フォトジェニックPhotogenic

2017年7月のフォトジェニック

2017/8/21

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Shinyokohama Photo

Photography by ouchi akane
Coordi by kinoshita Kaori
 
Title : 『悩む力』
 

人に写真に自分自身に深く向き合っていきたい
 

201773日新横浜店のインテリアが新しく生まれ変わりました。

リニューアルしてきた過程はHPやインスタグラムで皆さん周知して頂いているかと思いますが
改めてこの場をお借りしてインテリア工事完成の為にお忙しい時間を割いてくださった
Lee社長
オーナーの皆様、そしてスタッフの皆様、お昼ご飯を差し入れしてくださった喜多さん
工事に携わってくださった企業の方々本当に皆さん一人一人のお力で完成することが出来ました。
新横浜店スタッフ一同心から感謝の気持ちで一杯です。

この感謝の気持ちを会社と皆様に返していけるよう
 

1.美しい写真
2.新しい出会いと持続的な関係
3.楽しく働く姿
で返していきたいと思います。

 

今回は上記でお話しした1.美しい写真を提供することの意味で行っていきたいと思います。

今回の写真のポイントは写真の深さです。

深さとは何を意味しているのでしょか?

わたしはこう考えます。その写真を表現するうえで欠かせない世界観のことです。

世界観は観念的なことなのでそれを技術で表現するために自分自身で「なぜ」を思考し

それを自ら定義し説明していくことが写真分析を行う理由であり、その蓄積が写真哲学に繋がると考えます。
 

私は写真を何枚もの層が重なり合うように構成しようと心がけています。
それはただ単に被写体の前後に前ボケを使い奥行きを出すだけではなく、
目に映りこむ全ての構成要素を四角いレンズにどのように入れ、どのような手順で層を重ね、
何を表現したいのか伝わりやすく整理するという事が結果として写真に深みがでると考えます。

 

整理すると、写真の深さ=写真哲学。

写真の深さを表現するための方法として、

1、写真構成要素を整理し、映り込む順番を予測する

21で把握した構成要素を適切なポージングとトリミングと露出で覆う

312で整理された内容の核心を定義し最後にシャッターを押す
 

今回の写真の場合、1の写真構成要素を整理し、映り込む順番を予測するというのが
何にあたるかという事をこの写真の構成要素を紐解きながら挙げていきます。(一番奥から)

 

➀右奥にある蛍光灯(電気はつけていない)

②左奥にある白いレンガの壁

③左奥レンガの中にある窓枠と窓から入る逆光の光

④写真上に映り込む白樺の木

⑤写真右上から吊るされている白の天蓋カーテン

⑥被写体である少女と少女が座るベットやラグ

⑦写真右側面にあるもう一本の白樺の木

⑧写真左斜めにあるグレーとベージュが混ざった色味になっている前ぼかし

⑨③でいった窓枠の真ん中ぐらいに映り込む白くて四角い前ぼかし(窓ガラスの反射)

⑩被写体の頭に映り込む透明グラデーションのように写し出された前ぼかし(窓ガラスの反射)

⑪写真全体をほのかにぼかす一番手前に置いた窓ガラス

このようにこの写真を表現しようとしたとき、もともとあったインテリアは➀.....⑦であり、
⑥の被写体はインテリアとの調和を考えどこに座ってもらいどんなポーズ仕草が適切なのか予測し被写体に声かけをしました。

 

