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国分寺店
彼らしさ
投稿日:2019/5/11
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実家のアルバムを見返すと、沢山の写真と共に自分の成長の様子が分かります。
我が家のアルバムには七五三、小学校入学、中学校入学、高校入学と節目の度に玄関で撮影された写真が残っています。
入学の時の制服やスーツでの玄関先での撮影は、我が家では小さい時からの恒例行事の一つでした。
写真からは身長の変化と共に、顔つきもだんだんと少年から青年へと変化が見られます。そして、その表情からは成長するにつれて、玄関先での撮影に対する思春期ならではの抵抗というものが表情から伺えます。
当時の私はこの玄関先での撮影に対してあまり積極的ではありませんでした。
全然笑っていない当時の自分の姿は、修学旅行や卒業式で自ら進んで撮影した友達との写真の時の表情とは明らかに異なる表情で、今思い返せは、それは恥じらいや照れ、苛立ち、少年から青年になる心の変化だったのかもしれません。
開かれた世界に足を踏み入れ、そこでの自分らしい生き方の模索みたいなものが始まっていたのかもしれないです。だから両親と一緒に撮影することや、両親に見られているという感覚が何故かとても恥ずかしく、それを苛立ちで表現してしまったのかもしれません。
だからスタジオの撮影でも、大きい子で撮影に対してあまり乗り気ではない男の子を見るとその気持ちに共感できる部分があります。
しかし現在、ここでカメラマンとしてカメラを握りながら感じる事は、その撮影に対するいら立ちや照れた姿を、後に愛おしく懐かしく思える時が来てくれたら嬉しいな。と思いながら私はカメラを構えています。
彼は中学入学の記念でスタジオに来てくれました。ライフスタジオでの撮影は9年ぶりの彼。とても礼儀正しく、明るくとても素直な青年でした。
撮影の中では、こちらの質問や投げかけに対しても、まっすぐに応えてくれました。
時折質問に対して恥ずかしそうに目線を外したり、こちらのお願いに少し疲れを感じつつも精一杯答えてくれいる。
彼のリアクションや仕草からそんなことを感じながら撮影を進めました。
そして、その撮影中に見せる恥ずかしそうに目線を外すという彼の行動が、私には12歳という彼がら少年から青年への成長の過程での彼らしさの様に感じました。
とても明るくて素直な彼。恥ずかしそうな笑顔で目線を外す動作の中で、心の中の自分と会話してる。そんな印象を受けました。
そしてイメージを膨らませます。
まずは光のイメージです。彼の明るい素直な性格と優しさを演出する為に逆光を選択しました。蛍光灯では光が硬くなりすぎ、少し明暗さが強くなってしまう為、自然光での柔らかい光の方が彼には似合っていました。
また、それに伴い前ボケに玉ボケを使用し、これから始まる新しい環境での生活に対する希望を輝かしいものにしてほしいという願いを込めました。
次に構図です。
コーディネーターのさやかちゃんに彼の向かいに立ってもらって話をしてもらいました。
私自身は彼の横からカメラを構え、彼の表情を目撃するような形を取りました。自分自身が投げかけをしないことによって彼の表情を目撃した友達のような距離感を保つためです。
そして彼には鼻を触ってもらうことと、目線は下を向いて話をしてもらう事をお願いしました。
鼻を触ってもらう意図としては、「照れ」という部分を表現したかったからです。
そして目線を外して話をしてもらう意図としては、彼から出るその表情をすでに目線を外してもらっておくことによって見逃さない為の環境を整えたかったからです。
そして、会話の中で彼から出る「照れ」を待ちます。
これから始まる新生活と12歳という年齢で少年と青年の間に居る彼を見れた気がしました。
楽しい中学校生活を送ってほしいです。そして高校入学の時にまた会えたら嬉しいなぁ~。
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