PhotogenicNisshin

兄弟の関係

2015/4/5

2840 0

兄妹とはどんな存在なのだろうか?

普段私達は写真を撮る時に、

「ここにいてね」「ここで遊ぼう」「ぎゅってしてみて」

と、様々な指示を子供達にする。
けれどそこにある兄妹の関係とは、あくまで「私達が撮影しやすいようにつくりだした関係」である。
確かに、同じポーズをさせても、その兄弟姉妹関係により異なってくる。
そこに生まれる大小の差異が、それぞれの兄弟姉妹の個性ではないだろうか。

スタジオを自由に動きまわっていれば写真は撮れないかもしれない。
しかし、いかに彼あるいは彼女らを、日常の姿そのままで残すことが出来るかということが私達に与えられた使命なのである。

この時は正にそうであった。
兄と妹はとても仲が良く、まるで恋人のように思える瞬間さえあった。
お互いにお互いをとても好き合っていて、兄は妹を大切に、妹は兄を慕いついていくというイメージであった。

まだ小さな彼女は、1人での撮影になると少し恥ずかしそうにけれど私達との時間を楽しんでくれた。
そこへ突然、兄が飛び込んできた。

その瞬間が、この1枚である。

彼は自分1人の撮影でもそうだったが、おちゃらけるのが好きな性格だ。
キメるところはかっこよくキメ、楽しむ時は思い切り楽しんでくれる。
妹が頑張っている姿を見て、自分も楽しくなってきたのだろうか。
スタジオにある、花を入れている缶を手に飛び込んで来てくれた。

これには私も、カメラマンも驚き、そして大爆笑した。
妹の驚いているような冷静でいるような、なんとも言えない表情が彼らの関係を表しているのだと感じた。
カメラマンは、その一瞬を逃さなかった。

私達がつくった関係や構図、ポーズではない。
そこには、日常の彼らの姿があったのだ。
きっと、いつも家でもこんな感じなのだろうということが容易に想像できた。
私達は最大限、彼らの自由の中で撮影をしていくことが必要になっていく。
いつもとは違った場所。
けれどそこにいる彼らは「いつも通り」であってほしい。
そのためにカメラマンやコーディネーターは彼らとの時間を大切にし、彼らが彼らのままで撮影出来るような雰囲気をつくっていく。

兄弟写真は、子供の人数が増える分、それだけ写真の要素も変わってくる。
1人はいつも通りでいても、1人は緊張して顔がこわばっているかもしれない。人見知りで泣いてしまっているかもしれない。
泣いていても、それは写真になる。
泣いている妹や弟を慰める兄弟写真であってもいい。
大事なのはそこにある「雰囲気」を残すことだ。
慰める仕草は、妹や弟を可愛がる証。泣いてしまうのは不安で、悲しくて出てしまう涙。

私達がどれだけ頑張っても、その「関係」の中には入っていけない。
ほんの少し、その空気を分けてもらうことだけだ。
その分けてもらった空気を大切に、彼らの関係を尊重していきたい。

そんな思いで、兄弟写真を残していきたい。

write:Miyahara

この記事をシェアする