Photo&Write by yoko , Coordinator by Narumi

 

 

 

想像できる写真が好きです。

被写体の表情、仕草、インテリア、光。１枚の写真を見て、それらの要素から想像が広がるような写真が好きです。

 

この時こういうことがあったんだろうな。

この時こういう状況だったんだろうな。

この時被写体は、撮影者は、その場にいた人たちはこんな気持ちだったんだろうな。

 

写真を見て、そういう想像をしながら話すのが好きです。

 

もっと詰めるのなら、私は私の撮った写真以外でそういう想像を広げるのが好きです。

自分の写真だと、自分の決めた何かになってしまう気がするので。嫌いではないのですけれど。なんとなく。

 

 

でもこの写真は、彼女の瞳から、その場にいた私の知らない何かを感じることができる。

 

白いかすみ草。くすんだピンクのドレス。

くるくるの可愛い髪の毛。溢れ落ちそうなほっぺた。

長いまつげ。撮影者に向けることのないその視線。

 

何か気になるものがあったんだろうな。

今にも手を伸ばしそうだ。

何をするんだろう。何が気になったんだろう。

この後、彼女は何を思うのだろう。

 

物語を想像してからシャッターを切ることも多くある。

でも、今回みたいに写真そのものから物語が生まれてくるようなときもある。

 

目に見えない何かがある。

それは人によって見えたり、見えなかったり、同じだったり、違うものだったり。

 

見えない何かが写っている。

だから写真は面白いと思うのです。