photo:Shiiba
coordinate:Nana　


ライフスタジオの写真とイメージするとフワっとやわらかく、前後がボケている写真をイメージされる方が多いと思います。そのフワっと感を演出しているのはレンズの特性でもありますが、前ボケというものもその役割に含まれているかと思います。
　前ボケとは被写体の前に入るものになり、色々ありますがその中でも写真にやわらかいイメージを持たせたり、写真自体に距離感を持たせたり等の役割があります。
　
今回の写真では縦にそして真ん中に前ボケを通しました。
写真はドレスを着た少し大人っぽい表情をした女の子。そのまま撮影してもいいのですが、
手、耳のラインのあえて体の一部に前ボケを入れることによって、少々の違和感を演出したかったのです。それが隠し味ということになるかと思います。光、構図、被写体がまずは調和をなしていること、そしてそこに＋の要素で入り、よりイメージが加わることが必要となります。前ボケを入れるととても写真に雰囲気が出やすくなりますが、落とし穴としてはそれに頼ってしまうこともしかりです。あくまでも写真がより活きる要素として
使用されなければなりません。
 
今回のこのシャッターの瞬間は撮影に入ろうとした瞬間に置いてあったベッドにとても絵になる姿でいたところを撮影したものです。その際に余計なものをなくし、レフ版で光を一部さえぎって撮影しました。
 
目を引く写真とはどんなものなのでしょうか。
最近写真を撮影していて、カメラ越しに感情が動く瞬間があります。ある種のセンサーのようなものでしょうか。何もしなくてもこれがピン！と動くこともありますが、
これが動くようにするのも、ここでのカメラマンの仕事だと思います。だから準備が大切であるとか、人との関係性が大切であるということが言われているのではないでしょうか。
 
色んなアンテナを張り、その状況に応じた引出しを開け、写真を構成する要素を作っていく。本当に面白い仕事だなと思います。：）