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緊張の緩和

投稿日:2019/5/15

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お笑いの基本概念「緊張の緩和理論」から一部引用させて頂きます。

生理的な笑い『緊張の緩和』

例えば赤ちゃんに「いないいないばあ」をする。初めは笑わない。

緊張が勝っているから。もちろん知らない人がしても笑わない。緊張が強すぎて泣く場合もあるだろう。だが段々慣れてきたり、信頼の置ける母親が「いないいないばあ」をすると笑う。

これは「ばあ」とした瞬間に緊張が発生するが、両者の間で信頼がある、つまり緩和が土台にあるから笑えるのだ。友達同士で変な顔をして笑わせるのも同じだ。ふざけているというのがわかったから面白いが、全く知らない人が急に目の前で変な顔をしてきても怖いだけである。

 

スタジオには1歳未満の赤ちゃんから入園、小学校入学、中学入学、高校入学記念、成人の記念等幅広い年齢の子たちが成長の記録を残しに来てくれます。

緊張の緩和、まさにスタジオ撮影においてとても重要なポイントです。

 

そこで緊張の緩和について年齢の大きい子にスポットを当てて考えてみたいと思います。

写真を撮られることが恥ずかしい、撮られている姿を親に見られたくないなど様々な感情が生まれてくる年齢は何歳からとは決まっていません。全然大丈夫な子もいます。

学校での集団生活を何年も経験をし、塾や習い事で大人と接する機会も多くなりTPOに合わせた対応が自然と出来るようになってきます。

 

ここでまたお笑いの基本概念から一部引用させて頂きます。

緊張と緩和の一番根底には「緊張の大緩和」がある。これはいわば“悟り”のようなもの。悟ったらもう「緊張」がない。緊張がないということは、笑いも生まれない。いや、常に笑いがある状態といった方が適切だろう。永遠に緩和なのだ。

 

スタジオ撮影において小さい子の場合、緊張が無く常に笑いがある状態=興奮状態。

大きい子の場合はというと、よくパパさんママさんから『もう自然な表情が撮れなくて』という声をよく聞きます。心も成長しTPOに合わせた対応ができるようになると普段家での姿は“悟り”のゾーンに入るのだと思います。

しかし、そこでカメラを向けると「緊張」が無いから、言ってしまえばどうでもいいという感情が近いのではないだろうか。

撮るなよと感情を表情に出す子もいれば、変におちゃらけた表情をする子、逆に表情をつくり過ぎてしまう子。

それがスタジオで聞くパパさんママさんの声。『もう自然な表情がとれなくて』なのではないだろうか。

そういった声を聞くと私達もどうにかしてでも自然な表情、笑顔を引き出したい!と思い撮影に臨みます。

しかし冒頭で述べているように、信頼もなく全く知らない人が笑わせようとして急に変なことをしても笑うわけがありません。

まずはその子に信頼してもらうこと。そのためにはその子のご家族にも信頼してもらうことも大切なことだと思います。

日々の撮影では打ち合わせから撮影の間もご家族みんなと色んな会話をし心の距離を縮めていきます。

 

このお姉ちゃんは小学6年生。お姉ちゃんにはこの春小学1年生になった妹がいます。

2人ともとても落ち着いていて大人っぽい雰囲気の2人でした。

パパママも物腰が柔らかくとても穏やかなご家族でした。

この子たちは「緊張の緩和」の「緩和」が笑顔のカギを握るなと撮影に入りながら確信していました。

撮影は妹の1年生入学記念の撮影から始まり、家族写真、2ショットととても順調です。

そして最後がお姉ちゃんの撮影です。

洋服も着替え、ヘアアレンジをしリップとチークも入れました。

鏡を見た彼女の表情は見た目雰囲気は大人っぽいけど12歳らしいとても嬉しそうな表情をしていました。

撮影の間お姉ちゃんと会話もしながらの撮影です。

会話は緩和の一つの手段になります。そして今回一番の緩和が突然やってきました。

少しリラックスしてもらおうと首を左右に振ってもらい、その後お姉ちゃんには私達カメラマン、コーディネータに背を向けて立ってもらいました。

私がお姉ちゃんにまた3回首振って3の時にカメラの方見て!と声をかけやってもらいました。

その時です。3のタイミングではカメラは向けず4のタイミングでした。

私も大きい声を出し1,2,3!!あれー!4だったー!とお姉ちゃんの最高の瞬間。

緊張の緩和が生んだこの表情。

 

会話は緩和の一つの手段と言いましたが、もっとも大事な手段です。それは一方通行では信頼につながらないからです。撮影は短い時間ですがコーディネーターとして私自身の事もどういう人なのか少しでも知って信頼してもらいたいからです。

子供たちの最高の瞬間を引き出せるコーディネータを目指して。

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