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国分寺店
好きな写真
投稿日:2018/11/14
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好きな写真
私達は幸運なことに、スタジオで日々沢山のご家族に会う機会があります。
そして、それぞれのご家族と話をする機会を頂き、撮影を通して観察をさせてもらうことが許されています。
日々沢山のご家族とお会いする中で、1家族1家族それぞれの関係性があり、それぞれの家族の雰囲気がそこにはあります。
この様に感じることが出来るのはここでカメラマンをやっている特権なのかもしれません。
きっとカメラを握っていなければ、感じることはなかった感情だと思っています。
観察することを許されたカメラマンは、敏感に人の動きを見るように感じます。動作一つ、発言一つ、仕草一つ、被写体から発せられるものに対して、仮説を立てるように考えます。
そして、それがイメージとなり、写真として発信していくのです。そのイメージは自分の経験や環境から得たものがヒントになるのだと思います。
私自身のことについて考えてみました。
私には兄が2人いて、私は男3兄弟の末っ子として育ってきました。幼少期から兄弟同士仲もよく、今でも仲が良いと思っています。そして最近兄弟・両親について考える機会がありました。
自分にとっての兄弟や両親はどんな存在なのか?
一番近い存在?
一番遠い存在?
私にとって兄弟は一番近い存在でありながら、一番遠い存在のように感じます。
末っ子である私は兄たちの真似をして生きてきました。幼少期一番影響を受けた存在です。
しかし、大人になるに連れて、兄としてではなく、一人の人間として認識するようになると、一番知らない部分が多いような存在なのではと今では感じています。
私の中で兄のイメージは幼少期の時のものであり、今では話をしながら幼少期の頃の思い出と現在の兄の姿を紐付けるように兄という人格を仮定しているように感じます。
スタジオで撮影するご家族にも3兄弟のお子様を持つご家族が遊びに来てくれることがあります。撮影をしながら、自分と自分の兄弟に重ねあわせることが多々あります。
兄弟撮影では、ソロ撮影では見ることのできない性格を垣間見ることがあります。
姉や兄が近くに居てくれることで、安心して笑顔になる子もいれば、逆に近くに居ることが嫌で撮影している姿を見てほしくないという子も居ます。
成長していくと関係性は変わっていくかもしれません。変わっても変わらなくても、兄弟であることに変わりはありません。
いつかきっと写真を見返しながら、笑いながら酒を飲む日がくるかもしれません。
カメラマンはその関係を自分の持っている技術を使い、美しく表現する必要があります。
しかし、兄弟撮影を撮影している時美しく撮影することよりも感覚的に先シャッターを押している時があります。
それは兄弟の関係性が見えた時なのかもしれません。
兄弟にしか分からないその社会の中で、どんな話をしているのか。遠くで眺めながら、一緒に混ぜてほしいようなそんな気持ちになります。
でも、それは兄弟だけの世界。私はその姿を微笑ましい気持ちで眺めながらシャッターを切ります。
その瞬間を逃さないように。
僕はそんな関係が見える写真が好きです。
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