Staff Blog
国分寺店
距離感
投稿日:2019/2/13
1301 0
彼女は10歳の誕生日記念でスタジオに来ました。
自分をしっかりと持っていて、10歳とは思えないくらい大人びた雰囲気、魅力を持っている女の子でした。
彼女がこのスタジオで撮影をするにあたって僕自身どんな写真を撮影できるだろう?
彼女がどんな子で、今どんな気持ちで、撮影を通してどこまで彼女のことを知ることができるだろうか?そんなことを考えながら
3着の洋服を決める彼女と話をして、撮影のイメージを構築していきます。
彼女が選んだ洋服は白いニットに白いタイトスカート、緑のワンピース、そして持ち込んでくれたドレスでした。
私の中でその時点での彼女のイメージは、白のニットとタイトスカートがよく似合う透明感のあるイメージで構築されていました。
1着目白のニットとタイトスカートの撮影
撮影が始まり、同じ空間での時間を共有しながら、互いに緊張を解いていきます。
たわいもない質問ややりとり。日々の学校の様子や将来の夢についてなど。。。
ファインダー越しに彼女の緊張が少しづつ解けていくのと、自分自身の緊張が少しづつ解けていくのを感じながら、シャッターを切っていきます。頭の中では、シャッターのタイミングを伺う意識と、彼女のアンテナに触れるような会話はどんな内容だろうという気持ちが半分半分でした。
カメラを向けても全然物怖じしなかった彼女も、少しづつ笑い方が変わっていく中で、少しづつ場の雰囲気に慣れてきているように感じました。
彼女の透明感と自然光の柔らかい光がマッチして統一感のある世界観を作りあげられていくのを感じました。
2着目緑のワンピースでの撮影
1着目の撮影を通して感じた彼女の印象は、こちらの質問に対しての答えに迷いがなく、堂々としているというものでした。1着目で撮影した写真をパソコンに読み込ませながら
次の衣装とインテリアの設定を考えます。
シックな色味のワンピースをまとった彼女の姿は、撮影の中で私が感じた印象とマッチするものがありました。彼女から感じる芯の強さです。
洋服と髪型は人のイメージをガラッと変えます。コーディネーターは、その子が持つ魅力を引き立てるよう洋服を提案し、洋服ごとに魅力をもっと引き立てる様にヘアをアレンジします。そのイメージの変化がまた新しいイメージを作り上げます。その場に携わる全ての人によって写真は作られていくのです。
撮影が始まり、1着目よりも少しリラックスした彼女の表情が伺えました。話し方も少しづつ友達と話す様な口調になり、普段の彼女の様子に少し近づいたような気がしました。
彼女の持つ芯の強さを表現したい。
それが私のイメージでした。
撮影を楽しみながらも、どこか冷静に彼女の表情や仕草、質問に対する反応を観察します。
彼女が撮影の合間にする真顔がとても魅力的で、強さを感じる瞬間でした。
そこで私は撮影の中で、カメラから意識がそれる瞬間を待ちました。特に指示を出さず、じっとその時にシャッターが切れるように準備をして、彼女からその瞬間が出たタイミングでシャッターを切りました。
彼女の強さが表現できた1枚になったと思っています。
3着目ドレスでの撮影
撮影の間に作られた関係性は普段の彼女の映し出すものかと考えれば、決してそうではないかもしれません。私たちは彼女が友達と話す様子や家にいる時の様子を実際に見て撮影をしてるわけでもありません。しかし、約1時間という時間の中で、作られた私たちと彼女の関係性は、表情の変化からも最初の頃とは違う物であるように伺えました。
撮影を通して私自身も、彼女はこういう子なのではないだろうかという風に規定していった部分もありす。3着目の撮影は、今までの撮影を通して築いた関係性が現れた撮影だったように思えました。
時折見せる笑顔は出会った時よりも、少し幼く見えたように感じました。
私たちは1時間という撮影の中で、被写体の「その子らしさ」を残したいという気持ちで撮影していると思います。しかし、その「その子らしさ」とはあくまで撮影側の想像であることは否定できません。
だから私はこう思います。
その子らしさは、私が感じるその子の魅力だと。
彼女の魅力は、大人びた風格の中に感じる芯の強さでした。
1時間という撮影時間の中で、どこまであなたについて理解できたか分かりません。もしかしたら本当は全然違うのかもしれません。
私自身一番思っている事は、撮影を通して、撮影されるということが楽しいことの1つであって欲しいということです。
そして私自身はスタジオという非現実的な空間の中で時間を共有することで
私の感じるあなたの魅力を少しでも写真で表現し、伝えられたらいいなと思っているのです。
この記事をシェアする
サイト内投稿の検索
- トップ
- Staff Blog