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HAPPENING

投稿日:2024/3/18

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Photo by yoko , coordinator by narumi

 

 

子どもたちの撮影をしていると、色々なハプニングが付き物だということは皆様ご存じの通りだと思います。

私は撮影中のハプニング、大好きです。(もちろん危険なことは起こらないように気を付けていますが。笑)

 

しかしながら、ハプニングと一言で言っても種類があると私は常々思うわけです。

突発的なもの、偶発的なもの。

想定内のもの、想定外のもの。

本当に色々です。

 

この子にはこういう写真が似合うだろうな、と考えたときに、1枚絵から考えを広げます。

考えというか、撮影の流れというか。

なるべく流れを止めず、被写体の子が考えて動いていくその中に、その子にしかない瞬間というものがあるのではないかと。

 

しかしただ自由に動いてもらって、カメラマンはただシャッターを切っていれば自由な写真が生まれるのか?と言えば、それはやはり違うのではないかと思います。

やはり撮影ですから。そして私たちはプロですから。フィールドは決めなければなりません。

私たち撮影者がどれだけのフィールドを準備できているか、被写体が自由でいられる空間をどれだけ準備できているか。

これが大事なことだと思います。

 

 

 

この写真を撮るときにまず先に考えたことは、「動いてもらうこと」と「ハプニングを想定すること」です。

言わずもがな、この写真の一番のポイントは「ちょっとー!靴脱げちゃってんじゃん!」の瞬間。

この瞬間を想定しているか、想定していないかでシャッターを切れるか切れないかも決まってくると思います。

 

被写体の子は赤ちゃんの時から知っている子で、毎年あっている子で、穏やかだった3歳までの性格も、活発過ぎるくらい活発になっていった4歳からも知っている子。

さて1年生になる今この時、彼の特徴はどういうところにあるだろう。

うん、一番は、「止まらないところ」かな。笑

 

ならば止める必要はないだろう。ただ、そのフィールドはこちらで決めさせていただこうか!ということで、ホリゾントに椅子を5つ並べました。

階段になったこの椅子たち。登りたいでしょう。登りたくなっちゃうでしょう・・・!!というこちらの気持ちに前のめりにかれはちゃんと応えてくれました。

ええ、こちらが呼びかける前に登り始めてくれました。(余談ですが彼はこの後3往復くらいしてました。)

 

「椅子を階段にしたら登ってくれるだろうな」

「もしかしたら靴も脱げてくれるかもな」

「何か、起こったら楽しいだろうなぁ」

 

「登り始めかな」

「頂上かな」

「いやもしかしたらもっと違う何かが起こるかな」

「いやいや何も起こらない可能性もある」

 

遊びの空間を準備して、撮影のルートをいくつか準備しておく。

どのルートを選択するかは被写体の自由にする。

 

結果、めちゃくちゃ一番最初に起こった想定内のハプニング。

 

 

これを、「やらせた」ら違うんです。

準備したのはこちらだけれど、選択したのは彼自身だということが、私の中では非常に重要な構成要素になります。

 

 

想定されたハプニングという言葉を使うと少しずるいような、冷たいような気もしますが、被写体と写真を通して繋がれた瞬間というのはこういうところにもあるんだなと改めて考えるきかっけとなった1枚です。

(ちなみに脱げた靴を彼がまったく気にしなかったのは想定外のハプニングでした。笑)

 

コーディネーターのなるみん、この空間を一緒に楽しんでくれてありがとう!

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