“何がいい写真ですか？” という質問をされたら、あなたはどう応えますか？ 見る人によって、好きな種類と優先順位が違っているようで、同じように思える部分もあります。 いいという言葉も相対的でありながら、絶対的な普遍性の存在有無が重要になります。 いい写真というものに対する定義も、同じようで違うというバランスを維持することが重要なようです。 写真の説明をしてみると、大体各自の相対的な美しさと優先順位によって話が始まり、普遍性を確保しているかどうか、という話になったりします。 いつか誰かに“何がいい写真なのですか？”と聞いたとき、こう答えてきた記憶があります。 “あなたが一番すきな理想の芸能人を思い出してみてください。もしそれが竹内結子ならば、あなたの目の前に突然竹内結子が現れました。どうでしょう？ おそらく、少しの間言葉を失い、何も考えられないでしょう。それが相対的な美しさというものではないでしょうか？ そしてよく見てみて、会話を通してあなたの心の中に理想的な、そして目の前にいる彼女と直接会ってみた印象が同じなのか、違うのかに対する客観的な評価が、絶対的な普遍性に関するものだと思います。” 色にとても敏感なカメラマンがいましたが、彼が最初は特定の色を持っている物体を、四角形の中にいろいろなものをいれ、撮影をしました。もちろん、ごちゃごちゃしていて被写体の集中を妨げる結果になりました。しかし、そのような写真をとても好む顧客が現れるという、意外な状況が発生しました。スタッフはフレーミングから色の配置など、全てに秩序がなく、問題があると思っていたのに、写真をみながら満足している顧客の姿をみながら、何か、その写真の中に本質があるのではないかと、考えました。 時間が過ぎ、少しずつ慣れていく過程の中で、彼の写真は安定性をもって、独特の色の選択と配置のノウハウが写真の中に現れるようになりました。 他のカメラマンと比較して、色に対する集中、そして試してみるという精神が色に対する理解と技術を高めたようです。 また、顧客が望んでいるということも、色の役割の一つでした。 色と被写体のつながりの中で、その被写体の違う姿を見つけたようです。 写真において、色と被写体の関係の中で、真実を探していく方法でした。 私は何色が似合うだろうと悩んでみると、重要なのは色の選択というよりも自分がどこで、何を見ているのか、ということが問題になるようです。今は青でも、だんだんと水色になっていく自分自身を見つけながら、葛藤と解決、そのような繰り返しです。 カメラマンなり立ての人間に対して白い背景での撮影はとても簡単に感じられます。しかし、だんだんと難しさを理解していきます。 特定の色は、難しいようである段階に到達すると、簡単に感じられるようになります。 しかし、様々な色が共存している条件というのは、常に難しいものです。その多くの色の中で、一つのイメージを作り出すということもまた、同じです。 所沢で撮影されたこの写真は、豊富な色と小さな子供のつながりの中で、統一されたイメージを正確に、映し出しています。 【その豊富な色の数だけ、純粋な子供に映し出される人生】