯をかけてつくりあげていくという存在の美学として、それを実践する場所になっていきたい”
こういった言葉をライフスタジオで写真分析をしていくとき、つきつめざるを得ません。
撮影した11歳の元気な少年は絶えまなく一歩一歩進み続ける存在そのものです。
ドアに手をさしかけ少しだけ開いたドアの隙間から光がこぼれ床先を反射し
その一歩は少しの迷いや葛藤があったとしても、
ドアの先は光輝いていて、
対象的にドアの手前は光の影となり
光の射すほうへ進む少年の好奇心の姿を必然化させるかのような絵となります。
部屋の奥の窓の四角、ドアガラスの四角、少年が目を向ける先、もう一つのドアガラスの4層が
引き込んでいく遠近感を引き出しています。
撮影者は瞬時にスタジオのインテリア、光、被写体の持つ個性から点と点をつなぎ
意図的に写真を作ろうとするイメージ、
自身が連想して求めている写真の「芸術性」を
被写体にかける言葉かけで動かしていきます。
少年に対し難しい設定や複雑な説明もしませんが、
私たちの心はイメージで作る芸術性を絶えず要求し必要なコミュニケーションをしています。
美しさを表現することができる力をカメラマンは持たなければなりませんし、
撮影者の意図するアシストを撮影に入るパートナーである
コーディネーターも理解しようとコミュニケーションを撮影前も撮影後も
どうしてこの写真を撮ったのか?と会話を蜜にします。
成長著しい katsu との撮影コンビは私の毎日の楽しみです。
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