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『感』

投稿日:2021/1/9     更新日:2021/1/22

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LIFESTUDIO TOKOROZAWA

Photo by VOLVO

 

 

 

自由でありながらどこか不自由に写真を撮る私達。

シャッターを押す時に幾度となく「これでいいのか」という言葉が頭をよぎります。

本当はどのように撮ろうともカメラマンの自由であって、そのくらい写真に正解というのは存在しないのだけど

何か見えない答えを追い求めながらシャッターを切るのがカメラマンの性であり、そんな苦悩を持ち続けるのもまた

カメラマンらしい。

 

きっとカメラマンという職業はそういう生き物なのでしょう。

いや、むしろそういう生き物じゃないといけないと思います。

 

「悩むことが不自由」と思うかもしれませんが

実はライフスタジオのカメラマンには「悩む自由」が与えられていると私は思ってます。

悩まなくなった瞬間、写真はカメラマンではない他の誰かが作った決まり事に支配され

写真からは「意図」が消えます。

 

スタジオの光のありかは変えることが物理的にできません。

人によって当たり方をかえるならば、人を動かす事になりますが

彼女の肌感、顔の形状、髪の毛のウェーブ、これらを鑑みて一歩後ろに下がってもらい

白いドレスを着用し、白い布に囲まれ、多くの装飾品は付けずとにかくシンプルに彼女の『質感』だけが写るように・・・

そのためには表情が全て見えることや笑顔であることさえも取り除きながら・・・

 

ご来店時と撮影時で彼女は変わりました。

ヘアメイクによって巻かれた髪と着用した非日常的な衣装によって、一瞬にして

主役としてのイメージを私に対してアウトプットしてくれました。

彼女にそんなつもりはないかもしれませんが私には「モデルになる準備はできています」

と言っているように見えました。

「写真の距離は心の距離」なんて言葉を何年も前に言ったことがありましたが、実はこのような表情の

クローズアップの写真を撮るのには少しばかり勇気が必要になります。

いわゆる笑っていない写真というのは使い方を間違えるとただの怖い写真になりがちだからです。

そういう時は大体の場合カメラマンの存在が認められていない場合が多いです。

カメラマンが写真を撮るという行為に対して、被写体である子供達から同意を得られていないのです。

 

それを補うためにコーディネーターがいてくれるのですが、カメラマンは自分で自分を認めてもらう努力をしなければならないのは

当たり前のことです。

 

心の『距離感』を縮めなければこうした写真は失敗に終わるか

失敗してる事にも気づかずに撮り続けているか、笑顔を撮るかの判断を迫られる事になります。

 

ところが私は彼女にこの位置についてもらった時からこの表情を撮ることしか考えていませんでした。

「頭よりかかって力抜いて〜笑わなくていいよ〜間になんか見えて邪魔かもだけど気にしないでカメラ見てて」

最初に撮ろうとした時、前ボケは顔に被っていない写真でした。

それでも良かったのだとは思います。

が、この1枚前まで笑ってくれていた彼女から出てきたハリウッド女優顔負けの目力は

私を後退りさせるぐらいの強いまなざしでした。

これは素で受け取るよりも世界観を付与する事で『統一感』が生まれると感じ

あえて表情にかかる形で前ボケを付与しました。

 

私たちが不自由に写真を撮る理由は「悩む」ことにあるのではなく

「既存の考え」に支配され「思考を固めてくる」事に慣れてしまう事にあるのだと思います。

 

もっと自由に、もっとオープンに。

 

ファインダーの中に写る人のためだけに「悩む」ことこそ自由だと私は思います。

 

 

 

 

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