自然光は季節、天候により変化があります。毎日同じ場所で同じ時間に撮影をしていても少しずつ変化しています。 雲一つない天気でなければ、秒単位で差し込みに変化があります。光量や角度も調節できません。 カメラマンの意思ではどうにもならないものです。しかしその天然の照明は非常に魅力があります。 柔らかく、美しく… 思い通りにいかない照明ですが、魅力的な美しさが私の意欲をかきたてます。 晴れた日だけ、昼間だけ——その限定の要素が私の中で、さらに希少な価値を感じます。ですから晴れた日は、自然光が物に当たる様を見つめ続けてしまいます。 そして、この日も差し込んでいました。 冬の時期だけしか差し込んでこないこの場所に。 ウッディな背景に溶け込みながらも女の子を主体に撮影をするため、絞りを開放にし、体の半分に光が当たる位置に座ってもらいました。「ここに座ってね」とお願いすれば、あとは撮影の後半でリラックスしている彼女は普段のように自由に遊んでくれます。後ろからの自然光によって彼女の存在感が引き立っています。髪や手足に光が注ぎ、柔らかく生き生きとしています。 偶然伸ばした右足によって彼女の動きが出て、夢中に遊んでいる様子が伝わってきました。実はこの写真においてこの足の向きは非常に重要ポイントとなっています。たとえば両足を下ろしていれば、動きが無く座って下を向いているだけの印象になります。また両足を上げていたら、体が突っ張っているような不自然で、遊びに飽きて足をぶらつかせたかな・・・という印象になってしまいます。 この片足を下ろして片足を上げている状態が、彼女がポーズをとったような、そして光が頭から足へと光が流れていく様子を映しています。それは彼女から光が放たれているような、生命力を感じさせてくれいます。 全体が白や茶色のナチュラルな雰囲気の中で、左にそっと植物のグリーンがプラスされることで奥行きが表現され、 彼女の服のピンクに対しての色が添えられています。ナチュラルな雰囲気の中で表現された彼女の存在感です。