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藤肥孝幸
市川店

藤肥孝幸

写真は何を映すのか

2019/1/23

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写真は何を映すのか

ICHIKAWA Photo 
 
Photo by Takayuki Fujigoe
 
Coordinator by Yuri Motohashi
 
Write by Takayuki Fujigoe

私が写真を撮るとき特に、人が人に対してではなく、世界や風景にカメラを向けるとき、そこに何を見出し何を切り取るのか。いい写真を撮ろうと目の前の風景に対しあれやこれやとアングルを変えたり構図を決め兼ねているその様子は、まるで存在しない写真を撮ろうとするような世界や風景のなかに「私」を探しているかのように見える。この問いに答えるにあたり、私はまず人間の目がどのように世界や風景を見ているかまた切り取っているかについて考えなければならないだろう。

 

とあるカメラマンは言った「誰がシャッターを切ろうとも同じような写真ができあがってくるのではないか」という思い込みや「写真は真実を映す」という神話が今でも私達を強く支配していると、まれにそういった思い込みを疑っている人によってまた新たな何かを作り出すのであろうと私は思う。確かに、写真は世界や風景を映すものであり、そこに「自己創造」を持ち込むことはそこまで簡単ではないが、人がカメラを用いていい写真を撮ろうとするのは「自己創造」を追求するためであろうと私は思う。

それは撮影技術に基づく経験によって可能となり、ズームやピントの調節などの撮影機材の操作に始まり、被写体を探し距離を調整するための移動や、アングルや構図を決定するための動作、シャッターチャンスのためのひたむきな待機に至るまで、それらはすべて身体の動きとして現れている。故に写真は非常に身体的な芸術行為だと私は考える。

 

そしてその行為は他者という世界に拡散され、自分だけが持っている「自己創造」は自己の価値として存在を表していく。

 

写真は自己の創造を映し出す一つのツールであり、常に変化する世界と自己を繋ぐものである。だからこそ日々の撮影を私は私なりの「自己創造」を持って向き合っている。

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