Staff BlogNagoya

picture35-写真評価

2011/10/24

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名古屋店で一か月間家族写真に集中し、撮影された写真を見てみると効果的に変化を発見することができます。スタジオの写真の質を明確に判断できるものは家族写真です。色々な家族写真を見てください。良いとか悪いとか、そのような視点だけで見るのではなく、その家族写真から何を感じ取ることができるのか。逆に私たちが撮影する家族写真がどの水準に位置するのかを見てください。

 

「父親をここに立たせて、母親をここに座らせ、子どもはあそこで…」、そのように撮影するものが家族写真ではないということに気付くことができるでしょう。もし私たちがそのようにしか撮影を考えられないのであれば…。

 

家族写真を撮影する際にも固定観念が付きまといます。「どのようなイメージを伝えたいのか?」、そのイメージが特に無ければ形だけにこだわることになるでしょう。足はこうして…、手はこうで、顔の角度はこのくらいで」。そのように撮影をしながら本人が窮屈に感じるでしょうし、それにより何かを変化させたいという気持ちが生じます。その強い願望によって大枠の形態だけを無理矢理変化させる方法を用います。しかしそれでは何処かが違うような…、結局根本から知る必要があることに気づきます。

 

家族写真を撮影しながら、自分の伝達能力の限界を感じることができます。‘伝達’とういのは自分が持つイメージを相手にどのようにして伝えるかであって、その伝達能力が備わっていなければ完成度が高いものを表現できる可能性は低くなります。それをどのようにして身に付けるかが重要になり、またそれがカメラマンとしての最も重要な能力であることに気づきます。だから自分だけの言葉で、相手に分りやすく、時間をかけずに、確実に伝達できるものを持っていなければいけません。これを基本にして撮影を進めることになるでしょうし、伝達方法を如何にして習得するかが私たちの課題になります。

 

 

さて何はともあれ、考えることが多い撮影が家族写真になるわけですが、多くのことをしなければいけないので、最初に何からやるのかを自分で考えなければいけません。

 

 

  • どのようなイメージを伝えるべきなのか?

 

家族写真は一つの課題を自分で選択し、実行を繰り返すと大きく変化するものだと思います。たとえば家族としての‘一体感’を表現すると自分で決めるのであれば、その家族の‘繋がり’を意識するようになるでしょうし、そうであれば一人だけその輪から外れ独立した状態を許すことはなくなるでしょう。また、ただ近くに居るという事実だけでは‘繋がり’を表現することは難しいと痛感することになるでしょう。

時には抱きしめてみたり、時には顔と顔を寄せ合ったり、時には体と体を思い切りぶつけてみたり。イメージに意識を集中していれば表現の形は変わるのだと思います。

 

イメージをどのように表現するかは勿論重要であるのですが、ではどのようなイメージを伝えていけば良いのでしょうか。これは途轍もなく大きな課題でありながらも、それはスタジオのアイデンティティーを表すものであり常に議論されなければいけないものだと思います。私たちが一方的にイメージを与えるだけであれば、その写真は何処か野性的というのでしょうか?私たちの中で適切に整理がされないままに進む可能性が高くなります。

ある程度整理されながら撮影される写真はイメージを付与する力が大きくなります。この写真を見てもそれを良く理解することができます。

 

実際にどのように撮影をされたかは定かではないですし、どのような考えを持って撮影に望んだのかは分りません。撮影者が自分の頭の中に存在する一定のイメージを整理しながら撮影をされています。このような写真の難しさは、自然にイメージを創造したいと考えながらも、逆に不自然さを与えてしまうということです。ただ‘そのようにして下さい’と伝えただでシャッターを押すのであれば、単純なスナップ写真になりかねないですし、逆に常に指示を与えながら形をつくるというプロセスを辿ると、たどたどしくなり、やらされているという印象を与えかねません。

 

前述しましたがそこはカメラマンの伝達能力に絡んでくる話になります。指示を出して‘このようにさせる’という方法ではなく、被写体をそのように自然と動かすことが求められます。良いというイメージ写真は人工的に創造されたという印象を与えません。イメージ写真を考える際に、人工的な部分を削除していくというのはこの写真を見ながら必須項目であると思います。

 

ではどのようにしてそれを習得することができるのか?決定的なことは言えませんが、まずは同じような形態で撮影された写真とこの写真を見比べ、違いを見つけることができれば早く理解できると思います。言葉ではなかなか上手く伝えることができませんが、美しい二つの曲線が全てにおいて反発することなく自然と溶け込む印象を与えてくれます。

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