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市川店
scrollable
ほーーーん‼よんでみよぉぉおぉーおー‼③
投稿日:2017/7/26
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【乙一】
私は乙一作品である本を1冊読み終えた後、乙一が書いた本が気になりはじめ、以降止まらなくなっている。
読む人たちを虜にさせる…乙一作品を紹介できたらと思う。
●夏と花火と私の死体●
1996年に17歳にしてデビュー作である『夏と花火と私の死体』はジャンプ小説・ノンフェクション大賞を受賞し、誰もが目に留まるデビュー作であった。この作品を16歳の彼が執筆したことに誰もが驚いたそう。私自身も実際この作品を読んだが、本を読むのが苦手な私でも、ページをめくる手が止まらず買ってきたその日に読み終えてしまったのだ。その日に読み終えるなど…ましてや続きが気になりページをめくる手が止まらなくなる経験を私は初めてした。
あまりに無邪気な殺人者によってあっけなく、少女は殺されたのだ。このようにして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような4日間の冒険が始まり、次々に訪れる危機を回避するためその死体を隠し続けるのだ。最後の最後まで出てくる人物に感情移入してしまうような作品であった。
死体の目線から語られる物語に、違和感を覚えつつも読者に想像力をかき立て、不要な部分を一切削ぎ落した文書が、物語に一層迫力を与えていた。彼(乙一)が描く世界観に足を踏み入れると、いつの間にかその世界観で生きている感覚になる。その感覚が快感になり途中で抜け出したくなくなり、読む手が止まらなくなったのだと思った。
●暗いところで待ち合わせ●
こちらの作品は、私にとって心温まる作品であったと思う。
視力をなくし、ひとり静かに暮らすミチルと職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が二人を引き合わせる。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決め、そこから奇妙な同棲生活が始まるのだ。
ミチルとアキヒロ、2人の視点で物語が進んでいくのだが、二人の絶妙な距離感をうまく描写しているなと感じた。二人が、言葉も視線も交わさないがお互いがお互いを近くに感じてはいる。物語を読み進めていくにあたって、ミチルがアキヒロに対する思いと、アキヒロがミチルに対する思い…遠慮と配慮というものが絶妙な感覚で交ざり合い、読む私が翻弄させられた。人と人が関わる中で起こってくる問題をミチルとアキヒロを通して、とても不思議な感覚ではあったが、美しさと温かさで丸く収まったような物語であった。
●死にぞこないの青●
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きであった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れストーリーが展開していく。
中盤ごろまでは読み進めるのに時間が少々掛かったが、アオが出てきた中盤以降は、理不尽で陰険である今の状況からの逆転劇が見たくなり読む手が止まらなかった。
主人公マサオから見る、世界、敵、戦い方、そして最後の出会いまでの一連の流れに一寸のぶれも感じさせなかった。最後の出会いを通して私は重要なことを教わった気がした。マサオがその最後の出会いにたどり着くまでに繰り広げられていた奮闘劇も見どころだが、マサオ自身の心境の変化というところにも子供なのに大人だなと感じるものがあった。
乙一が描く作品には、読者を楽しませるために書いているのはもちろんのことだとは思うが、何より、乙一自身が楽しんで書いているであろう様がなによりも伝わる。
それは乙一が描く作品のあとがきを読んでいつも思う。彼のあとがきは面白く、乙一自身の個性が出ているのだ。何気なく読み飛ばしてしまうのがあとがきだが、あとがきまでも読者を楽しませてくれる乙一のサービス精神というものにも魅力を感じた。
私は乙一作品である本を1冊読み終えた後、乙一が書いた本が気になりはじめ、以降止まらなくなっている。
読む人たちを虜にさせる…乙一作品を紹介できたらと思う。
●夏と花火と私の死体●
1996年に17歳にしてデビュー作である『夏と花火と私の死体』はジャンプ小説・ノンフェクション大賞を受賞し、誰もが目に留まるデビュー作であった。この作品を16歳の彼が執筆したことに誰もが驚いたそう。私自身も実際この作品を読んだが、本を読むのが苦手な私でも、ページをめくる手が止まらず買ってきたその日に読み終えてしまったのだ。その日に読み終えるなど…ましてや続きが気になりページをめくる手が止まらなくなる経験を私は初めてした。
あまりに無邪気な殺人者によってあっけなく、少女は殺されたのだ。このようにして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような4日間の冒険が始まり、次々に訪れる危機を回避するためその死体を隠し続けるのだ。最後の最後まで出てくる人物に感情移入してしまうような作品であった。
死体の目線から語られる物語に、違和感を覚えつつも読者に想像力をかき立て、不要な部分を一切削ぎ落した文書が、物語に一層迫力を与えていた。彼(乙一)が描く世界観に足を踏み入れると、いつの間にかその世界観で生きている感覚になる。その感覚が快感になり途中で抜け出したくなくなり、読む手が止まらなくなったのだと思った。
●暗いところで待ち合わせ●
こちらの作品は、私にとって心温まる作品であったと思う。
視力をなくし、ひとり静かに暮らすミチルと職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が二人を引き合わせる。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決め、そこから奇妙な同棲生活が始まるのだ。
ミチルとアキヒロ、2人の視点で物語が進んでいくのだが、二人の絶妙な距離感をうまく描写しているなと感じた。二人が、言葉も視線も交わさないがお互いがお互いを近くに感じてはいる。物語を読み進めていくにあたって、ミチルがアキヒロに対する思いと、アキヒロがミチルに対する思い…遠慮と配慮というものが絶妙な感覚で交ざり合い、読む私が翻弄させられた。人と人が関わる中で起こってくる問題をミチルとアキヒロを通して、とても不思議な感覚ではあったが、美しさと温かさで丸く収まったような物語であった。
●死にぞこないの青●
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きであった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れストーリーが展開していく。
中盤ごろまでは読み進めるのに時間が少々掛かったが、アオが出てきた中盤以降は、理不尽で陰険である今の状況からの逆転劇が見たくなり読む手が止まらなかった。
主人公マサオから見る、世界、敵、戦い方、そして最後の出会いまでの一連の流れに一寸のぶれも感じさせなかった。最後の出会いを通して私は重要なことを教わった気がした。マサオがその最後の出会いにたどり着くまでに繰り広げられていた奮闘劇も見どころだが、マサオ自身の心境の変化というところにも子供なのに大人だなと感じるものがあった。
乙一が描く作品には、読者を楽しませるために書いているのはもちろんのことだとは思うが、何より、乙一自身が楽しんで書いているであろう様がなによりも伝わる。
それは乙一が描く作品のあとがきを読んでいつも思う。彼のあとがきは面白く、乙一自身の個性が出ているのだ。何気なく読み飛ばしてしまうのがあとがきだが、あとがきまでも読者を楽しませてくれる乙一のサービス精神というものにも魅力を感じた。
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