Kyoto-Katsura
Photo: Kudo

ライフスタジオで写真を撮影するようになってから14年が経とうとしています。
この14年で様々なことを経験させていただきました。
波に乗っているときも、調子があまり良くない時も、写真を撮ってきました。

今でこそ確信を以て言えることは、写真は真実を写すものであり、写真は自分自身の心の投影であるということです。

真実とは事実と異なり、真に美しく調和の執れたものです。
ありのまま写すのではなく、その人自身の真実を表すものだと思います。
また、写真には撮影者の心が投影されるということは、撮影者の心の状態が不意に写真に入るということです。
心の状態が良くなければ写真も良くなりません。
自惚れや、虚栄心、エゴ、そして承認欲求。
それらが強く出すぎると、心のレンズが曇り、被写体その人自身を見る目が曇ってしまいます。
なので、私たち撮影者はただまっすぐに目の前にいる被写体その人自身の真実に向かおうとする姿勢が必要なのだと思います。

「自由に、まっすぐに、人に深く入ること。」
私が入社した時に当たり前のように聞いていたこの言葉の意味が、今でこそ心に響きます。
余計な欲求を超えた先に、ただまっすぐにその人の真実へ向かっていきたい。
今の私が撮影するうえで大切にしていることです。

この写真で、彼女の真実へどれだけ近づけただろうか。
私の心の投影はどのように見えるだろうか。
まだまだ人間を勉強中ですが、これからも真実へ向かうことを止めないで生きたいと思います。