 次に2で話した適切なポージングとトリミングと露出で覆うということがどの部分にあたるのかを説明します。
この写真は望遠レンズを使い、インテリアと被写体から最大限離れて撮影をしています。
その理由はカメラマンの存在を消し、被写体がこの空間に身をゆだねることが出来るよう考えた配慮です。
そして、結果この表情が出たと思います。少女の物思いにふける自分の素が表れている表情です。
そしてトリミングとしては白樺の木をどこからどのように映り込ませ被写体と馴染ませるかがキーポイントでした。
白樺の木のやぐらは長方形なので
全体を入れようとすると無理矢理感がどうしても出てしまうので、
縦の木を一面と横の木を一面入れて複数の前ぼかしで色味と素材感を馴染ませ、
結果として被写体の次に主張される副主体的な存在になりました。
もちろん一般的な主体と副主体の関係でいうと、被写体
(主体)と右奥に映り込むクリーム色の窓枠(副主体)になりますが、
その次にあたる副副主体がこの白樺の木になります。
このようなに写真のバランスを考えると白樺の木を木として写すのではなく
この写真のように切り取り、横写真ではなく縦写真にすることによりやぐらの構成が残るので
程よい存在感を引き出すことが出来ました。
また、露出はあえて蛍光灯の存在感が残るよう後ろをぼかし過ぎず、主張すぎなよう映り込ませ
ポイントは被写体の鼻筋にかすかに映る光のラインが綺麗に映るように露出のポイントはここに合わせました。

 

最後に3で話されていた核心を定義し最後にシャッターを押すという部分の話をしたいと思います。
今回の写真の核心は、少女の頭のあたりに映り込む半透明なグラデーションです。
これは新横浜の真骨頂である、効果的な空間の仕切りで生まれた産物です。

これというのは、新横浜はもともと1フロワーで構成され壁面ごとにインテリアが配置されていました。
長所としては伸び伸びと撮影することができ、そこで過ごす人たちは開放的な気持ちで撮影することが出来ました。
そして今回大掛かりなインテリア工事の中でもっとも核心的で斬新だったのが
もともと1フロワーだった空間に、廊下とメインルーム
2つと衣装室1つの計4ヶ所の空間を
仕切ることで実現することが出来ました。

 

今回の撮影場所は一番奥の部屋にあるプライベートリゾートというメインルームです。

その入り口には本部長お手製のガラスドアが取り付けられ、
その扉を開けて進むと写真の様な世界観が広がっています。

このように、空間の始まりである扉(ガラス窓)という存在とそれが創られた過程と
なぜそれを創ったのかという理由を知っているからこそ実現できた
スパイス的な前ぼかしが実現できたのではないかと思います。
この前ぼかしがあることにより、彼女の存在に靄がかかっているように見えより
妖艶な雰囲気を引き出すことが出来ました。

 

そして、今回この写真の世界観は『悩む力』です。
 

以下の文章は、Lee社長の20097月に書かれたブログの一文を抜粋したものです。
 

ライフスタジオは、多くの関係をもっている。

顧客とスタジオ、満足度と支払い、信頼と紹介、本社と加盟店、社長とスタッフ、男性と女性、
韓国と日本、カメラマンとアシスタント、利益と時間、売上と客単価などなど・・・・・・

何か一つでも、簡単に解けることはない。あるいは、永遠の緊張をもたらす矛盾だらけの主体なのである。

何をもって、どんな論理で、どんな主題で、形式でそれを解いていくのか?

中教授が言っている悩む力ということが、生きていくことなのであり、悩む力が生きる力だという主張に、

もう一度必死で悩みながら生きていく力を得た。

https://www.lifestudio.jp/?run_id=staf_blog&bs=staff_blog&po_u_seq=4&page_no=14&po_seq=85840

 

 

今回の新横浜のインテリアを通じて多くの人が悩み考えました。

自分の話になってしまいますが私自身、知らないことに対する怖さから何度もくじけそうになりました。

また、求められていることに対応することで精一杯で目的を見失うこともありました。

そんな姿を良く知る身近な皆には沢山の苦労と心配をかけてしまいました。

しかし、それも含めてインテリア工事で悩み考えた皆のエネルギーが、
動けない自分を突き動かしてくれたのは確かです。

そんな経験が全て染みこんだこの空間で何を表現したいのかというのは
この一言に集約させることが出来ると思います・・・

 

それは新横浜店の写真主題である『生命力』です。

 

人間にとって生命力というのは何も前向きで肯定的な事だけではありません。

時として否定的で後ろ向きなこともあります。
それが『悩む』という人間らしい美しい姿であるということを私は伝えたかったのです。

 

新しい空間で始まった撮影は常にこの悩む力がフル回転します。

その度に、分析、修正、実践を繰り返し常に真の美しさを追求していきたいです・・・。

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