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市川店
scrollable
抽象化。
投稿日:2017/9/30
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動きを抽象化するにあたって、抽象化とは何か。
辞書的な意味では、事物や表象をある性質・共通性・本質に着目し、それを抽きだして把握すること。その際、他の不要な性質を排除する作用をも伴うと表現されていた。
抽象化して撮影するためには、どのようにするか?
まず、自分の写真主題だけを残し、他の要素を最大限に除外し撮影するよう記されていた。
私の写真主題は“動き”である。
動きだけを残し、他の要素は排除する…。どういう意味だろうか。
一般的に知られている表現としては、panning shotが一番わかりやすいかもしれない。
動きを抽象化するという表現が大いに当てはまる状態である。
そこでpanning shotから得た題材をもとに、それに近い、ショットとはどのようなものかを考えた。
もともとpanning shot自体が持っているイメージと言えば被写体自体が躍動感を持っている。さらにpanning shotを撮影する際に使う技法としてカメラを固定したまま、フレーミングを水平または垂直に移動をさせることで、背景が左から右へ、または上から下へ走っているかのようにぼかされ、真ん中に写った被写体が背景に押し出されるかのように更なる躍動感を出しているのだ。
普段の撮影でpanning shotに似た技法をどこまで表現できるかを試してみた。
被写体自体に躍動感を取り入れるのは簡単だ。ところが背景自体に躍動感を持たせることが困難だ。なぜなら、インテリア、小物自体が自ら動くわけではないからだ。
ここで、上記で述べた主題だけを残し、他の要素を最大限に除外するといった内容。
そこで、除外したいのは背景となるインテリアや小物。被写体に注目がいくようにだ。
そもそも写真はカラーである。カラーは言うまでも無く、より現実に近いもの。なぜなら、現実には色があるから。そのような意味ではカラーはリアルであり、現実を忠実に再現するという意味ではより具体的に表現されているのだ。
対してモノクロは色がない分、非現実的である。結果的に写真は抽象的になり、より観念性を帯びるのだ。
モノクロ写真は、そういったまわりの具体的な情報を飛ばすことで、それそのものに目を向けさせる力がある。
真ん中に置いた被写体に見る者の目が行くよう、そこに躍動感を持った被写体が写ることで、躍動感の中にある動きに皆、注目することであろう。
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