Staff Blog
市川店
ふとした表情。
投稿日:2018/12/27
1406 1
子供は、ふいにふとした表情を見せてくれます。
だんだんと大きくなるにつれて、感情も豊かになっていくもので、そのふとした表情に成長を感じます。子供は、喜び、悲しみ、驚きなどの感情をストレートに表情に出し、そのすべての表情がきらきらと輝いているものです。
子供にしかできない素直さだと思います。
大人になると、素直に感情を表現しなくなったり、できなくなったりして…
撮影に入ると、そんな子供の表情一つ一つの魅力に、引き込まれる瞬間がいくつもあるのです。
カメラを向けて、こちらも瞬間を逃すまいと集中しているからこそ、その瞬間と出会ったときには、瞬時に何枚ものシャッターを切ります。
今回は、とても可愛い表情を見せてくれる、彼に会うことができました。
最初から最後までとてもお利口さんで、しっかりと、言うことをきいてくれる妹思いのお兄ちゃんでした。
そんな中で、お兄ちゃんとしてしっかりとした一面を持ちながらも、やっぱりひとりの無邪気な男の子として、様々な表情を見せてくれるのでした。
写真に写る、この瞬間。
扇子を開き、カメラの中を見てみて~!と、話していたと思います。
彼はとても真剣にカメラの中を覗いてくれました。右目を瞑り、左目に焦点を当て見つめる視線がなんとも可愛らしく、片目を瞑っているからこそその目に力が入り、つられるように歯を食いしばった口元も力が入っています。左目だけでカメラを見ようとするこの真剣さが、彼らしい表情であり、その瞳に私は引き込まれそうな感覚になりました。
私が、この写真を撮ったうえでの分析を行っていきたいと思います。
畳の部屋としての空間は、光がある方に障子をはり、壁紙は和室の空間を壊すことなく、茶色い落ち着いた雰囲気を出しているものになっています。
彼が位置している場所は、光のある障子の前ですが、直接顔にそそぐ、光を扇子を通して遮ったようになります。そのカメラに向かって縦に持った扇子は、カメラと彼の間にあるため、ぼかされおり、このぼかしがあることで、彼の瞳により注目がいくようになっているのです。
そして、色の組み合わせの統一感をも、意識したものになっています。
茶・黒・白、この3色を中心に持ってきつつ、着物の衿にある赤、彼の唇・ほっぺたの淡いピンクがかった赤がアクセントとなって、溶け込んでおり、全体的に落ち着いた配色で安定感を持たせました。
最後にバランスですが、全体的に少し斜めったトリミングになっています。
カメラの前にある、扇子を中心に彼の表情を物語る、ほうれい線のしわから鼻筋を通った斜めの線。そして、背景に写る掛け軸の斜めの線が、お互いに平行線を保っているものとして、こちらも安定感を持たせた一つの材料になるものです。
また、彼の扇子を持とうとするぎこちない両手も写っていることから、仕草からなるひとつひとつの動きに注目が行き、彼のふとした表情やしぐさに取りつかれた瞬間でした。
ふとした表情、ふとした動き、すべて瞬間に限ります。
その瞬間を引き出し、カメラに抑えることが、私にできることだと思った時、一瞬たりとも気を抜いてはならないし、そんな一瞬一瞬が、素敵なことであると感じた出会いでした。
Photo:YOSHIDA
Coordi:SB-KIM
この記事をシェアする
サイト内投稿の検索
- トップ
- Staff Blog