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市川店
scrollable

【Abstract Painting】

投稿日:2017/9/30

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タイトル:『抽象化』
サブタイトル:『光で描く絵』
 
F:f/2.8
Shutter speed:1/100s
ISO: 1600
焦点距離:85m

【写真とは何なのか?】
【私たちがスタジオで撮っている写真は、どのような写真なのか?】
【写真的要素が複合された写真は何であり、このような写真を撮るためには何が必要か? 】


写真に関する基本的かつ原初的であり、基本的な質問と疑問は、撮影者なら誰でも持っている。そして、それを研究し、実験し、持続的に発展させていこうと努力する。

ウギュリーダーが作成した『写真大辞典』には、このような文章が書かれている。写真大辞典を介して得たいと思うのは、『分析的方法』『直観的方法』をマスターすることが目的ではなく、二つの方法が『統一された方法』を探して新しい方法の中で、『分析的方法』『直観的方法』を超える『洞察』を得ることが私たちの目的であり、その方法の一つであるのが『写真の分析』であり、『写真の分析』をするということは、私たちが求めている写真が何かの説明を必要としていることを意味する。

ライフに長年勤務しているスタッフは、記憶していると思うが、7~8年前のライフスタジオのモニターの仕方は今みたいにスライドショーと音楽を流しながら感動を与えるシステムではなかった。撮影者が写真一枚一枚をめくりながら写真に対する撮影者の意図や撮影方式に関する内容を直接お客様と話しをする。写真を観賞するお客様の目線だけでなく、撮影者の説明を介して写真に含まれているいくつかの意図を伝えようとしていた。それを別の言葉で表現すると関係の形成と共感であるだろう。

私たちが求めている写真は、いくつかの分野に集中しているジャンルではなく、様々なジャンルと色んな欲求の複合が統一された状態の写真である。そのためには『写真の分析』が必ず必要である。『写真の分析』がどのような意味を持っているのかを理解することと撮影された写真の意図をお客様に伝えるのは非常に重要である。

上の写真は、『写真大辞典』『思考と表現に対する話Part3の主題である抽象化』を表現したものである。

まず、『抽象』の辞書的意味は存在しているものを全体から分離させて知覚すること、他には、考えることができるある物事の特性、特徴、属性、関係、形態などを総称するときに使う言葉で具体的という意味に反対される単語で定義されている。

まとめてみると、不要な部分を除去しながら、物事の本質を明らかにする過程であり、より簡単に言えばある対象の全体を再現するのではなく、目立たないように1つか2つの特性だけを示すものである。この特徴を前提として、タイトルとキャプションを定めて撮影してみた。


【個人主題:光】
【タイトル:抽象化】
【キャプション:光で描く絵】


すべての撮影には、流れがあって主題がある。特に抽象化というテーマを持たなくても、私たちは撮影の前にある程度のテーマとイメージを思い浮かべながら撮影に入り、頭の中にイメージ化された形状を表現するために、撮影の流れなどを考えて空間を選択し、絵を描くようにシャッターを切る。私も同じだ。ある主題が与えられた時の主題をどのように表現するかについて継続的に考える。そして主題が持つ単語の意味を分析し定義を下す。

今回の主題である抽象化のポイントを一言で定義すると『すべてを排除して、主題になるものだけを残す。』である。そして、もう一度考えてみる。光だけを残してすべてのものを排除させるために必要なものに関して、すぐアイデアが思い浮かばず、自分の中から一つの疑問が生まれた。写真の主体となる被写体を排除して光だけ残して撮影することが正しい選択なのかの判断が出来ない。

【光だけを残さなければならない!】

考えの端に被写体と主題である光を同時に表現することができる撮影技法であるフレアの強い光を利用して被写体をシルエットで処理、明と暗というコントラストを与えれば光と被写体が主体と​​なる写真を表現することができると判断した。そして2~3日間市川店の全体的な光の流れをもう一度観察してチェックをしてみた。フレアを作れる強い光が出る場所を見つけるのが簡単ではなかった。そしてフレアを利用した撮影技法は、いつでもどこでも撮影できないし、天気、時間、空間、被写体等、様々なことが制約される。表現することができないのではなく制約されるから持続可能性が落ちると思った。

【他の方法を見つけてみることにする。】

撮影の空間、時間、天気に制約されずに、いつでもどこでも撮影が可能でありながら段純化させて被写体も主体になることができることを考えてみる。なおさら考えの転換の必要性を感じる。そして至った考えが写真の主体となる被写体を線と面と点だけで描写させて、光の散乱や反射を利用してみることだった。

着物という派手な色感と葉の間の後ろから入ってくる逆光は、光が反射され散乱することを表現するのに十分である。

【存在するものが、すべてを排除して存在しないように表現すること!】
【結果は出てきた!】
【後はどのように説明するかだ。】


おそらく『写真大辞典』を一回でも読んでみた人であれば、そして同じ主題で撮影してきた市川店の撮影者なら、詳しく説明をしなくても誰でも知っていると思う。『抽象化』を表現した写真であることを···

しかし、お客様は違う。どんなに良い意図が含まれており、芸術性と価値がある写真であっても、撮影者は、自分が撮った写真をお客様に説明する必要があり説明する義務がある。ジャンリュック・ゴダールの言葉のように、『写真は物理的に何も言わない写真の下に書かれているテキストを借りて説明する。』 写真を説明する過程を通じて、お客様との新たな関係が形成され、共感が始まる。そして、少なくとも写真が持つ意図と意味について撮影者は定義を下さなければならない。ただ75カットの中でピントが合わない写真一枚が偶然に入ったのではない。そして、私たちが撮影している75カット中に説明をしなければならない写真が存在しているのも事実であり、説明されていない写真に関する再定義と分析は必ず必要である。

最後に、私たちはもっと果敢になる必要がある。撮影だけでなく、すべてのことに対して『自分の枠を破ること』『固定観念を捨てること』『自分の壁を越えること』、最終的に思考の転換と小さな変化から開始される。
まるでバタフライエフェクトが蝶の小さな羽ばたきから始まるように・・・
 

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