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国分寺店
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距離感と写真

投稿日:2017/7/28

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5月と6月の二か月間、国分寺店では「広角写真」を主題として取り組んできました。

まず、取り組むにあたって望遠レンズと標準レンズという2種類のレンズの特性と、それにおけるメリット・デメリットを考える必要がありました。

私自身日々の撮影において、望遠レンズを使用することに慣れていて、無意識に望遠レンズを使っていることが多かったため、この主題を機に再度レンズの特性について理解することで、撮影の中で適切なレンズを選ぶ基準を再度明確にするためです。

レンズの特性の話をする中で「画角」「遠近感」「被写界深度」などのポイントとなるワードが幾つか出てきました。

望遠レンズであれば、画角は狭くなり、遠近感は出なくなります。それはポートレートを撮影する上で、写真に写るものを整理しやすくします。そして被写界深度も浅くなるため、ボケ感も強く、撮影する上で、選択しやすいレンズになると考えます。

標準レンズであれば、画角は広くなり、遠近感が出やすくなります。そして被写界深度も深くなるため、望遠レンズより広い範囲でピンが合いやすいなどの特徴があります。

 

5月の1か月はこれらの特徴を理解しつつ、特製が表現できる状況を作りだし、撮影に臨むことをメインに取り組みました。取り組みの中では、国分寺店を構成するインテリアについての理解も必要でした。国分寺店はワンフロアのため、若干インテリアが背景化してしまいがちであったり、遠近感を表現するために何でどのように環境を作っていく必要があるかなど思考錯誤しながら取り組みました。

 

そして、広角写真を撮影する上では、標準レンズの特性を理解すると共に、広角写真という概念についても整理する必要がありました。

この写真は国分寺店の1階での写真です。

1階はモニタールームで、2階より狭い空間になります。広角写真の特性の1つとして、空間に広がりを持たせるというものがあります。それを表現できる方法として、私は広い空間の撮影ではなく、狭い空間での撮影を選択しました。狭い空間での撮影の方が、レンズの特性による広さを強調できると考えたからです。そして撮影をしながら、あえて少し崩れた座り方をしてもらうことにより、広角レンズの特性の一つである遠近感を出そうと試みました。

結果として見え方として、広角写真である写真になったと思います。

また、この取り組みを通して、私自身が標準レンズを選択するという事に対するもう一つの考えが生まれました。それは被写体との距離感における関係性の違いです。

レンズの特性によって生まれる写真が異なることはもちろんですが、私たちは人を撮影していて、その人を撮影する際に、物理的な距離感が変わることによって被写体との関係性も大きく変わってくるのではないでしょうか。

望遠レンズで遠くから息をひそめて撮影をする場合と、標準レンズで被写体に近づき撮影をした場合を比べると、標準レンズを使用した場合の写真の方が被写体とカメラマンを認識する写真が生まれるように感じます。

 

そのように考えると、標準レンズを選ぶ基準の中にはレンズの特性的な部分の他に、被写体との関係性という部分も含まれてくるのではないでしょうか。そんなことを考えながら、今日も試行錯誤しながら撮影に臨みます。

 

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