店舗フォトジェニック集
Photogenic
ひとり遊びが描く、やわらかな時間。
投稿日:2025/8/26
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LIFESTUDIO AOYAMA
photo:gomei
codi:morita
窓から差し込む光に包まれた赤ちゃんの後ろ姿は、まるで時間が止まったかのように静かでした。
顔は見えないのに、その小さな体の輪郭や髪に飾った花冠が、十分すぎるほどの存在感を放っています。
写真を見返すと、光がまとう柔らかさに、思わず深呼吸したくなるような安らぎを覚えます。
母親にとっては、この写真は「何をしていたのか」を思い出すきっかけになるでしょう。
ひとりで遊びに夢中になっていた姿、言葉にならない声をあげながら世界に触れていた時間。
顔が見えなくても、母はその瞬間の表情や息づかいを心の中で鮮やかに補完できるのだと思います。
むしろ、顔が映らないからこそ、その余白に“母だけが知る思い出”がそっと宿るように感じます。
カメラマンとして、この場面を見ていると「光が語ってくれること」があるのだと実感します。
私たちはつい子どもの仕草や笑顔を追いかけてしまいがちですが、この写真の主役は赤ちゃんと光そのもの。
柔らかな光が背中を抱きしめるように包み込み、写真全体を物語にしてくれる。母親が感じる愛情や、スタッフが目指す写真の価値は、こうした“光の力”に大きく支えられているのかもしれません。
やがて成長すれば、この柔らかな雰囲気は少しずつ形を変えていきます。
力強く外の世界へ歩み出す姿はまた別の輝きを持つでしょう。
けれど、この時期の「ひとり遊び」と「光に溶け込むような輪郭」は、いましか残せないものです。
だからこそ、この一枚は未来にとって特別な宝物になる。
顔が見えなくても、光と後ろ姿だけで伝わることがある。
そう気づかせてくれたこの瞬間は、母にとっても、撮影に携わる私たちにとっても、忘れられない一枚になりました。
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