Staff BlogNagoya

picture60-再考.1

2017/9/14

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「気が付けば、綺麗な西日が射し込む時間でした」
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出会った時に、「これは楽しくなる」、そういう直感があります。
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今回の撮影も記憶に残るものになりました。
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初めてお会いした彼ですが、一言で言えば、‘元気’という言葉が本当に似合う、そんな印象でした。
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最初から距離をあけることなく、カメラマンとアシスタントに飛び込んできてくれました。
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小さい時は緊張や恥じらい、あまえや楽しさ、色んな感情が交差するのが普通で、色々な感情の交差もあってか、少々気分も高めのようでした。
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そんな彼を見ながら、とても自然だなという印象と、そのありのままの姿を残すことだけをとにかく考えていました。
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そう思えるようになったのも、自分も子を持つ親になったからでしょうか…。
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「綺麗」と「美しい」という言葉は似ているようで、少し違っていると勝手に思っていて、「綺麗」な写真ではなく、「美しい」写真を撮りたい願望を持っています。
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[人が持つ力]
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その差がどこにあるかは難しいですが、言葉にしてみると、被写体の生命力が感じられるかどうかで、自分が写真を撮るうえでの永遠のテーマになっています。
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生命力を違う言葉で表現してみると、オーラと言えば良いのでしょうか。
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撮影前に「楽しくなる」と、そう感じたのは、彼がもつオーラが撮影をする前から、ひしひしと伝わってきたからだと思います。
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言葉では説明できませんが、人には誰にでもそういった、目に見えないオーラがあります。
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そのオーラを、何で感じるのかは様々だと思いますが、一つに人が持つ感情のトーンの影響は大きいと思っています。
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彼が持つ、色々な感情は、彼自身の固有なモノであって、固有な美しさだと思います。
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喜ぶ、悲しむ、楽しむ、人としての持つ感情は同じですが、感情のトーンは、人によって違います。
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そして、感情のトーンは、一つ一つの音を組み合わせる音色のように、その人の仕草や行動に表れます。
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喜ぶ時に、本当に涙を流して喜ぶ人もいれば、体ではそこまで表現することなく、心の中にじっとその喜びを味わう人もいます。
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それが感情のトーンだと思っています。
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「自然な写真を撮る」というのは、私の中で、その感情のトーンがありのままであるということであり、それをいつも崩すことなく、美しく写真におさめたいと思っています。
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この時も同じでした。
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独特なリズム、独特な音色、それがその人自身の美しい個性であって、それをすぐに感じられることは、カメラマンにとって、「良い予感」と言わざるをえません。
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撮影しながら一緒に笑って、カメラを置きながら世間話をして、全力で汗を書いて遊んで…、
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時間を気にすることなく撮影をしながら、新しい撮影場所に行ってみると、最高の条件が揃っていました。
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西日。
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[最高の条件を探すこと]
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同じ場所で撮影をすることに慣れながらも、カメラマンとして、常に条件に対するアンテナは必要になってきます。
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条件を探し、条件を活かすことで、写真はつくられてきます。
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この時の好条件というのは「光の量」です。
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撮影現場での光の量を見た時に、被写体である彼に、ふさわしい量の光がそこにはありました。
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光の量が多いから良いというものでもなく、少ないから良いというものでもないと思っています。
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表現するための光の量が、ふさわしいか、ふさわしくないか、この被写体と光のバランスが重要だと…。
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彼の持つパワーを表現するためには、このくらいの光の量が妥当だったというのが私の判断です。
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男性として力強く、自分の意志をはっきりと持ち、ふとした時に見せる真っ直ぐな眼差しは、年齢以上のものがあります。
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その力を表現するためには、多くの光の量を取り入れる必要があり、あますことなく一枚に取り込むためには、逆光が適しています。
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ただし、あくまでも光は素材です。
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光が重要なのではなく、その存在を美しく表現するための光が重要だというものは、撮影をはじめて10年以上経った今でも変わることはありません。
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とにかく楽しい撮影でした。
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彼が放つ、その躍動感の強さに、おじさん二人も圧倒されることなく、全力を出し切ることが唯一の方法でした。
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過ぎた時間によって、暖かい色に変わった光は、写真に「優しさ」と「穏やかさ」を与えてくれます。
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そんな光も、優しい彼にはぴったりでした。
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良い条件を見つけたと同時に、その最高の条件で表現しなければいけない、焦りと緊張と色々な感情が入り交じりながらシャッターを切ったのを覚えています。
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スタジオで撮影する写真は特別でなければいけないと思っています。
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ただシンプルがいい。
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写真における特別というのは、変哲のない被写体自身の自然な姿に、少しだけ良い素材を組み合わせたときに生まれるのだと、
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今でも単純にそう思っています。
 

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