フォトジェニック


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2015年5月のフォトジェニック

投稿日:2015/7/24

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Face


Yokohama Aoba photo
photographer : Ryo  
coordinater : Kaori

 

人には様々な表情が存在します。

おこった顔、悲しい顔、笑顔、困った顔、驚いた顔など。

様々な環境で様々な表情の変化を見せてくれます。人の顔だけでいったい幾つのバリエーションが存在するのでしょうか。

クローズアップを撮るとき、その他の顔が見えるアングルを狙っているとき。

75カットという数の中でいったい幾つの表情を捉えることが出来るのか。撮影中に常にそのような事を考えます。

一言に表情を引き出すと言うと簡単な響きなのですが、~な顔をしてとお願いして希望にそった表情をしてくれるとは限りません。

表情は特に引き出す方法を工夫しなければいけません。

ここでも大切になるのが声かけによる誘導です。動作の事にも同じ事が言えますが、カメラマンの最大の武器は声かけだと思います。

被写体を動かす力が無ければ、無機質な写真しか写す事ができません。

自然に起こりうる動作、表情を狙うと言う手法もありますが、それは動かす事が出来るようになってから取り組むべき事なのだと感じます。

カメラマンが気配を消して撮る写真もまた良いのですが、現場に居る以上完全に無になる事は不可能です。

どうしても少なからず影響を与えてしまうのであれば、極限まで気配を消すための行動が必要です。

その行動に至るまでに必ず被写体へのアプローチは存在しています。

 

私が取り組むべき事は引き出す力をつける事に有ります。

言葉により相手を動かし、表情を引き出す。それが出来るようになった瞬間、写真にまた新たなエッセンスが加わると思います。

 

どのようにすれば表情を引き出す事が可能なのか。

ポージングを案内する時などは目的とする形へ導くため必然的に声かけも想像ができます。

ポケットに手を入れてほしければ、高年齢の子であればそのまま伝えるだけで再現してくれます。

しかし、低年齢の子にポージングを案内する時は、ポケットの何か入っているよと遠回しな言い方をして、好奇心をあおり動作に導くと思います。

単純に考えると表情に関しても同じような事が言えます。

高年齢の子におこった顔をしてと言えば頬を膨らませなんとなくおこった仕草をしてくれます、低年齢の子におこった顔をしてと直接的に語りかけてもおこった顔はしないと思います。

言葉のやり取りが可能か否かで対応は変わるのですが、ポージングと表情の引き出しには若干の違いが有ります。

ポージングは完成形をイメージし、動きの終点を目指しますが、表情は完成形が無く、様々な変化と想定外を呼びます。

私たちは被写体である子供と出会い、一時間以内の状態です。

その子の持つ表情全てを知っている訳が有りません。

だからこそ探す行程が様々な表情を引き出す事になります。会話が可能な年齢のこの撮影の場合は、沢山の話題を話しながら、会話を切り取るイメージでリアクションを押さえて行きます。

好きな物の話をしている顔、嫌いな物の話をしている時の顔、話の展開に驚いた顔、そして難しい話に困惑した顔。対話する事により、様々な表情が引き出されて行きます。

次第に距離も近づき、会話を楽しみながら自然と写真が産まれて行くような感覚を持ちます。

多くの表情を写す事が出来た撮影はこのような状況に持ち込めた時が多いです。

このように目的として表情を狙って行く事も可能だと思いますが、相手は人であるため実際はどんな状況でも表情は常に僅かに変化し、その都度その都度違った物を見せてくれています。

そのため良く観察する事も必要です。

いつもシャッターを切るとき、何処を見ているのか。

全体を見回しているつもりでも実は表情はあまり注意深く見ていなかったりします。

笑顔一つでも笑い始め、笑い終わる瞬間、照れ笑いなのか思いっきり笑っているのかでもまた少し表情に違いが有ります。

光を見てフレーミングを整理するのと同じ位の注意力を被写体の表情にも注ぐべきなのだと思います。

表情とは心が写し出される物だと思います。

相手が純粋な子供達だからこそ、今だから見れる新鮮な表情を沢山撮影する事が出来るのではないでしょううか。

言葉の通じない低年齢の子供達は主に与えられた物へのリアクションで表情を変える事が多いように思います。

おもちゃへの反応や、シャボン玉、音に対しての反応などその環境で可能な物を出来るだけ沢山試してみると良いと思います。

赤ちゃんでも困ったり、おこったり、泣いたり、笑ったり。表情のバリエーションは大きな子達に負けないくらい有ると思います。

私が人を撮る仕事をしていて撮影に飽きがこない理由として、何人とっても同じ顔の人は存在しない所に有るのだと思います。

一人一人が皆個性を持っている。それを知るために出来るだけ多くの表情に出会おうとする事が私たちの写真を一歩先に進めてくれるのではないでしょうか。

 

今回の写真のような動作に関しても、そのこによって様々な表情を見せてくれます。

『お花のにおいを嗅いでみて』なのか『お花に鼻をくっつけてみて』では相手の受け取り方に差があります。

嗅いでみてであれば少しの期待が、鼻をつけてであればその目的が違い、表情も変わっていきます。

声かけ一つに関しても小さな小さなこだわりが完成する写真をより、繊細にしていくのだと思います。


 

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