店舗フォトジェニック集
Photogenic
『感じる』
投稿日:2026/7/31     更新日:2026/7/31
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『感じる』
Photo.OHAGI / Styling.Sacchan
撮らなければならない写真と、撮りたい写真
写真館には、「撮らなければならない写真」がある。
七五三なら、着物がきれいに見える写真。
家族みんなが揃った写真。
笑顔でこちらを見ている写真。
どれも、お客様にとって大切な記録であり、私たちが責任を持って残さなければならない写真だと考えている。
でも、私はそれだけでは少し物足りない。
写真を撮り続けていると、「撮らなければならない写真」とは別に、「どうしても撮りたい写真」が生まれてくる。
それは作品を撮りたいという意味ではない。
その子がその日にしか見せない仕草や、その時間だけの光、その空間に流れていた空気を、そのまま写真に残したいという気持ちだ。
ライフスタジオの商品は85枚で完成する。
だから難しい。
一枚だけなら、作品はいくらでも作れる。
一枚だけなら、お客様が求める写真を撮ることも難しくない。
でも85枚になると、そのどちらかだけでは足りない。
記録だけでもなく、作品だけでもない。
その二つが自然につながったとき、初めて85枚に流れが生まれる。
私は撮影のたびに、その境界線を探している。
振り向かない

この写真には、笑顔がない。
カメラ目線もない。
でも私は、この写真が好きだ。
それは後ろ姿だからではない。
振り向こうとする前でもない。
でも、その中には動きがある。
少し浮いた足。
帯が描く曲線。
袖の揺れ。
窓から入る光。
そして、そのすべてを包んでいる空間。
以前の私は、人をどう見せるかを考えていた。
でも今は、人だけでは写真は完成しないと思っている。
光が人を包み、空間が光を受け止め、その中で人が動いたとき、初めて写真になる。
ただ、七五三という撮影には、「着物をきれいに残す」という役割がある。
その役割は大切にしながら、その日の光、その子だけの動き、その場所だから生まれた空気を一枚の中に重ねていく。
この写真で挑戦したかったのは、後ろ姿ではない。
「見る写真」から、「感じる写真」へ。
その視点を少し変えてみることだった。
変化発展という言葉を聞くと、大きな変化を想像してしまう。
でも私にとっての変化は、そうではない。
昨日より少しだけ見えるものが増えること。
光の見方が変わること。
空間の感じ方が変わること。
そして、その変化が85枚のどこかに自然と表れること。
それを繰り返していくことが、私にとっての「変化発展」です。
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