店舗フォトジェニック集
Photogenic
想像力でマニュアルを壊す。
投稿日:2022/2/20
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マタニティ撮影に来てくれたママさんにカメラを向けると、頬を赤くしてすごく恥ずかしがった。
どちらかというと1人の撮影ではなく、パパさんと一緒に撮影することを希望していた。
私は質問を投げかけてみた。
「学生の頃はどちらかというと前に出るタイプではなかったですか?」「そうですね。」
このような気持ちは私も理解できるし、私自身もそうだ。
人に注目されたり、話題の中心になることがあまり好きではないタイプだ。
マタニティの撮影もパパさんから提案されたようで「今の姿を写真で残すことを望んでいる人がいるなら撮ってもいいかなと思いまして。。。」とママさんは恥ずかしながら言っていた。「恥ずかしさ」は自分を守ってくれる私たちの普通の感情だ。
カメラの前でお腹を出して撮影するという注目される「恥かしさ」の感情は理解できる。
だからこそ、ママさんが望んでいることはパパさんと二人で撮影することであったが、顧客が望んでいること顧客は知らない。
私たちはそういったことを仕事のテーマとしているのではないか?と思う。
つまり、顧客の想像を超える価値を提供することである。そうであれば、顧客が望んでいる価値は顧客は知らない。ということになる。
ただ、写真を通して「すごい!」「かわいい!」「きれい!」ということを望んでいることは私たちは知っているだけである。
もしかしたら、ママさんが1人でマタニティ写真で「すごい!」「かわいい!」「きれい!」という価値が待っているとしたら1人でも撮影を希望するのではないか?と私は思った。
この1枚の写真は「恥ずかしさ」を超えるための「誇らしさ」の1枚である。
1枚の写真の持つイメージ・・・・それは「ママになる誇らしさ」である。
白と黒で統一された写真は重力感の主張であり、モノクロ写真のような力強さを与えてくれる。背景の水彩デザインで女性のような柔らかさもあるが、習字の筆で描いたような圧力感も「誇らしさ」の重要な要素になっている。光は被写体からハイライトになっており、背後には落ちていく陰影のあるシンプルなサイド光になっており、ここでも白と黒すなわちハイライトとシャドウが写真で表現されている。
小物は手に持つ白い花と帽子の白い花でママさんの美しさのイメージを引き出している。
これらの構成要素のバランスを整えてくれるのは構図による線である。
まるで映画館のような横長のスクリーンの四角い黒い線または枠が被写体に注目をさせてくれる。写真の四隅を中心部よりも暗くして、アーティスティックな雰囲気を出す「ビネット効果」である。
これらの写真の構成要素の集合体のイメージが「ママになる誇らしさ」というイメージ写真である。
この1枚が玄関を開けた時には想像していなかった1枚の写真であるのであれば、私たち自身を誇らしく思います。
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