Staff BlogSoka

Ayako Kai
草加店

甲斐あや子

福島県出身、かいちゃんです。

年中無休で趣味を募集中です。
皆様の趣味、お勧めを是非教えてください!

最高の思い出作りのお手伝いをさせていただければと思いますので、宜しくお願いします!

【写真分析】自由であるための不自由

2019/4/12

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被写体を自由にしてあげたい、
飾らない姿を撮りたい。

撮影する際にいつも思うことですが
そう簡単ではないのを知っています。

スタジオは過ごし慣れた場所ではないですし、
自分にカメラが向けられる事も非日常かもしれません。
まして話し相手は初めましての大人達。

いつもの自分でいること
平常心を保つことが難しいというのは想像に難くありません。

その壁を越えるには
私達からアプローチするしかないのです。

一方で私達撮影者はどうでしょうか?

何をどう撮るのかを好きなように決められる撮影者は
一見とても自由に感じます。

しかし
どのような撮影イメージを持っているのか
被写体の表情をどう引き出すのか
光やインテリアは適切なのか
どこまでを写すのか
今お客様が望む写真とは何か

これらを考えることはカメラマンとして当然の事かもしれませんが、
一枚を撮影する間に様々な思考を巡らせている私も

「自由であること」を望みつつ
実は不自由なのかもしれません。

そんな中、撮影中の自由を見つける瞬間がありました。


写真の彼女。

私はその表情に惹かれました。
一瞬の間に見せるポーッとした表情。

つぶらなな瞳と色白の肌から柔らかい印象を持つ彼女は
撮影中に沢山の笑みを見せてくれました。

誰に対しても優しく礼儀正しく接する姿は大人と変わりませんが、
考え事をする時や無意識に気が抜けた瞬間に少女らしいあどけなさが現れました。

その透明感が彼女の何よりの魅力であり、
残したいと思える瞬間でした。

選んでくれた白のエアリーなワンピースは、
優しく女の子らしい雰囲気の彼女を良く際立たせてくれていました。

背景は格子窓やポイントなる木の葉の緑ですが、
少し主張が強いようです。

あえて白のレースカーテンで隠しつつも、
爽やかな緑が少しだけ見えるよう彼女に間に立ってもらいました。

曇りの日特有の安定した光はスタジオ全体を柔らかく照らし、
彼女の輪郭を優しく縁取っています。

カメラの前には観葉植物を配置し、
少しだけボケるように、色の柔らかさに加えて素材感の柔らかさを加えています。


そして私が残したいあの一瞬。
意図して写すにはなかなか難しいものです。

こちらを意識しない状況を作る必要があります。

よく写真のリクエストで「自然に」という要望をいただきます。

私達は「普段通りの表情」を目指して
家族で会話をしていただいたり
体を動かしてみたり
時にはおどけてみたりと工夫を凝らします。

こうした時に出る表情は一瞬でもカメラを忘れ、いつもの姿を写すことができます。

話すこと、笑うこと、驚くこと。
緊張とは違った感情を起こす事で、少しの間はその人自身が出てきます。

ですが私が欲しかったのは「間」。

会話がプツッと途切れたような、
静寂が訪れた瞬間を望んでいました。


考え事をしてもらおう。
1つの案が浮かびます。

更に撮影から意識をそらすには…

とカメラに背を向けてもらいました。

真面目な彼女は指示の通り後ろを向き、じっとしています。

その後ろ姿からは何をすれば良いのか
戸惑いの空気が感じ取れました。

そこで私はインテリアのバスを指し、
「バスの上には何色の文字が書いてある?」と一声。

具体的なポーズの指示ではありませんが、
彼女は振り返り、上を見上げます。

素直に文字を探す瞳、少しだけ尖った口元もまた可愛らしい姿でした。

撮られている意識から解放されたほんの一瞬。
そのままが美しいと思えた一瞬。
被写体も私も自由になれた瞬間です。

無意識な美しさ。
これからも探求していきます。


Photo & Write by Ayako Kai
Coordinated by Namika Kubo

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