PhotogenicYoyogi

スポットライト。

2019/4/3

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YOYOGI Photo 
 
Photo by Pon

Coordinator by Yoshi

Written by Pon


明かりがなければ写真は撮れない。

光と影の証明が写真だ。

そんな当たり前のことを、この写真の彼との出会いで僕は教わった。

 

 お母さんと一緒に七五三撮影に訪れた彼は、実にまっすぐに自分を表現する子だった。

 撮影の時、「お母さんも一緒に撮ろうよ!」とお母さんの手を取り、急遽予定にしていなかったお母さんとの家族写真の流れになった。

その時彼が急に歌い出した「ありがとうの花」という歌。

彼は保育園で習ったというその歌と手話も同時にお母さんに披露してくれた。

 

 ありがとうっていったら

 みんながわらってる

 そのかおがうれしくて

 なんどもありがとう…

 

 この歌詞に手話を交えながら、お母さんに向けて歌っている彼。

それを見て、微笑みながら涙するお母さん。

それを見て、もらい泣きするコーディネーターで撮影に入ってくれたよっちゃんと僕。

この時ばかりは、ただただ彼が作る感動的な空気に心を持って行かれた。まさにサプライズだった。

 

 そんな彼は、撮影中いろんな姿を演じてくれた。

ある時は、戦隊ヒーロー。ある時は、木琴奏者。ある時は、バンドONE OK ROCKのTaka。

そうこの写真は、ONE OK ROCKのボーカルのTakaになりきっている時の彼だ。

「ワンオクを歌ったら?」と言うお母さんからの振りに答えて、彼は歌い出す。

マイクを片手に手を前にかざす仕草。

そんなにONE OK ROCKには詳しくない僕だが「Takaだ!」と潜在的に記憶していたTaka素ぶりが蘇る。

この時もまた、彼に心を持って行かれた。

彼が代々木店をLive会場に変えた。

Live会場に見立てたライティングも彼がアーティストになったからこそ本物のLive会場になった。

そう思った。

僕は、真っ向から表現者である彼にレンズを向け続けていた。

 

 この撮影で何かを表現するということ、体現するということで人に何かを伝えることを彼から教わった。

まだまだ未熟な表現者として僕に何ができるか考え始めるきっかけを彼はくれた。

彼という存在があって写真を撮るという自分の存在がある。

撮影者と被写体との関係が成り立つということが当たり前のことだった僕の日常に彼は光をくれた。

 

 光があるから影がある。

そんな当たり前な光景を特別にするのが写真の持つ可能性ならば、

この可能性を信じてみる価値があると僕は思った。

 

 

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