お客様にお渡ししている原本写真は、基本編集やデザインを一切せず、撮影したそのままのお写真データをお渡ししています。

フレームやアルバムなど商品にするときには、原本データの写真にデザインやレタリングが入り、さらに完成度が高くなります。

そんな中で、今回撮影をしたこちらの1枚の写真は、デザインを施さなくても、デザインをされたような写真として、見えるのではないかと思います。それは、写真において前ボケとなる、葉っぱがフレームのような役割をしていることから、被写体が立体的となり、写真自体が1枚の空間での撮影をうかがえる写真になっています。また、縦・横にと入っている黒い冊子も、もともとインテリアとしては、天井から床まである壁になっているのですが、葉っぱや写真としてのトリミングを駆使することで、余分な部分を見せることなく、空間の中に入りこみ、より存在感を伺えます。

また、彼が着ている洋服、身につけている小物が黒色というところに、冊子の黒との統一感もあって、写真においての色味が安定されています。前ボケも使っている葉っぱに光が当たっていることで、淡くぼかされ、後ろのインテリアに溶け込んでいるように見えます。

葉っぱの緑は色としての濃さはありますが、溶け込んでいるところがここでの大きな、ポイントになってきます。

さらには、彼の視線です。カメラ目線よりは、カメラから目線をそらしている表情が、またここでの安定感を出しています。

写真の統一感や安定感は、全体の一つが良くても、全体的には良くは見えません。

全体をまとめ、統一、安定させることは写真においてもなかなか難しいことだと感じます。